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「よう、今戻りか? どうだった?」
「お疲れ。今日もアオザメが来なかったんで大漁だったぜ! 今日取れた浮き波アンコウ持っていきな!」
「そろそろ、俺んところに嫁に来いよ」
「姉さん! 酒持っていきなよ!」
アオザメを討伐した後、四郎はとある事情によりボコボコにされてカーリンに担がれている。その前を原因である女性が歩いているのだが、屋台の親父やら漁師の男に声をかけられる。彼女は有名人のようだ。彼らに軽く返事を返しギルドへ入る。
「ローレ! 大丈夫だった?」
「いつも通り大丈夫だ。買い取りを頼む」
女性はアオザメのヒレを出して討伐依頼の報酬を貰う。
『そのヒレはどうするの?』
ディーニュが気になり質問する。“ゲテモノ料理”の神としては何か思うことがあるのだろう。
「これは防具の一部に使われるらしいわよ。詳しいことはわからないけど」
『そうなの? 美味しそうなのに……』
「えっ?」
『彼女のいうことは気にするな』
カーリンが口を挟みディーニュを下がらせる。受付も気にしないように笑顔を浮かべて今のをなかったことにした。
「泊まる場所は決めてあったのか?」
『いや、こいつがこんなだからな……』
肩の四郎を見せて呟いた。
「それなら、家に来るか?」
『……いいのか? こいつも付いてくるぞ?』
「みんながいれば心配ないだろ」
『何かあれば、ウチが首をかっ切る』
『アルッテ、あんたはこんな時だけ張り切るよね?』
ディーニュに睨まれるも気にしないアルッテを連れてローレに着いていく。
「ここよ」
海に近い一角。何度も修理した後の残るわりと広い家が彼女の家のようだ。中に入ると奥から食物のいい臭いがしている。
「今、帰ったよ。知り合いも連れて来たので一緒にいい?」
「ローレが珍しいね。それならもう少し料理を増やさないとね」
奥から出てきたのは腰の曲がった白髪の老婆だった。足腰はしっかりしているため足取りは軽い。カーリン達を見て笑顔で挨拶する。
「ローレの祖母のハルーカと言います。よくいらっしゃいました」
『すまない。世話になる』
『おばあちゃん、料理するなら手伝うよ』
「すまないねぇ、かわいいお嬢ちゃん」
ハルーカは側によってきたディーニュを連れて食事の用意に行ってしまう。残ったカーリン達はローレに連れられて食卓が置いてある場所に案内される。ローレはそのまま着替えにいってしまった。
『四郎! 起きろ!』
『お姉さま、そんな奴はやさしく起こすものではないのです! こう、叩いて』
アルッテはどこから出したのか拳大の石を取りだし頭上に振り上げる。
「殺気!」
四郎が飛び起きてアルッテを見つけて睨み付ける。
『お姉さま、起きました。後は煮るなり焼くなり好きにしていいですよ』
「おいら起きなきゃどうなってたの?」
『頭を潰されて二度と目覚めなくなってたのに……残念だ』
「残念だじゃねえ! カーリン! こいつ隔離しといて!」
『アルッテ、お座り』
『……命拾いしましたね』
しぶしぶカーリンの隣に座る。その反対に四郎も座った。
「それで、ここは?」
「ようやく起きたね」
宿屋じゃない場所に居ることに気が付きカーリンに聞こうとした時にローレが着替えて戻ってきた。胸元の開いたシャツと短パンの格好であった為に、大きな胸が強調されて四郎の鼻の下が伸びる。
「自己紹介してなかったね。わたしはローレ」
「おいらは四郎です。何か知らないけどお世話になりました」
「今から食事もあるしここに泊まっていってくれ」
『宿を取ってなかったらここに泊まっていいって』
「お世話になります!」
『四郎はローレさんの半径3m以内に近づかないように』
「何で!?」
『うむ、イヤらしいからだ』
側によろうとする四郎を犬でも追い払うようにして近寄らせないカーリン。四郎もフェイントをかけて近寄ろうとするがガードされる。
『御飯できたよー』
「お嬢ちゃんが肉を持っていて助かったよ」
大きな皿に肉と魚を盛りたてて持ってきたディーニュとハルーカが入ってきて並べ始める。
「それじゃ、いただこうかね」
「ハルーカさん、ディーニュいただきます」
『『いただきます』』
(久しぶりの賑やかな食事だね)
ローレの楽しそうな顔を見てハルーカはシワだらけの顔をさらにシワくちゃにするのであった。
ほぼ寝ていただけの四郎。(笑)




