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四郎達が後にした村とそこから5日歩いた場所にある村との中間地点に馬車が止まっていた。
「今日はここらで野営する。村の人は外に出ずに馬車の中で待っていてくれ」
この馬車のリーダーである大男が大声で馬車の方に話しかけた。近くにいた数人が耳を押さえる。リーダーにしては少しだけ声を張った位の気持ちだが地声が大きいために回りにいる人には迷惑なのだ。
「いつもすいませんね。手伝える事があったら言ってくださいよ。我々は助けてもらったんですから」
馬車の中から顔を出したじいさんがそう言って頭を下げる。
「気にすんな。こっちの神さんにもくれぐれも粗相の無いようにと言われてんだ。ゆっくりしといてくれ」
「ありがとうございます。ありがとうございます」
そう言って馬車の中に戻っていった。それを見てリーダーは眉間にシワをよせる。
(本当にこいつらを連れていって良いのか? こいつらの中に祭壇を壊したいないともわからないのに……)
リーダーは村の神殿で告げられた事が信じられなかった。神が墜ちたと言われて信じるものがいるのだろうか? そして墜ちた神のいると聞いた村を見に行ったのだ。そこで見たのは壊れた祭壇とそれを見て呆然としている村人の姿だった。
祭壇が壊されて元に戻せたとしても神のいなくなった場所は危険度が高まる。村人を集めて自分の村に連れていくことを提案して了承を貰い、自分達の乗ってきた馬車に乗せて来たのだった。
(戻ってから神に村人を観てもらわなければ……)
食事の用意をする部下を見ながら考えた。
その時と同じ頃、どことも知れない穴の中で黒い影が現れた。それは泥のような人型でさ迷いながら男とも女ともつかない声で呟く。
【何故、いない? 禍神になっているはずなのに?】
体から泥のような物を落としながら進み崩れた通路に行き当たる。そして瓦礫に潰された通路に手を付くとそのまま瓦礫の中に進んでいく。崩れる前の通路の上を瓦礫を無視して進み外に出る。
【ここで消えている……消滅?】
そこは四郎を飲み込み最後には崩れ去った禍神の欠片が残されていた。それを踏み潰すと顔の部分をある方向に向ける。
【臭う……】
泥のような体を引きずるようにしてその方向へ歩き出した。その方向は四郎達がいる方向だった。
『むっ……』
『アルッテ、どうした?』
『ウチの出番がなかった』
『……ウサギは内蔵を抜いて持っていくぞ』
『お姉さまが無視した!』




