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村から移って来た村人が来てから5日目、簡易な住居を増築してそこに住むことになった。
「「ありがとうございます。ありがとうございます」」
リーダーに頭を下げる老人に、
「とりあえず、ステレオは止めろ!」
うんざりした顔で言った。
目の前には二人の老人が寸分たがわぬ動きで言ってきたのだ。片方が“水鏡に映る”神だということはわかるがうんざりすることこの上ない。
「俺より“水鏡に映る”神の祭壇に祈った方が良いぞ」
10数人いる村人の為に1つの家を建てるどころか家族ごとに4棟作ったのには神の力で一時的に増やされたリーダーを筆頭とした若い村人の力があったからだ。
“水面に映る”神の力の一端が祭壇に来た村人の姿をして真似ること。それで作られたリーダー達が一気に作り上げたのだった。
「祭壇に行ったら、ワシに協力せいと言われて……」
『リーダーが一番リアクションがいいからな!』
「うおぉぉー! 自分所の神じゃなかったら殴りてえぇぇ!」
『はっはっは、そんなに誉めるな』
「誉めてねえよ!」
そんな風に弄られながらも神に文句を言うだけで終わらせる。その時に村の外から見知らぬ者達が入ってきた。一人の少年と色々と個性的な女性達が。
「おいらは十湯田四郎と言います。この先の村に寄ったんですが誰もいなくて祭壇が壊されてたのでこっちで何かわかんないかなと思って来たんですけど……」
「俺はこの村で若者のリーダーをしている」
『こいつはリーダーでいい』
「……その村人だったらここに移住してもらった。なんでも神が消えたそうだとこっちの神に聞いて見に行ったんだ」
そう言って忌々しそうに老人になっている神を見る。
『そうじゃ。それでこっちがその村の長じゃ』
「いえいえ、そんな大層な者では……」
「そっくりなじいさんが二人……」
四郎は二人を見比べて驚いた。
「いやいや、こっちのお方は“水鏡に映る”神でここの加護を与えてるお方です」
『いやいや、それほどでもあるぞ!』
そう言って片方の老人が頭を下げ、もう一方が腰に手を当てて笑っている。
それを見て、四郎はリーダーを憐れみの目で見た。
「大変ですね。こういう人をお世話するの」
「……わかってくれるか?」
「わかります。とりあえず回りは見守ってやるしかないですからね」
「そうなんだ。いつ何をしだすかわからないからな」
『おい、お前はなんの話をしとんじゃ?』
不意に二人の会話に割って入る“水鏡に映る”神。
「ハイハイ、おじいちゃん大事な話してるから待ってってね」
「……プッ……クク」
その言葉にリーダーは意味がわかったのか笑うのを堪えようとして失敗した。
『おじいちゃんじゃない! ワシは』
「ハイハイ、ご飯はもう少しだから待ってってね」
「わーははは……腹が……よじれる」
『コラーー! 笑っとらんで説明せんか!』
腹を抱えて笑いだしたリーダーに怒鳴りだす老人を見て四郎は首をかしげた。その四郎にカーリンが声をかける。
『四郎、お前がボケ老人扱いしてるのは正真正銘、ここの神だぞ』
「……え?」
『そうじゃ! ワシは神じゃーー!』
「その姿じゃ説得力もない。……ププッ」
『笑うな!』
四郎の目の前で老人がリーダーに変わり殴りあいを始める。
「え? マジで神なの? 神罰下るの?」
『……大丈夫じゃないかな』
『私達が説得するよ』
『神罰が下る方にな』
『……うるさい。黙れ。ZZZ……』
心配しながら四郎はその殴りあいが終わるまで見ていた。




