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「苦節、1週間! やっと人里に来れた!」

『たかが1週間位で大袈裟な奴だ。1年程居て猿語を喋れるようになれば良かったのに』

「バカ野郎! すでに挨拶は習得しました!」

『道理で、四郎が襲われる事が少なくなったと思った』

「そうだな。時々、狂暴なのが来るくらいだったな」


 しみじみと思い出す四郎の体には無数の引っ掻き傷がついていた。姿を表す都度四郎に襲いかかっていた片目の猿の仕業だ。


『お兄ちゃん、小さな村だね』


 ディーニュが四郎に肩車されて村を見ている。ディーニュの言う通り、10件ぐらい家が有る村だった。


「中に入れてもらって何処かに泊めてもらおう」


 スキップしながら四郎は村に行ってしまった。その後をゆっくり着いていくカーリン達。


「すいません! 誰か居ませんか?」


 村に人が見当たらないために近くの家を覗いてみる。中には食事の途中であったのかパンなどがそのまま置かれていた。


「もぐもぐ……固いな」

『勝手に食うな!』


 四郎がパンにてを伸ばして食べ始めたのでカーリンが殴って止めさせる。


『このスープは塩加減が足りない』

「そうだな」

『ディーニュも真似しない! 四郎、この家の人が戻ってきたらどうするつもりだ!』

『味付けをちゃんと教える』

「……だそうだ。ディーニュはいい子だね」


 ディーニュは頭を撫でられご満悦のようだ。カーリンはイラついているが。


 この後、しばかれた四郎に家々を回らせるが人が見つからない。そうしてみんなは最後に小さな神殿の前にいた。木造で造られていて中に祭壇があったが、


『どうして壊されているんだ?』


 何人もの人が叩き壊し踏みつけた残骸を見てカーリンが悲しそうな顔をした。


『もうこうなっては神が現れるのは難しいな』

『そうですね。お姉さま』


 カーリン達はそう言って祭壇を見ている。


「本当にこの村の人はこんなにされてどこ行ったんだろ?」

『もしかしたら……こうなったから出ていったとか?』

「こうなったって?」

『守り神みたいな物だし、壊されて加護が無くなったから放棄したんだよ』

「それにしては食べかけのパンとかそのままにするか?」

『そうだね。アルッテお姉ちゃん何かわからない?』

『そう言われても……ここ以外は物も壊されている訳じゃないし……』

『おかしいね~? ここに入った人の足跡はあるのに村人のはないね~』


 布団の中から顔を出したヒピュスが地面を見ながらそう言った。そうしてヒピュスを引きずりながら足跡を探す。


『村人のは足跡は入口の所で消えてるね。轍の跡があるから馬車に乗ったのかな?』

『神殿の足跡もここで消えているね~』

「村人と神殿を破壊した人が一緒に乗るかな?」

『それもおかしいな?』


 そのまま、村人が帰ってこないか待ち続けていたが、誰も来ず、四郎達は家の1つに入ってこの日は眠った。

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