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異世界のんびり農家 作者:内藤騎之介
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大樹の村拡張


 畑仕事をしていると、フェニックスの雛であるアイギスがよく傍にくる。

 そろそろ収穫かな?

 俺がアイギスに聞くと、最高に美味しいですよと返してくれた。

 なるほど。

 なぜ味を知っている?

 ……

 判りやすい挙動。

 正直でよろしい。

 言ってくれたら出すんだから、収穫前の物には手を出さないように。

 ん?

 ああ、痛んだヤツなら構わないぞ。

 ザブトンの子供たちが食べているのも、痛んだヤツを優先してくれているから怒らないんだ。

 あと、ザブトンの子供たちは収穫で活躍してくれるしな。

 ……

 翼なんだから無理するな。

 出来る事を、出来る範囲でやってくれたら十分だ。

 害虫退治なら、ザブトンの子供にも負けないだろ?

 ははは。

 さて、最高に美味しいなら収穫を頑張ろうか。

 アイギス、悪いが手の空いている者を呼ぶ……のは無理か。

 このメモを屋敷にいる者に渡してくれるか。

 それで盗み食いの件はなかった事にしよう。

 よし、気をつけて行くように。


 ハイエルフ、山エルフ、獣人族、リザードマンにザブトンの子供たちが集まってくれたので収穫開始。

 年三回の収穫のうちの二回目。

 暑い季節での収穫作業になるので、それなりに大変だ。

 熱中症に注意して欲しい。

 あと、【万能農具】で耕した畑だから、収穫前は平気でも収穫後は暑さにやられるから注意だ。

 ルーとティアの水魔法、氷魔法が大活躍。

 このスイカは冷やして、後で食べよう。



 五日ほど収穫作業をし、あとは他の者に任せて収穫が終わったエリアを耕す。

 三回目の収穫に向けてだ。

 これまでで十分な収穫量だが、油断はしない。

 丁寧に。

 しっかりと。





 俺は果樹エリアに足を運ぶ。

 少し前に広げた畑とのバランスを取って、果樹エリアを拡張しようとなったのだ。

 北側は蜂たちの花畑になっているので、西側に広げる。

 十二面×十二面の果樹エリアが、十二面×二十四面の倍の広さに。

 うーん。

 広い。

 今は耕したばかりなので見通せるけど、育つと……森になるよな。

 道案内の札とか用意しないと、道に迷いそうだな。

 ん?

 蜂たちが道案内してくれるのか?

 それは助かる。

 お礼に北側の花畑を広げてやろう。

 希望の花はあるか?

 ……木が欲しい?

 ああ、木も花を咲かせば蜜を出すか。

 今でも果樹エリアのミカンの花から蜜を集めているしな。

 わかった。

 花畑に木を育てよう。

 ただ、俺はそういった木の種類には詳しく……すでに森の中で見つけてあるのね。

 了解。

 案内してくれ。

 ああ、護衛はちゃんと呼ぶよ。

 無茶はしないさ。

 怒られるからな。



 さらに数日後。

 牛や馬、山羊、羊の数が増えたことで牧場エリアの拡張が検討された。

 これは東側に拡張。

 森を切り開き、地面を耕して牧草を育てつつ、丸太柵と堀を拡張。

 十二面×十二面から、十二面×三十六面に。

 三倍になった。

 要所要所に水飲み場、日陰を用意する。

 作業中、隙を見ては俺に突撃してきた山羊たち。

 懐かれているのか、舐められているのか。

 クロの子供たちがガードしてくれたが、巧妙に突破してくる。

 怒ったクロの子供が、雷をまとって追いかけ始めたらさすがに逃げ出したが……

 逃げ切るのか。

 凄いな。

 あ、うん、俺は怒ってないし、馬たちが驚いているからその辺りで。

 牛は落ち着いたものだな。

 しかし、山羊のイタズラは……

 ストレスが溜まっているのか?

 山羊用のアスレチックみたいなのを作ってやれば良いのかな?

 甘やかすな?

 まあ、丸太を組んだ簡単なヤツだ。

 これぐらいは構わないだろう。




 全体的に広くなったのでクロの子供たちの警備範囲が広がった。

 クロの子供たちは問題ないと言ってくれるが、広くなった分、トラブル現場に到達するのが遅れる。

 そこで、村の四隅に、クロの子供たちの為の出張所となる見張り小屋を建設した。

 クロの子供たちは当然として、非常時に数人が泊まれる用に作る。

 斜めに掘った井戸も用意した。

 うん、やはり【万能農具】で掘った井戸は、全部水が出るな。

 非常食を収めた扉付きの棚も用意。

 クロたちでは開く事ができな……あ、開けるのね。

 保存食のメインは干し肉と米。

 あと、小麦粉を数キロ。

 一ヶ月に一度は入れ換えないといけない手間を考えると……必要かな?

 まあ、しばらくやって様子をみよう。




 クロの子供たちは、見張り小屋を使ってくれている。

 森に近いから完全に気は抜けないが、休む場所には丁度いいようで評判は良い。

 ザブトンの子供も何匹か交代で泊まってくれているみたいだ。

 ありがたい。

 そして、よろしく頼む。

 あと、見張り小屋に家出したウルザが隠れてた。

 ちょっと快適に作り過ぎてしまったかな。

 家出の原因はハクレンとの喧嘩。

 ハクレンと土人形のアースが心配しているから、すみやかに帰るように。

 不貞腐れない。

 ……。

 わかった、俺も一緒に謝ってやるから。

 それでいいだろ?

 よし。

 決まりだ。

 あー、でも、屋敷に戻るまでに、喧嘩の原因を教えてくれ。

 原因もわからず、謝れないだろ。

 ははは。

 テレるな。

 たまには父親らしいことをさせてくれ。

 ん。

 ああ、ハクレンが母親で、俺は父親だろ。

 なにを今更。

 ほら、帰るぞ。

 なんだ、急に甘えて。

 よし、おぶってやろう。


 ウルザと一緒にハクレンに怒られた。

 喧嘩の原因は……まあ、くだらない事だ。

 だが、俺とウルザの仲はよくなった気がする。

 ハクレンがズルいと俺を睨んでいるけど、満足だ。



 でもって、俺は今、アルフレートをおぶっている。

 ウルザをおぶっているのを見られたようだ。

 ティゼルが順番待ちをしている。

 まあ、構わないだろう。

 リリウス、リグル、ラテ、トラインも遠慮しなくていいんだぞ。

 うおっと、一度には無理だ。

 順番に、順番にな。


 父親って、体力がいるなぁ。



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