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四郎の指導が始まって1週間。小さく雑草に毛が生えた程度の畑に緑が増えて見違える程になった。
「先生! これで良いでしょうか?」
「よし、良いだろう。これに種を蒔いて土をかぶせる。列からはみ出さないようにな」
「はい!」
『センセ~、パン買ってきて』
「アルッテ、埋めてやろうか? アアーン!?」
『やってみろや!』
挑戦的なアルッテの横に数人が穴を掘って四郎に声をかける。
「穴はこれくらいで良いですか?」
そこには人が這い出ることができない程の深さの穴が掘られていた。
「よし、こいつを埋めろ!」
『こら、離せ!』
アルッテを抱えて穴に放り込み、その上に土をかけていく。
『ウエーン! お姉さま、四郎がいじめる~』
穴から抜け出したアルッテがカーリンに泣きつく。
『四郎が真面目にしてるんだから邪魔しちゃダメだよ』
『はーい』
猫の子でも持つように首根っこ掴まれて引きずられていくアルッテ。でもカーリンにかまってもらえて嬉しそうだ。
「四郎君のお陰でこのゴセットで出荷できるほどの野菜ができそうだな」
『山のキコウにあったブツがこれだけ取れればガッポリです!』
『ローリーおじちゃん、邪魔しちゃダメだよ』
「ローリー、ハウス!」
『ヨージョに頼まれたらコトワレませーん』
ディーニュに手錠をかけられて連行されるローリー。その先にはホーリーの母親が檻を開けて待っている。
『僕はヨージョの為に捕まったのです。年増はノーセンキュウ!』
「さっさと入って」
『ノー! 神の扱いに異議アリです』
それでも檻越しにおままごとをするローリーは楽しそうだ。
「いや、お前らなんなの?」
『四郎気にするな』
「するわ!」
畑の拡張と指導に頑張る四郎は回りのフリーダムさに呆れるのだった。
「鉱山の奥に祠?」
「先生は来たばかりで知らないだろうけど、あるらしいっす」
日が落ちて農作業に従事した男達と飲んでいる時にその話が出た。
「採掘の神らしいんですけど、誰も見たことがないんですよ」
坑道の奥に人知れず祠がありそこで神に会えるとどんな固い岩盤でも打ち抜ける力が与えられるらしい。
「しかも女神らしいっす」
「休みの日に案内してくれ」
『どこへ行くって?』
完全にいく気になった四郎の肩を掴み引き寄せるカーリン。
「ちょっと鉱山の中を見たいなーって……」
『なら、アタシも行ってもいいよな?』
『当然、私も行くよ』
「ディーニュちゃんが行くなら……」
『お姉さまが行くなら……』
こうして鉱山に行くことになったみんなを連れて。
「……ピクニックかよ」




