60
昨日は飲んで死んでました。毎日書くつもりが……(泣)
「神よ! この村に住むことをお許しください」
ここは大男のリーダーが住む村だ。馬車を急がせて着いたその日に村人を代表して老人が祭壇に祈りを捧げた。
祭壇に光が差しそこに老人と瓜二つの老人が立っていた。
『飯はまだかの?』
「わしゃ、まだボケとらん!」
老人の抗議の声が上がる。その横でリーダーが膝を着いて頭を下げる。
「“水鏡に映る”神よ。戯れはその辺でお止めください」
『ロールの小倅がいいよるの』
“水鏡に映る”神はこの村に加護を与えてる神で祭壇に祈る者の姿を真似て現れる。少々人をおちょくるのが好きな神だ。
『この村に住むことを許そう。家とかはそいつに建てさせる』
「ありがとうございます。この地の繁栄に力を尽くします」
『だが、その前に……』
“水鏡に映る”神が老人の頭に手を触れる。その手が何かをすくい取るような動きをすると老人が糸の切れた操り人形のように崩れ落ちた。
「おい、大丈夫か!?」
『それは置いておけ。それよりこれを見るのだ』
“水鏡に映る”神が空中にその手を広げると波紋が広がりある映像が現れた。
ある家の中に食卓を囲む一家が見える。固い黒パンとスープの朝食が用意されて食べる直前だろう。その画面が揺れて慌てたようにその家族が外に出る。その足が神殿に向かったのはこの地の加護を司る神がいるからだろうか?
気がつけば村人全員が神殿に集まり中に入る。そこには壊れた祭壇があった。ざわつく人々の間に静かに何かが伝染する。それに感染した人は白目をむき祭壇に殺到する。そして祭壇は踏み潰され叩き壊されてしまった。
「おいおい、何だよこれは……」
『禍神に操られたのだろう。この記憶はワシが総て取り出しておこう』
祭壇をこの手で破壊した罪悪感を覚えさせないのと、伝染する禍神の力を消すためだ。禍神にまた操られる可能性があるかもしれないからだ。
「……ん? ここは?」
『神気に当てられたのだ。大丈夫だから他の村人を呼んで来てくれ』
「じいさんは休んでいろ。俺が呼んでくる」
「すいませんね」
「いいから休んでいろ」
老人を外に出すとリーダーは順番に村人を神殿に入れていく。
『まあ、ワシの加護のある村の中なら何時でも出来たことだがな』
「俺の働きは!?」
『面白かったぞ!』
この日、二人のリーダーが殴り会う姿が見られた。




