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「お世話になりました」
『『なりました!』』
ルーデイ商会で一晩世話になり、少し眠そうな商人が行くことを急かすため、昼前に出発する事になった。
「それで、ルーデイさん達も行くんですか?」
「はい、ゴセットに卸す商品もありますし、そちらの頼みも出向いた方が早そうですから」
商人の荷馬車の後ろに並ぶルーデイ商会の二頭立ての馬車にはその妻が既に乗り込んでいて、回りを商会が雇っている護衛が目を光らせている。
「ディーニュちゃんまた後でね」
『うん』
四郎の側で話していたホーリーも一緒に行くのか父親に連れられて馬車に乗り込む。こうして連れだってゴセットに向かうことになった。
『鷹を狩ってきた』
「それ、食うとこないから」
『鷹の爪が香辛料になるよ!』
「なるの!?」
連れだってゴセットに向かって5日目。鉱山の中腹で夜営の準備をしている。道中はルーデイ商会の護衛が優秀過ぎて四郎達は暇をもて余していた為にこの日はディーニュの料理を振る舞うことになった。
『アオサメの肉もあるし、野菜もあるし……』
「ディーニュちゃん手伝う」
ディーニュのしていることに興味を持ったホーリーと料理を作る。微笑ましいものを見るように回りの人達が見ていた。
『ヨージョのクッキング。小さなハンドで野菜を洗って……ハアハア……』
『何、勝手に顕現してるか!』
『ヨージョある所、ローリーありです』
「帰ってもらえ!」
荷馬車の影から見守っている“商機と勝機”の神、ローリーはカーリンとアルッテによって強制退場させられた。
『年寄りはノウ!タッチ! ーーブゲッ! すいません! そこは踏まないで!』
カーリンとアルッテに足蹴にされているローリーをよそに料理は出来上がった。
「おお、美味い」
「挽き肉を丸めてスープに入れただけなのに」
「この肉は……ポセットのアオサメ? 加工してポセットで売っている?」
「モグモグ……モグモグ」
『ハアハア……ハアハア……マウス一杯にほおばって食べてるヨージョ!』
「まだ、いたんかい!」
『僕もクワセテ下さい! ヨージョと同じ食事!』
『おじちゃん?』
『ノウ! ローリーお兄ちゃん! そう呼んでくれなきゃノー!』
『……変態確保』
『弁護士呼ぶまでモクヒです』
『現行犯だ! こい!』
『せめてヒトクチー!』
ローリーはカーリンに物陰に引きずられていった。そこから悲鳴が聞こえたがみんなは食事に専念した。
「いつもこうなんですか?」
「そうですね。いつもどこからか現れてホーリーの回りで騒がしいですね。でも今日は早く立ち去ったので良かったです」
「護衛にカーリンとアルッテ着けましょうか?」
「良いんですか?」
「そっちの護衛の方々がこっちまで見てくれるんで良いですよ」
「助かります。これで少しは家族のスキンシップも……」
四郎とルーデイ夫妻はガッチリと握手した。
ローリーはウザイ!




