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『ZZZ……』
『まだ、寝てるのか?』
『お姉さま、危険です! そっとしときましょう』
ヒピュスの布団を剥がそうとするカーリンを青ざめたアルッテが押し止める。坑道から出るまでの間、ヒピュスにイタズラして布団の中に引きずり込まれた事で怖がるようになっているのだ。中で何があったかは固く口を閉ざすので不明。
『しかし、道端に布団ごと寝てられるとな』
ゴゼットの中まで戻った四郎達は宿に戻ることにしたが、このまま引きずっていくわけにもいかず、困っていた。
『そうです! お姉さま。四郎にさせれば良いんです!』
『いや……それは、そうだ……が』
座り込んでいる四郎を横目で見て、どうするか迷っていて声をかけることができない。というか、先ほどの事で声をかけづらいだけだが。
『お兄ちゃん、これどうするの?』
カーリンが言わないのでディーニュが四郎に聞いた。
「……起こしてみるか」
眠っているヒピュスの頭を軽く叩き反応を見る。少し薄目を開けたのを見て、
「起きてくれ、部屋に行って寝ていいから」
『……わかった』
布団から出て白い浴衣のような服に布団を仕舞うと四郎に続いて歩き出した。その姿は墓場から起き上がった死者のように緩慢な動きのために道行く人が道を開ける。
『あ~、う~』
さらに変な声をあげる為に人々はさらに距離を取る。それを気にしないで歩く四郎は宿に着くと部屋に入れて眠らせる。
『非常識な神だな』
「いや、そうでもないだろ?」
『寝過ぎの神だな』
「それはそう思う」
『それでも連れていくんだよな?』
「せっかくメダル貰ったしね。後、胸もあるし」
『そーいうのがお兄ちゃんだよね』
カーリンと変わらないだけの胸はあったヒピュスだった。
「カーリンの鉈もできたし、次はどこ行こうか?」
『待て、鉈がまだ“鍛冶”の神から戻ってきてない』
“鍛冶”の神に鉈を預けていたのを思い出してカーリンは言った。
『お兄ちゃん、私はホーリーちゃんと帰りたいな』
「変態紳士付きだけどいいの?」
『私がローリーを守るのだ~!』
「うん、いい子だね」
ディーニュの頭を撫でる四郎を見て、カーリンも頭を出す。
『アタシも守ってやる……だから撫でーー』
『ど~こ~か~で、甘酸っっっぱいに~お~い~がするぞ~!』
『お姉さまの頭はウチが撫でます!』
どこからともなく現れたヒピュスとアルッテの乱入でごちゃごちゃしてきてこの日は終わりになった。




