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「ここがポセットか」
商人の護衛をしてたどり着いたポセット。そこは白い建物が多い大通りと海に近い場所にある木造の建物がある都市であった。
『木造の方は漁師の家のようだな』
その方から巨大な魚を荷台に乗せて市場の方に引いていく姿が見える。
「あんなデカイ魚が取れるのか……」
人を飲み込めるほどの大きさの口を見てびっくりする。
「珍しいな。あれは沖にいるオオクダイだな。肉に似た食感で屋台とかで串焼きで出てるはずだ」
馬車の隣を歩く商人が答える。
「普通取れるのは両手を広げた位だからあれは大物だ。どれくらい値が付くか……」
商人の顔で呟く。それを見て他の商人が、
「見るだけだ十分だろ? あんなもの俺達が買えるかよ! どうせ、貴族の口に入る物だからな」
「珍しい物見れただけでもめっけものだろ?」
笑いながら言う商人達と歩いているとギルドの前に着いた。周りと同じ白い建物だが看板と建物の大きさの違いで他とは区別できそうだ。
「それじゃ、俺達はこれでお別れだ。女の子達を泣かすなよ!」
『大丈夫です。逆に泣かせてやります!』
「なに気合いいれてんだよ! アルッテ!」
『話しかけないで下さい。今、あなたを泣かす為の方法を考えているんで』
『アルッテ、止めなさい』
『大丈夫、お兄ちゃんは私が守るから』
「ハハハ、仲いいなお前ら。皆、元気でな」
「ありがとうございます。ここまで案内までしてもらって……」
「気にすんな。じゃあな」
去っていく商人達に手を振り、ギルドの中に入る。カウンターにいる受付の女性に護衛依頼の終了を伝え、お金を受けとる。
『何かいい依頼はないか?』
「そうですね。アオザメの討伐依頼は常時受け付けていて金額も高いですよ」
『ここに来る途中で商人達に聞いたんだが、アカブチサメっているの?』
「はい、ここではすでに賞金首見たいになってますね」
「賞金首?」
「はい。年々上がっていく討伐代金を合計するとこの辺の貴族の別荘代位になったのでもう、賞金首と」
『討伐できれば大金持ちか……』
『お兄ちゃん、頑張ろう!』
「手始めにアオザメの方からどの程度のやつなのかやってみよう! そうしよう!」
無謀にアカブチサメに行くよりもいいだろうと思い提案する。
「それならば、釣竿は持っているんですよね?」
「いや、持ってないが? 買った方がいいのかな?」
「いえ、“漁と釣り”の神エルビースに祈りを捧げてもらうのですよ」
アオザメ専用の竿をメダルとして“漁と釣り”の神エルビースに貰わないと討伐の依頼は受けられないそうだ。
「その神殿はどこに?」
「海沿いの漁師達の住む近くです」
受付に聞いた通りに海に向かって歩く。白い建物が無くなり木造の建物が増えてきた。その中に船の形をした建物があった。そこが“漁と釣り”の神エルビースの神殿のようだ。
「“漁と釣り”の神エルビース様。アオザメ釣るのでメダルを下さい!」
魚や貝等海の幸をお供えしてある祭壇に祈りを捧げて待つ。祭壇に光が降り注ぎ、リーゼントとサングラスの小太りのおっちゃんが出てくる。
『俺の歌を聞きたいの貝?』
マイクスタンドを持ち聞いてくる。
「要りません」
『俺の歌を聞き鯛だろ?』
「必要ないです」
『俺のーー』
「ノー、サンキュー」
崩れ落ちたエルビースは泣き出した。
『四郎、一曲くらい聞いてやっていいんじゃないか?』
「ここで甘やかすといけない気がする」
男には厳しい四郎がきっぱりと言う。
『なあエルビース、一曲聞聞いたら、いい竿くれる?』
『くれるくれる! 聞いてくれたら特別製のやるから聞いてくれ!最近信者達が耳栓して祈って来るから寂しいんだよ』
このエルビースは祈りを捧げる都度に出てきて歌っていくために祈りに集中できない。そのために耳栓装備が当たり前になってきている。
「エルビース様、毎回歌うんじゃなくて月一位にコンサートしたらどうだ?」
『コンサートとはなんだ?』
「エルビース様の歌を聞いてもらうためだけの祭? 神殿の前にステージ作って回りに屋台とか来てもらい思い思いの所で聞いてもらうんだ」
『その案、kwsk』
「何でその言い回し知ってんの!?」
うろ覚えのあれこれを伝え、気をよくしたエルビースは、メダルを与えて帰っていった。
「結局、聞いてしまった……」
『普通に上手かった』
こうしてこのポセットではエルビースのコンサートが行われ信者達から始まり他の人々も集まるようになった。
エルビースです。エルビスではありません! モミアゲないです!




