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魔法使いは帰宅部!まほきた!  作者: おこげっと
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家族が増えました。

お待たせしました!最近は色々な誘惑が多かったり、仕事が忙しかったりと精神的につらい日々です。特にMHW。

ある日の夜。帰宅部が活動を開始して数日たった日のこと。日に1体しか出なかった魂喰らいが3体に増えた。原因はわからないが当番制にすることを決めてからまだ数日しか経っていない時分だったので、この報告を聞いたときは驚きを隠せなかった。

「怪我は無かったか?」

俺はその日当番だった麗虎と九道に聞く。

「怪我は無かったけどよ、どうすんだ?これから数が増えていく可能性も考えると早くも当番制の意味も無くなってくるぞ。」

「強くなっている印象は無かったので時間を掛ければ倒すことは出来ますが、以前よりは非常に戦いにくかったです。やはり数が増えるということは恐ろしいことですね。」

ほんと、これが数日前までまともに口を聞いてくれなかった部員の進歩と考えると涙が出る程嬉しい。原因俺だけど。

「ふむ・・・。意味が無いわけでは無いと思うが人数を増やすかどうかは考えなければいけないな。というか俺が毎日出ればいいだけか。元々俺の仕事だし。」

「休みが欲しいからって理由で当番制にして結局毎日出るのかよ。御道って案外真面目なんだな。」

「まあ一時的なものかもしれないし、俺が今まで一番多く魂喰らいを倒してきたからな。必然的に俺が行かなきゃダメだろ。」

「頼もしいねえ部長さん。俺たちが正座している間に勝手に部を作って勝ってに入れさせられて、部室に部員放置しただけあるわ。」

九道は皮肉たっぷりに言う。

「お前まだ根に持ってんのかよ・・・勝手に部を作ったことは謝るって。」

俺は両手を合わせてペコペコと頭を下げる。

「いや、放置した件を謝れよ。」


 コツコツと小気味良い音が聞こえる。昼間でも薄暗い廃工場はその不気味さからあまり人は寄り付かない

ことをいいことに良からぬものが集まりやすいものである。現に今もこうして3人の男女が何か話し込んでいる。

「ねーねーダガナルさん、いつになったら攻め込むのー?もうここに来て1か月になるよ。このままだと雇い主から苦情が来るよ?」

10代前半程の少年がドラム缶の上に座り足をブラブラさせている。その足が時々ドラム缶にぶつかる為音がしていたようだ。武器の手入れをしていた仏頂面の男が口を開く。額に大きな傷が入っているのが特徴的だ。

「次の新月だな、この間のは俺が寝過ごしたせいで駄目だったが、6日後の新月にはちゃんとやるさ。」

「とか言って~ダガナルさん一回寝ると絶対12時間は起きないもん。仮眠取るわって寝たと思ったら気づいたら朝までだもんね。」

「仮にも俺はこの作戦のリーダーだぞ。口の利き方には気を付けろ。」

「寝不足でもないのに毎日12時間寝ないと動けない低スペックに言われたくないですぅ~」

少年はアッカンベーをして挑発する。

「まあまあ。ダガナルは戦闘能力に関してはピカイチだし、呪いの関係上新月の日以外は動けないのは仕方ないのよ。呪いは魔術師の証でもあり、一生背負っていく運命でもあるのよ。」

「マーシーさんはいつもそうやってダガナルさんの肩を持ちますね~もしかして好きなんですか?」

「そんなんじゃないわよ。同じ魔術師としての誼みというか誰もが必ず一つ持つ呪いは一種の個性みたいで面白いじゃない。あなただって呪いを持っているでしょう?」

マーシーはウフフと少女のような笑みを浮かべる。

「そりゃそうですけど・・・。僕のはなんというか・・・その・・・本来僕は魔術師と名乗っていいのか怪しいですからね。1人で魔術どころか魔法も行使出来ないだなんて魔術師の名が汚れますよ。」

「あら、私はアイン君の妖精さん好きよ?それに一人で出来ないから妖精と一緒に魔術を行使するなんてお姉さんにはできないわ。もっと自信を持って!」

マーシーはガッツポーズをしてアインを励ます。

「人を鼓舞するのはいいが、お前たちの偵察の方はどうなっている。人に指示する前絵に自分のするべきことはしているのだろうな?」

「ああそのことなんですけど、この阿原町の住宅街をすべて妖精(フェアリー)に捜索させましたが、『御道』という表札はどこにもありませんでした。たまたま隣町にサボって遊んでいた妖精が『御道ビル』なるものを見つけました。ですが、数日前に公園付近に放った妖精が数匹行方不明になったまま帰って来ていません。」

「誰かにやられたか。じゃあ現状一番怪しいのは『御道ビル』って訳だな。次回の攻略目標はそこにする。」

「私なんだけど。この阿原町にはどうも魂喰らいが現れてそれを退治する者がいるみたい。人数は定かではないけど1人では無いみたい。最近暇ですることが無いし、ちょっと面白そうだったから自然発生する分に私の使役できる分を増やしてみたわ。」

「遊ぶのは構わないが、面倒事を起こすなよ。変に感づかれてしまっては我々が潜伏している意味が無くなってしまうぞ。」

「わかってるわよ。けど、皆すごい子よ。出来ることならみーんな私の弟子にしてあげたい位だわ!」

マーシーが楽しそうにクルクルと回る。まだ会った事も顔も知らない人物像を想像してはしゃいでいる。

「全く子供じゃないんですから・・・。それで?今度の集合は新月でいいんですね?」

「ああ。それまで好きにしておいてもらって構わない。」

「じゅあ僕はこの辺で。折角日本に来たんだし、色々楽しんで帰らないといけませんからね。」

アインはドラム缶から飛び降り、廃工場を後にした。

「ねえ、ダガナル?私たちもどこかに行かない?こんな所に居たら気が滅入ってしまうわよ。」

「ふむ。では昼寝が終わったら買い物にでも行くか。時間になったら起こしてくれ。」

「はーいお休みなさーい。ってダガナル!寝ちゃったら12時間は起きないんでしょ!?ちょっとー!」

結局ダガナルは日付が変わるまで昼寝(?)をしてしまった。


 蒸し暑くなってきた。梅雨が明け気温は7月に近くなり、本格的に夏に向かっているようだ。日頃から着ているローブの内側が蒸れて熱い。以前半袖半ズボンで行動していた時を思い出し、案外身軽な格好もありではと考える。いつも通り魂喰らいの捜索を始める。今日の当番は俺の日。当番表を組んだ時に俺だけしか入っていない日があり、全ての曜日に俺が入ることになったため、俺の名前が2つ並ぶ日がある。その光景は非常に滑稽でまるで御道という人物が2人以上いるような仕上がりになっている。魂喰らいを探しながら俺が二人にならないか考えていた。

 角を曲がった時だった。角を曲がった先に人の死体に犬が群がっている。グチャグチャと品の無い音を立てながら人の死肉を食らっていた。このご時世に人を襲い人肉を食べなければ生きていけない犬が果たして日本に存在するのだろうか。放っておく訳にもいかず、恐る恐る近づいてみる。近づいてみるとわかるが、そこまでサイズが大きくない。犬に詳しくは無いが俗にいう小型犬という奴だろうか。楽しそうに話す声が聞こえてくる。

「兄(あん)ちゃん!久しぶりの魂喰らいの肉は旨めえなあ!」

「そうだなあ、弟よ!食える時に食っとかねえと俺が全部食っちまうぞ!」

「ウーワンワン!」

3匹の犬が魂喰らいを食べている。どうやら魂喰らいが食糧で、ここ最近まで食事にありつけてなかったようだ。食べている物が人に近い物で無ければとても微笑ましい光景だったと思う。ひとまず声を掛ける。

「おーい。お前ら何てもの食ってるんだ。腹壊すぞ。」

「うおお!?人間に見つかってしまったぞ!こいつは俺たちを魔界に帰すために現れた退魔師だな!」

「俺は退魔師じゃない。それに、当たり前のように魂喰らいを食ってるお前らが普通の犬とは思ってねえよ。何か訳があるんじゃないか?」

「言っていいのか・・・。よし、決めた!話そうじゃないか!ベロン!ス!手伝ってくれ!」

「おうよ!兄ちゃん!」「ウーワンワン!」

それからしばらくの間犬の話を聞くことになった。話している途中に話し手が順番に代わっていくので理解するのにかなりの時間を要した。特に一番小さな犬に関しては人語を発さないのに、犬たちには通じているので話が飛び飛びになってしまう。何度も何度も聞き返すうちに俺は本来の仕事を少しずつ忘れていってしまった。ざっくりまとめると、3匹の犬の正体は魔犬ケルベロス。3匹が合体して一体のケルベロスになるが一番下の犬がまだ幼児期を脱してないらしく、合体は出来ないらしい。今魔界では食料になる魂喰らいが魔術師による乱獲で著しく減少し、本来魔界にいる魔物や魔族が食糧不足で喘いでいるそうだ。この3匹も食糧不足に耐えかねて、魔界の扉を通り、ここ阿原町に来たようだ。

「つーことで、俺たちは食う飯にも泊まる家にも困ってるって訳よ。」

「ふーん。なあ、お前たち家に来ないか?犬小屋は無いけど。魂喰らい食ってくれるんなら家で飼ってもいいぞ。」

「いいのか人間・・・。スのこともあるからここは好意に甘える。良いなベロン?」

「俺は兄ちゃんが行く所なら何処へだって行くぜ!」

「ウーワンワン!」

「よし、じゃあお前らは今日から魔界じゃなくて俺の家の番犬だ。この時間になら散歩も行けるぞ。」

「優しい人間なんだ・・・すべての人間がお前くらい優しければいいのに。」

本当は俺も利害が一致してるから飼うんだけどな。

「じゃあ、ひとまず今日は他にいないか確認して帰るか。ああそうだ、条件として、姉ちゃんの庭を荒らさないでくれ。香奈枝姉ちゃんは怒らせるとマジで人が死ぬ。」

「その辺は大丈夫だ。なんてったって俺たちは部屋飼い出来るからな。」

「なら心配は無いな。あと最後に、お前らの名前を教えてくれ。」

「そうだった。俺がケル、こっちが次男坊のベロン、こいつが末っ子のスだ!」

やっぱり何度聞いても、スにしか聞こえない。多分スって名前なのだろう。

「まあ細かいことは気にしねえから。さっさと帰るか。」

俺の後ろに小さな魔犬が付いてくる。それは宛ら桃太郎のようであった。その後2体の魂喰らいと遭遇したが、俺が手を出すまでもなく小さな魔犬たちがすべて喰らってしまった。こうして俺は頼もしい家族を手に入れることになったのであった。

続く。


11話を読んで頂きありがとうございました!仕事中も色々攻勢を練ったりしているのですが、いざ家に帰っても中々文字が打てかなったり。そしてモンハンに逃げる。失踪する予定は無いので、気長にお待ちください。それではまた次回お会いしましょう!

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