表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
94/102

第87話:泥沼の攻防

「引くな、攻め立てろ! 動きを止めるな!」


ジンの怒号が響く。


ジンは大剣を構え直し、泉を蹴って大蛇の正面へと躍り出た。


傷を負った大蛇の巨体がうねり、ジンの大剣と大蛇の頭部が正面から激突する。


ガキィィンと強烈な音が響き、ジンは泥に足を埋めながらも力で押し込もうとする。


「今だ、畳み掛けろ!」


ゲンの指示に合わせ、ゼロが側面から槍を突き出し、ドウラが逆側から大斧を叩きつける。


ザシュッ、ズサッ、と確実に大蛇の肉に次々と武器が突き刺さり、血飛沫が舞う。


一見すると少しづつ合ってきた連携により大蛇を圧倒し、メッタ刺しにしている凄まじい攻勢だった。


しかし、戦っている本人たちの感覚は真逆だった。


「クソッ、何なんだよこいつの肉は……!」


ドウラが歯を食いしばる。


大斧を振り下ろすたびに、硬いゴムの塊を叩いているかのような弾力性に飛んだ肉体に刃を持っていかれ、体力が尋常ではない速度で奪われていく。


ゼロの槍も、突けば突くほど大蛇の強靭な筋肉に締め付けられ、引き抜くのすら一苦労だった。


攻めている。


間違いなく攻撃は当たっているし、血も流させている。


なのに、大蛇の生命力は底が知れず、むしろ傷を負うたびにその獰猛さと尾の振り回しの速度が狂暴さを増していく。


直撃すれば戦線離脱は間違いない一撃。


たった一撃で死すらも予感させる圧倒的な質量。


戦士たちの呼吸が一人、また一人と激しくなっていく。


不安定な足場では、一歩動くのすら重い。


「……まずいな。攻めているのは、こちらのはずなのに」


ゲンが額の汗を拭いながら呟く。


彼らは気づかないうちに、大蛇が撒き散らす圧倒的なタフさに圧され、肉体的な限界へとじりじりと追い詰められていた。


個々の攻撃が通用しない中、大蛇は反撃の矛先をドウラへと絞った。


空振りの余波で態勢を崩していたドウラに向かって、大蛇の太い尾が、防ぎようのない角度から鞭のようにしなって襲いかかる。


「チッ……!」


ドウラは大斧を横にし、盾の様にして辛うじて直撃を受け止めた。


しかし、大蛇の尾が持つ圧倒的な質量と衝撃は、人間の腕で受け止めきれるものではない。


「うわっ!?」


ドウラは自身の得物ごと地面を激しく転がり、背後の岩に背中を強打して、その場に倒れ込んだ。


肺の空気をすべて吐き出し、立ち上がろうとするが四肢に力が入らない。


大蛇は完全にドウラを仕留めるべく、その巨大なあぎとを裂けるほどに開き、無防備なドウラの脳天へと一直線に突き落とした。

いつもお読みいただき、ありがとうございます!


「続きの展開が気になる!」「この世界観をもっと読みたい」と思ってくださった方は、ぜひ作品への応援をお願いいたします!


画面下部にあります、

・【ブックマークに追加】

・【ポイント評価(☆☆☆☆☆ を ★★★★★ に)】

をポチッと押していただけますと、次のお話を書き上げる大きな原動力になります!


次回の更新は、**【明日の01:20】**を予定しています!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ