表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神の骸のオラトリオ  作者: 須江野モノ
第一章 『契りの春』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/22

第7話 『振り返らない、振り返れない』

 ライラは家に戻ると、籠を土間の棚に置いた。

 外の春の光は、土間の床に薄く落ちている。


 台所では母が、昼食の準備の最後の手順を進めていた。

 パンを温め、煮込みを椀に分け、薬草の茶を淹れる。

 いつもと変わらぬ、見慣れた光景だった。


 父は修繕道具を片付け終わり、井戸端で手を洗っている。


 二階からは足音が聞こえてきていた。

 それは、ニナが寝室から降りてくる音だった。


「お姉ちゃん!」


 ニナは階段の途中で、元気よくライラに笑いかけた。


「お昼だね! お腹空いた!」


 昨日までの姿が嘘のような妹の姿。

 ライラはただ、幸せを噛み締めて、短く答えた。


「うん。皆で食べようか」



 ――――



 ライラの母は昼食の用意が出来た様で、家族を呼んで食卓の椅子に座らせる。


 メニューはパン、煮込み、薬草の茶と、朝とほぼ同じ食事だった。


 しかし、誰の顔も、朝よりもっと穏やかになっている。

 ニナの回復が確かなものとして、家族の中に定着し始めていたからだろう。


 昼もニナはまた、よく食べた。

 母は何度もニナの椀を満たし直し、父はニナがパンを口に運ぶ姿をただ見ている。

 彼の口数はいつもより、僅かに多かった。


「今度、村の祭りにニナも連れて行こう」


 父がぽつりと、そう言った。


「お祭り? 行きたい!」


 ニナは頷き、食事の手を止めて父に尋ねた。


「祭りって何があるの!」


「店が出るんだ。歌う者もいるし、火の輪を跳ぶ者もいるぞ。それに色々な出店が出る。珍しい食べ物もある」


「わぁ……!」


「春の祭りが、もうじき来る。ニナが元気になったから、連れて行ける」


「絶対に行く! お父さん、楽しみだね!」


 ニナは笑った。

 その笑顔は、病に侵される前のニナのもの。

 ただの幼い少女のものだった。


 ライラはその光景を、ただ見ていた。


 春の祭りの話。

 来週か、再来週か。

 そう遠くない、未来の話。


 しかしライラが、その祭りを家族と過ごすことは無いだろう。


 彼女は椀の煮込みを、口に運んだ。

 今度は味がしっかりと感じられる。

 母の煮込みの、いつもの味。

 子供の頃から何百回も食べた、家の味。

 その味を最後まで、覚えていく。


 ライラは心の中でそう決めた。


「ライラ、今夜の夕食は何が食べたい?」


 母はライラに訊いた。

 ライラはしばらく考えるふりをして、


「お母さんの煮込みが食べたいかな」

 と答えた。


 母はそれを聞いて笑った。


「あら。朝も昼も煮込みだったわよ」


「うん。お母さんの煮込み、好きだから」


「ライラは昔から私の煮込みが好きよね」


「うん」


 ライラも笑った。

 最後の笑顔を、母に捧げるように。


 それから昼食が終わった頃合いに、ニナがライラに声をかけてきた。


「お姉ちゃん。私の髪、編んでくれない?」


 それは突然の事で、ライラは少々驚きつつも、妹からの久し振りのお願いだった。

 だから答えは決まっている。


「うん、いいよ。おいで」


「うん!」


 ライラはニナを連れて、ニナの寝室に上がった。


 ニナの寝室は、朝とは違う光に満たされている。

 昼の光が窓から強く差し込み、銀色の髪を白く照らしている。


 ライラは寝台の端に座って、ニナを自分の前に座らせた。

 ニナの細い背中は、ライラの膝の前に収まる。

 ライラは妹の銀色の髪に、そっと指を入れた。


 絹のように滑らかな髪。

 昨日までは病的な美しさだった髪が、今や、健康的な輝きに変わっている。


 ライラはゆっくりと髪を編み始めた。


 彼女が選んだのは三つ編みだ。

 ニナが小さい頃から、姉に編んでもらうのを好きだった、いつもの編み方だ。


「お姉ちゃん」


 ニナが編まれている間、口を開く。


「うん」


「私、もう神官様達に、連れて行かれない?」


「うん。大丈夫」


「本当に?」


「本当よ」


 ライラは髪を編む手を、止めなかった。


「神官様達は村に少し残るって言ってたけど、それはニナの様子をちゃんと確認する為なの。連れて行く為じゃないわ」


「そう、良かった」


 ニナは安心したように、息を吐いた。


 しかし、続けて彼女は妙な事を尋ねてくる。


「お姉ちゃん。神様って、本当にいるのかな」


 ライラの手が一瞬止まった。


「……いると思うよ」


 僅かに声を震わせながら、ライラはまた、髪を編み始めた。


「いるから、ニナは元気になったの」


「ふーん。そうなんだ。私は信じないけどね。だって、何か月も体調悪いのに全然話を聞いてくれなかったもん。お父さんもお母さんもそれなのに神様のお陰って、酷いよね。私はお姉ちゃんのお薬のお陰だって信じてるよ!」


 ライラはしばらく答えられなかった。

 その後、少しの間深呼吸をしてから、彼女は返答する。


「そうだね。きっとそうだよ。でもニナ、神様の悪口を言っちゃ駄目よ。バチが当たっちゃうから」


「はーい」


 ライラの言葉にニナは頬を膨らませ、少し不機嫌そうに足をバタつかせながら、そう言った。


「ねえ、お姉ちゃん」


「なに?」 


「ありがとう、大好き」


 ライラは答えなかった。

 答える代わりに、髪を編む手に僅かばかり力を込めた。


 ライラは髪を編み終わると、三つ編みの最後を紐で結ぶ前に、ポケットから小さな野花を取り出した。

 薬草園でハナクサの傍に咲いていた、白い小さな花。

 ライラがフォエとの対話の後、ポケットに入れていたものだ。


 彼女はその花を、ニナの三つ編みの編み込みに、そっと差し込んだ。


「お姉ちゃん、髪に何か入れた?」


 ニナが振り返って訊いた。


「うん。お花。薬草園で摘んだの」


 ライラの答えを聞き、ニナは自分の三つ編みを手で触り、花の感触を確かめる。


「お花も入れてくれたの? お姉ちゃん優しいね」


 ニナは笑った。

 その笑顔をライラは、目に焼き付けた。


 気が付けばライラは、ニナの事を抱きしめていた。

 ニナの細い身体を、自分の胸にしっかりと押し付ける。


 ニナはそれを受け入れ、しばらく二人は抱き合っていた。


「お姉ちゃん」


 ニナがライラの腕の中で囁く。


「大好き」


 ライラの目からは涙が零れ落ちた。

 ニナには、見えないように。

 ニナの後ろから抱きしめながら、ライラは泣いた。


「私も、大好きだよ。ニナ」


 ライラの声は震えていた。

 ニナはそれに気付いたのか、気付かなかったのか。

 分からないがただ、姉の腕の中で、静かに目を閉じた。



 ――――



 午後の時間は穏やかに過ぎていく。


 ニナはまた眠ってしまった。

 午前中、薬草園で走り回った疲れが残っていた様である。


 ライラはニナの寝室を出て、階下に降りる。

 台所では母が既に、夕食の下ごしらえを始めていた。


「お母さん。手伝うね」


「ありがとう、ライラ」


 ライラは母の隣に立ち、野菜を切り始める。


 春の野菜。

 葉物、根菜、豆。

 昨日まで、ライラが薬草園で世話していたものたちが、自分の手で切られていく。


 母はその隣で薬草を仕分けていた。

 ハナクサの葉、シロヨモギの粉、クロセンの根。

 神官団に納めた残り、家族用の薬草達。


「ねぇ、ライラ」


 母がふと、声をかけた。


「最近、少し痩せたわね」


「そう?」


「うん。頬が、少しこけてる気がする」


「気のせいよ。ちゃんと食べてるから、心配しないで」


 ライラは笑った。

 しかし、その笑いは僅かに固かった。


「ちゃんと食べなさいね」


 母は薬草を仕分けながら続ける。


「これからは皆で笑える日々が続くんだから。あなたもしっかり、元気でいなくちゃね。それにもう十六歳よ。そろそろ結婚してもおかしく無いんだから」


 ライラの手が一瞬止まる。

 彼女は包丁をまな板の上にそっと置き、


「うん。お母さん、ありがとう」


 と、低く答えた。


 母はライラの方を見て、わずかに首を傾げる。

 少しだけ娘から違和感を感じたのだろう。


 しかし、母は何も訊かなかった。


 ライラはまた包丁を取って、野菜を切り始めた。


 我慢しているのに、不意に涙が滲んだ。


 しかし、その涙は母には見せなかった。

 母の隣で野菜を切る、最後の時間。

 最後の日常。


 ライラはその時間を、一つ一つ刻むように過ごした。



 ――――



 夕方が近づいてきていた。

 西の空は橙色に染まり始めている。


 ライラは台所を出て、階段を上がり、自分の部屋に戻った。


 部屋の中で彼女は、寝台の下から小さな布袋を取り出す。

 今朝、フォエとの対話の後、こっそりと用意したものだ。

 彼女が袋の中を覗くと、その中には旅に最低限必要な物を詰めてある。


 着替え一式。

 乾燥薬草数袋。

 小さなナイフ。

 水の入った革袋。

 固いパンと干し肉。


 それだけだった。

 それしか入っていない軽い荷物。


 しかし、これでライラは旅を始めるのだ。


 彼女は布袋を寝台の下に隠し、立ち上がった。


 それから一度、部屋を見回した。


 自分が十六年間、暮らしてきた部屋。


 寝台。

 机。

 窓。

 薬草の図鑑。

 子供の頃に母から贈られた、小さな木彫りの人形。


 全部、ここに置いて行く事になる。


 ライラは木彫りの人形を手に取って思い出す。

 子供の頃、母が誕生日に作ってくれた事を。

 上出来とは言えないがとても愛らしい、小さな踊る少女の形を。


 しばらくライラはそれを見ていた。


 けれど、それは持っていけない。

 持っていけば、家族の元へ戻りたくなるから。


「はぁ!」


 階下から、父が薪を割る音と掛け声が響いて来た。


 ライラは人形を名残惜しそうに机の上に戻すと、部屋を出て階下に降りる。


 土間では父が薪を、慣れた手つきで割っていた。

 夕方の光は土間の床に長く伸び、それはまるで闇から這い出る手の様に見えなくも無い。


 父はライラの足音を感じ振り返る。


「ライラ、何処へ行く」


「ちょっと、薬草の様子を見に行ってくるわ」


「そうか。気を付けて行け」


 父はそれだけ言うと頷き、薪割りを再開した。


 ライラはしばらく、父の背中を見ていた。


 いつも通り無口な父。


 仕事に厳しいが、家族には不器用な優しい父。

 ライラが薬草の見分け方を間違えた時に、厳しくも丁寧に教えてくれた父。

 雨の日に外で遊ぼうとしたライラを、止めた父。

 ニナが生まれた時に、初めて嬉しそうに笑った父。


 そんな父の全ての背中をライラは見ていた。

 どんなに辛くても不満の一つも零さずに家族を養ってきた、真にライラが尊敬出来る男性。

 それが彼女の父だ。


「お父さん」


 ライラは父を呼んだ。


「なんだ」


 父は薪を割る手を止めなかった。


「ううん、何でも無い」


「そうか」


 父はそれ以上、いつもと違う娘に何も言わなかった。

 ただ、もう一言だけ低く付け加える。


「ライラ。お前はいい娘だ。俺からどうして、お前みたいな娘が生まれたのか分からないくらい、とてもよく出来ている」


 ライラの心臓が、一際強く鼓動する。


 父がそんなことを言うのは、ライラの記憶上初めてだ。

 彼はこれまで、ライラにそういう言葉をかけたことが、一度も無い。


 だからライラはしばらく動けなかった。


 対して、父の背中は変わらず薪を割っている。

 ライラは父に見えない様に、軽く頭を下げ、


「お父さん。ありがとう」


 と、そう告げた。

 父は何も、答えなかった。

 ただ薪を割る手の音が、土間に響き続けていた。


 ライラは外へ出て、薬草園に向かって歩き始めた。

 彼女の視界が涙でブレる中、西の空は橙色から紫へと、変わり始めていた。



 ――――



 薬草園から戻ってきて、夕食の時間が来た。


 ライラは自分の部屋に行き、寝台の下の布袋を取り出した。

 それを肩にかけて、服の上に外套を羽織って隠す。

 外は春とは言え、夜になればまだ肌寒い。

 だから、外套を着用していても、別段おかしな事は何も無いのだ。


「もう、遅いよお姉ちゃん」


 階下に降りると、既に食卓には家族が集まっていた。


「ごめんね」 


 謝りながら座り、ライラは夜の献立を見る。


 パン、煮込み、薬草の茶。


 昼と、ほぼ同じだった。

 しかしライラはそれを、目に焼き付けるように見ている。

 それから、家族の顔をもう一度、見た。


 ニナが元気に食べ、父が薪割りで疲れた顔でゆっくりと食べ、母が笑顔で皆の椀を満たす。


 ライラはそれを見ながら煮込みを口に運んだ。


 それは母の煮込みのいつもの味。

 それ以上でも、それ以下でも無い、普通の味だ。


 彼女はその味を、最後にしっかりと覚える為、舌の上でじっくりと感じていた。


「ライラ、ちゃんと食べてる?」


 母はまた訊いた。


「うん。食べてる」


「そう。ならいいわ」


 二人の会話はそれで終わった。

 それ以降はこれからの事や、ニナが寝ていた時にあった変化などを、家族全員で面白おかしく話していった。


 そうして夕食の時間は楽しく過ぎていく。


「じゃあ、片付けないとね」


 母は皿を洗いに台所へ向かう。

 父は土間で道具を片付けている。

 ニナは寝室に上がって、本を読みに行った。


 ライラは皆が椅子から立ち上がり、それぞれの時間を過ごしに行った後に立ち上がった。


「お母さん」


「なに?」


「私、夜の薬草を摘みに行ってくる」


「そう。熱心ね。分かったわ、気をつけてね。あまり遅くならないように」


「うん」


 ライラはそれだけ母と話すと外へ出て行く。


 外は、西の空がもうすっかり太陽を隠していた。

 橙色は既に消え、紫と青と黒の境界が世界を支配する。


 夜はもう、すぐそこまで迫って来ていた。


 ライラは振り返らず、ただただ沈み行く太陽を追いかけて歩いて行く。



 ――――



 ライラは西の方角へゆっくりと歩いていた。


 村の中央広場の方では、神官団の野営の火が薄く灯っている。

 神官達は夕食の支度をしているらしく、酒もあるのか、騒がしかった。


 彼らはまだ、村に留まるだろう。

 ニナの症状が完全に回復したと分かるまで、自分達が安心出来るまで。


 けれどもう、今更連れて行かれる心配は無いだろう、という確信がライラにはあった。


 彼女は神官団の野営地を横目に見ながら、村の道を歩いて行く。

 誰も彼女に声をかけなかった。

 夕方の道は村人達も各々の家に戻る時間だ。

 だから、道行く者も少なかった。


 それからしばらく歩くと、村の入口の石組みが見えてきた。

 子供達が「越えたら神成りになる」と教えられている、あの石組み。

 怨使の領域の境界と言われている石組みだ。


 しかし、ライラは知っていた。

 村にある石組みはただ、村の範囲を可視化しているだけの物である事を。


 実際に怨使の領域の境界となっている石組みは、こんな陳腐な物ではない。

 子供達が大人達にそう教わっているのは、身を守る術を持たぬ子供が、一人で大人の目の届かない場所まで行かない様に脅しているだけである。


 その様にライラは、かつて村に訪れた、やけにヘラヘラしている気さくな若い行商人に教わった事がある。


 だから、目の前にある石組みには人を神成りに変える能力など無い。

 何か能力があるとすればそれは、自分の精神的な重さと結び付く何かだろう。


「ふぅ――」


 ライラは深呼吸をしながらそれに近づいていく。

 彼女の足は止まらなかった。


 ライラは石組みを超える直前、最後に一度だけ振り返った。


 自分の故郷の村がそこにあった。


 夕暮れの中、影を吸い込む家々の屋根。

 煙突から薄く昇る煙。

 子供達の遠い声や、誰かが笑う声。

 たまに、夫婦で喧嘩をしている声も聞こえてくる。


 その中にはライラの家も見えた。

 あの戸の向こうに父がいて、母がいて、妹がいる。


「……さよなら」


 涙を零しながら、彼女は低くそう告げた。

 誰にも聞こえない、しかし確かに発された言葉。


 ライラは振り返るのを止め、石組みを越えて行き、西の道を歩き始める。


 もう振り返らない。

 振り返ったら、戻ってしまう。

 戻ったら、夜使徒が村に来る。

 だから、振り返らない。

 振り返れない。


 彼女の背中に夕方の風がやけに冷たく響き、足元の土の方が暖かく感じさせる。


 西の道は村からなだらかに下っていた。

 その両側には春の草が生い茂り、そのまた先には森が薄く見えていた。


 ライラはその道を歩いた。

 布袋を背負い、外套を引き寄せて。


 それから少しした所で彼女は、胸の烙印に手を当てる。


「フォエ」


 彼女の呼びかけに対して、契りの仔の声が彼女の心臓の内側から響く。


「なんだい」


「これから、どうすればいい? 私はどこに行けば良いのかな」


「そうだね。まずは西の街道を進んで隣の村に行こう。隣の村には騎士団が常駐しているらしいから、烙印持ちの君でも安全に過ごせるだろう。まぁ、彼らの仕事は増えてしまうけどね。夜の内に辿り着ければ上出来かな」


「分かったわ。結構あなたって詳しいのね」


「まあね。この世界で活動するのに、地図が頭に入っていない方がどうかしているよ」


「ふふ、それもそうね」


 ライラは笑いながら頷く。

 前途は多難だが、旅を共にする者がいる事が、今の彼女には少しだけ救いになった。


 戦った事も誰かと殴り合いの喧嘩もした事もないライラだが、一人では無いのなら、いつもよりも強くなれるだろう。


 根拠は無いがライラがそう思った、その時だった。


 突如、村の方から何か大きな音が聞こえてきた。

 遠く、低く、しかし、確かに聞こえて来る。


 それを聞いたライラの足は、彼女の意志とは無関係に止まってしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ