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異世界のんびり農家 作者:内藤騎之介
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アスレチック


 牧場エリアに作った山羊用のアスレチックを、クロの子供たちが使っていた。

 いや、隠れなくていいぞ。

 誰が使っても構わないんだから。

 そして山羊たちよ。

 クロの子供たちが弱気だからと、調子に乗ると酷い目にあう……ほら。

 あー……手加減はしているようだから、見逃そう。


 クロの子供たち用のアスレチックを作る。

 場所は牧場エリア。

 山羊用の横に併設する。

 丸太を組んだ巨大なジャングルジムみたいなものだが、あまり複雑な作りにはしない。

 注意するのは、クロの子供たちではなく、他の動物が使った時に困らないか。

 一番心配なのが牛。

 狭い場所にはまったら大変だ。

 なので幅は広めに。

 シーソーなどの稼動する物は設置しない。

 怪我をさせたくないからな。

 高さは……クロの子供たち用だから、高くても大丈夫か。

 五メートルぐらいの高さに。

 他の動物が登れなくて丁度良いかもしれない。

 丸太のアスレチックはこれぐらいで……

 ああ、もう遊んで良いぞ。

 律儀に待たなくても。

 喜んでくれるなら、それが一番。

 クロの子供たちの中でも、若いのが楽しそうに登ったり降りたりしている。

 ……

 もう少し、刺激のある仕掛けを作っても良かったかな?

 アスレチック作りに協力してくれたハイエルフや山エルフも同じ意見。

 少し考え、俺達は場所を移動した。



 村の南側、レース場の横。

 全力でアスレチックを作ってみた。

 シーソー、細い板、滑り台、吊り橋、ロープ登り、トンネル、網登り、杭渡り……

 地面に落ちずにどこまでいけるかのコース。

 前に祭りでやった障害物競走みたいだな。

 とりあえず、チャレンジしてみよう。

 ……

 スカートからズボンに穿き替えるように。

 君たちが気にしないとかじゃなく、俺が気にするから。

 はい、やり直し。


 なかなか難しい。

 体力を使う。

 ハイエルフの一人がスタート地点に、看板を立てた。

“これより先、大地はマグマなり”

 盛り上がる。


 それを子供たちが見ていた。

 うん、無理をするな。

 これは大人用だ。

 お前たちでは身長が足りない。

 子供たち用のアスレチックを作ることになった。



 完成したので、子供たちに解放。

 ウルザとグラルはスイスイ先に進むな。

 アルフレートは考え込むタイプか。

 ティゼル、飛ぶのは駄目だぞ。

 おっと、今日は赤い印の所までだ。

 そこから先は難易度が高くて危ないから無理をしないように。

 ほら、手も痛いだろ?

 一日で最後まで行かなくても問題なし。

 明日、ここから続ければ良いから。

 あと、ここで遊ぶ時は大人の付き添いが必要だからな。

 遊ぶなら安全に。



 翌日。

 牧場エリアのアスレチックを確認。

 一番高い場所に牛が立っていた。

 ……

 どうやって登ったんだ?

 そして、誇らしげな表情から、そこで立ち往生しているわけじゃなさそうだ。

 見てて不安になるから、降りてもらえないかなぁ。





 五村ごのむらのエルフたちに会った。

 五村の麓の平原に、規律正しく整列している。

 ……

 無駄話は一切なし。

 全員、前を向いて微動だにしない。

 以前、リアが教育に十日ほど五村に出張した成果らしい。

 出張から帰って来たリアはまだまだ鍛え足りない顔をしていたが……

 あれから一ヶ月ぐらい経ってるのに、緩んでないと考えれば十分じゃないか?

 どこに不満があるのだろうか?


 エルフたちは、俺の前で行進と戦闘演習を行ってくれる。

 一人で、二人で、十人で、五十人で、二百人で。

 歩いたり、走ったり、集まったり、散ったり……

 弓を構え、一斉射。

 盾を構え、集団防御。

 剣を持ち、散兵突撃。

 樹王は全体指揮、弓王が現場指揮の立場のようだ。

 一時間ほど行進と戦闘演習を続けた後、また俺の前に整列する。

「どうですか?」

 樹王が俺に聞くが、これを見てどう答えろと?

 えーっと……

「笑顔が足りないかな?」

 真面目にやっているからだろうが、余裕がないように思える。

「承知しました。
 村長は笑顔をお望みだ。
 笑え」

 え?

 樹王の命令で、一斉に笑い出すエルフの一団。

 笑っているけど、目が笑っていない。

 怖い。

 そして、違う。

 笑うことで余裕を持って欲しいんだ。

 乾いた笑い声が欲しかったわけじゃない。


 大樹の村に戻った後、リアと話し合った。

 リア、違うぞ。

 俺は褒めたわけじゃないんだ。




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