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「それでは、神殿の中を片付けたいと思います」
朝になり神殿に集まったみんなの前でそう宣言する。四郎はこの世界に来てから神殿でお世話になっていたため、この惨状がどうしても気になって仕方がないのだ。
『頑張ってくれ』
『……暇人め』
『お兄ちゃん、頑張ればできるよ』
『二度寝に戻ります』
そうして一人残された四郎は神殿の中を片付け始めた。足元に雨が時々落ちるのはカンカン照りの天気のせいに違いない。
中の残骸を表に出して、何もない祭壇の上を雑巾で拭きアマテーラス式の祈りを捧げた。
「アマテーラス様の胸が育ちますように……」
無意識の内に呟いた四郎は気がつかなかった。頭上より特大の殺気が落ちてきたことに。外ではカーリン他の女神達がガタガタと震えていたことに。
こうして神殿の中を片付けて外に出ようとした時に祭壇の上に一羽の小鳥がいるのを見つけた。四郎の掌に乗るくらいの大きさで青い羽と頭にある2本の角に見える赤い羽がある小鳥だ。それは祭壇の上でじっと四郎を見ている。
「どっからか迷い込んだのか?」
近寄って手のひらを上にして近づける。小鳥はその上に飛び乗ると首を傾げるような仕草をして四郎を見ている。
「何か、可愛い」
小鳥の顔に近づけた指先をつつく小鳥に癒されてそのまま小鳥と遊んでいると、
『お兄ちゃん、ご飯だよ』
ディーニュが呼びに来た。気がつけば日が傾いて夕焼けになっている。四郎の腹も思い出したように鳴り出した。
「ディーニュちゃんこの子にも食べられるのある?」
『……お兄ちゃんも変わったの捕まえたね』
「神殿の中に迷い込んだみたいでなつかれた」
『……ふーん』
ディーニュが疑いの眼差しで小鳥を見る。小鳥はそれに気がつかないように四郎の肩とかに飛び乗る。何処か誤魔化そうとしてぎこちないような気がするが。
『家にみんな集まっているから直ぐに食べれるよ。その子も芋虫とか食べるから切ったやつ出すね』
「良かったな。ありがとうディーニュちゃん」
四郎の肩から飛んだ小鳥はディーニュの頭に止まる。そこから肩に腕に飛んでディーニュの顔が見えるところに来ると頭を下げた。
「ディーニュちゃんもなつかれたか。可愛いだろ?」
『……そうだね』
ディーニュの小鳥を見る目はその言葉とは裏腹に冷めていた。四郎はそれに気がつかないまま家の方に行ってしまう。
『それで、アマテーラス様の子分が何してんの?』
四郎が行ってしまった後でディーニュが小鳥に問いかける。小鳥は明後日の方を向いて知らない振りをしている。それをじーっと見ているとうなだれてしまった。
『まあ、いいわ。ペット枠で置いとくから他の神にも挨拶はしなよ』
その言葉に何べんも頷く小鳥を連れて四郎の後を追った。




