17
「顕現せよ」
“漁と釣り”の神エルビースにメダルを貰った次の日にさっそくアオザメの依頼を受け、海岸へ向かった。そこで釣竿を出してみる。
『特別製の竿とはどんな物だろうか』
『普通の竿とは違い長いやつだろ』
「全自動のリール付きだろ」
『金ぴか』
メダルが消えて四郎のての中に現れる。それは一本の竹で作られた竿だった。
「よし、エルビースを殴ってこよう」
『まて、何がいけないのだ? その竿でいけないのか?』
「普通の竿でさえあーいう竿なんだぞ!」
四郎の指差す方を見ると黒色をしたよくしなるカーボン製の竿を使う釣り人がいた。
『その竿はエルビースから貰った物だからないいものだろ?』
「本当にそう思うか?」
四郎の問いにカーリン達が目を反らす。神から見てもこれは、
『お前に似合うボロ竿だと思うぞ』
「お前だけだよ! 正直者は! コンチクショウ!」
アルッテの本音に、竹竿を足元にら叩きつけた。
『そうは言うが、神の品物は見かけだけではわからないからな』
『そうそう、お兄ちゃん使ってみて判断してみようよ』
『ちょっとした衝撃でバギッといきそうだがな』
アルッテはカーリンからの教育的指導が入り正座させられている。でもその顔はどこか嬉しそうだ。
「アオザメを釣るのはあっちの岩場だったな」
船を止めてある小さな港を抜けて海に突き出た岩場にでる。そこには完全武装した釣竿を持った人が何人もいた。沖に向かって投げてアオザメがかかってくるのを待っている。
「アオザメ釣れるか見とこう」
アオザメを見たこともない四郎達は彼らの背後で距離をとり見物することにした。
波もなく海風が吹いているなかディーニュの持ってきたおやつを食いながら眺めている。
「おい! きたぞ!」
一人の竿が大きくしなる。それを見て他の人は竿をしまい、武器に手をかけて待つ。
「うおおおぉぉりゃぁぁぁっ!」
竿を思いっきり引き上げる。その時、海を割り巨大な何かが飛び出し岩場に落下した。そいつは海から上がったばかりで濡れた青い体表を岩場にたたきつけ暴れてホオジロザメのように鋭い三角の歯が並ぶ大きな口を開けて噛みつこうとする。大きさは5m以上ある。
「よし、距離を取って横に回れ!」
「槍持ち! 牽制!」
「尻尾に気を付けろ!」
自分達を越える巨体を前に連携して仕留めようと動く。切りつける剣も槍もその肌に傷は付けるが深くはない。
「これがアオザメみたいだな」
『思ったよりデカイ。切りがいがありそうだ』
『でも、時間かかりそうだね』
見ていると岩場の上のアオザメは暴れながら海に近づいて行く。それを何とか押し戻そうと危険を省みず頭の方を叩き海から離そうとするが、
「あっ、飛んだ」
アオザメが尻尾を叩きつけ、人の頭を越えて海に逃げる。海に潜るとその姿はまったく見えなくなった。
「ちっ、逃げられたか」
「あれだけの大物だとこっちも危ない」
「仕方ねえ! 休憩したらもう一度釣るぞ!」
岩場の上で思い思いの場所で休憩する人達を見て、
「あれとやるの? おいらの格好場違いだよね?」
アオザメとの戦いを見ていた四郎が呟く。四郎の服装はどちらかと言うと町人が着ているような服装だった。これはアマテーラス神殿から変わっていない。
『大丈夫だアタシ達がついてる』
『私の包丁で一刀両断だよ。お兄ちゃん』
『どんなの着てても同じあれの攻撃食らえば一撃で沈む紙装甲だ』
「だからどこからその言い回し覚えてくんの? おかしいだろ!」
アルッテにツッコミいれながら四郎はその場を離れる。奥にも同じような岩場があるのでそっちに向かうことにした。
四郎は竹竿を手に入れた!




