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罠のリフォームをした次の日。
『次の日に罠にかかるなんて……』
『こいつだったんですね』
片手で顔を押さえるようにしてため息をつくカーリンの横でアルッテは犯人を睨み付ける。
「くっ、殺せ!」
犯人は悔しそうに女騎士が言いそうなことを言った。
『オーケー』
振りかぶった斧が床を割る。前までそこに座っていた犯人はとっさに転がって無事だった。
『避けるな! 四郎!』
「アルッテ! お前、マジ殺ろうとしたな!」
床に転がって逃げる四郎を斧を持って追いかける。それを見てカーリンは呆れていた。
『四郎、夜中に勝手に食い物あさるのはよくない』
「ちょっと小腹が空いたんだよ」
四郎は夜中に食べ物をあさりに行き罠に引っ掛かっていたのを朝に見つけられたのだ。
「くそっ、何で厨房にまで罠がはってあんだよ」
『……材料が余った』
ボソッと小さな声で呟いたのを四郎は聞き逃さなかった。
「余ったじゃねえよ! 何で厨房に仕掛けんだよ!」
『メイド達が言っていた。ネズミが出ると』
「明らかにネズミサイズじゃないよな! このサイズなら夢の国の二足歩行するネズミ位しかかからないよな!」
『……ネズミ』
「指差すな!」
アルッテが指差すと回りのメイド達も一緒になって指差す。そのまま無言の圧力をかけられた四郎はうなだれた。
『まあ、四郎は1週間おかず一品抜きだな』
『その一品はお姉さまに献上します』
「なら、それはおいらが、カーリンの体型維持のために貰う。これでオッケーだな」
『そうそう。お姉さまの体型のために……あれ?』
考え込むアルッテを放置して四郎は縄を解かれる。
「それで、モノホンの犯人は出たの?」
『お前がか掛かるから逃げたんだろ?』
四郎は昔見た猿を思いだし、壁に手をついて反省した。
『反省だけなら、猿でも出来る!』
そう言って四郎の頬を引っ張る。
「うるさいわ! いちいち出てくんな!」
四郎も負けじとアルッテの頬を引っ張る。
『二人とも止しなさい』
「キャーーッ、誰か!」
互いの頬をつねり合っている四郎とアルッテは何処からか聞こえてきた悲鳴に反応して声のした方に駆け出した。
悲鳴が上がったのは庭の方だった。四郎がたどり着くとそれより早く着いていたカーリンがメイドを助けあげていた。
「何があった?」
庭を見渡すが不審者は逃げ去った後のようだ。
『外にも人影は無かった』
犯人を追って壁を飛び越えたいったアルッテは戻ってきてそう呟いた。
『犯人は男だそうだ。それで、この子が持っていたジョウロを持っていかれれた』
「ジョウロ?」
「はい。庭の花に水をやるのにもって出たら、何処からか男が現れて、奪っていったんです」
その言葉に考え込んだアルッテは手を打つとみんなに聞こえるように言った。
『その男はジョウロマニアに違いない』
「そんな訳あるか!」
『そうなのか? よく考えてみろ。四郎はおっぱい星人。勇者は足フェチ。その流れで出てこないと言い切れるか?』
「……そう言われると、否定できない」
アルッテのくだらない話で悩みだした四郎をカーリンは一瞥して、
『この子はもういいだろ。連れていく』
「えっ? いや、ちょっと……」
『心配ないこのまま運んでいく』
そう言って抱えあげて中に入っていった。その際、抱えあげられたメイドが顔を赤くしてカーリンを見上げていたを誰も気がつかなかった。
『お姉さまのお姫さまだっこだと!?』
「そんなことよりもジョウロマニアがここに来る可能性をーー」
『そんなことだと!? お姉さまのお姫さまだっこだぞ! 抱えられるんだぞ! メイドが惚れたらどうするんだ!』
「知るか! メイドがカーリンに惚れようが惚れまいが犯人を捕まえるぞ!」
『四郎、待て。その前にあのメイドに釘を指さないと……』
「却下だ。早く罠を仕掛けろ」
『嫌だーー。お姉さまーー!』
この日からカーリンの食事が少しだけ豪華になった。
『四郎、お前のせいだぞ!』
「違うわ!」




