#05 最終試験③
また意味わからない所へ飛ばされたと思い見渡すとそこは体育館のような場所
床は綺麗にフローリングされており壁や天井に傷はひとつも見当たらないほど新しいのだろう、ただドアや窓がひとつもなくここは現実世界じゃないのだと気づくのにそんな時間はかからなかった
そして前を見ると見覚えのある重めも前髪に肩につかないほどのボブの子が
「神埼ちゃんやっほ〜!」
「ゆのちゃん...」
「よくそんな平然といられるね」
神埼が鎚夏の元気な姿を見て引いている、というか驚いてる
状況を理解できている方が少数なはずなのにそれに気づかない鎚夏に引いているのか、神埼の発言に対してえへとだけ応えた
「2人ともいらっしゃい」
ドアも窓もないこの体育館から突如現れた低めのお団子をしている1人の女性
髪型は変わっているが顔立つと背丈ですぐ思い出す
「橘先輩」
現在機材担当のリーダーで歴も確か1番長い先輩だ
いつもよりにこやかな笑みを浮かべる、後ろの黒いケープを被った人は特に反応はないがずっとこちらの方を向いている
「最終試験までの通過おめでとう、ただここを抜け出せる人はどちらかだけ。
もし2人とも合格したいのなら命を引き換えに、なんてね。」
彼女はクスッと笑うがそれがどうにも冗談交えた声に感じれず夢じゃないんだと気づく
ここで何も言わずに始めるわけにはいかない、もし最後どうなったらと考えたらキリがない
「神埼ちゃん、今ここで約束しよ」
「何を?」
「1人きりで合格しないってこと」
その発言に神埼は息を飲んだ、当たり前だ命ほどでは無いがそれほどのものを引き換えにしなければならないということ、せっかく生き延びれるのに誰かのために命程のものを引き換えにしなければならないと言う事
その決断には時間がかかるはず、だが意を決している鎚夏の瞳に神埼は逆らえなかった
「...いいよ、約束する」
「そう、じゃあお互い頑張ろうね!」
さっきの真剣な眼差しとはうってかわり鎚夏はいつもの笑顔になっていた
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先に能力を活性化させたのは神埼だった
腕に巻き付けられた腕時計のようなものからぴょこんと半透明の画面がぴょこんと出てきた
親がテレビ局で働いておりその名残なのかプログラミングやロボットの習い事を小学生の間やっていた彼女は機材にとても強い
部活でもその腕前に右に出る人は少ないだろう、ここで審判をしている橘先輩だって彼女の実力には舌を巻いてる
そんな彼女が手に入れたのは特技を全て詰め込んだようなもの、ロボットを生成しその上プログラミングもし放題。彼女が最初に作ったのは銃、そしてそのコードも完璧なのだろう、鎚夏の動きを計算しそれを狙い打とうとする
ただ打ってくるものはたまなどではなく空気
その仕組みは鎚夏には理解できず壊すことは早々不可能
約束をしかけた側だから遵守できるがした側はどうだろうと少しだけだが信用が揺らいでしまう、この戦いは自分が勝たなければ保証はつかないそう鎚夏は心の中で唱えた
そう唱えているとどこかからぷつんと糸が切れるような音がした、辺りを見渡しても糸のようなものはなくそれに切れているものもない
「勘違い...?」
考えていても無駄だと感じ次の動きに出る銃に身構える、もう糸の音はしないただの空耳だろう
だが次は何かが自分に振動を送るような気がした、少しだけだったが自分の心に鳴り響くようなものを
鎚夏は自分の胸に手を当て一瞬だが目を瞑る
そしたら広がるのは真っ暗な世界に感じられる3本の糸全部太さや色が違う
黄色で4本の糸で繋がる紐のような太さの糸
2本の橙色の糸が2本
なんだこれと疑問を浮かべる
するとお腹辺りに押されるような感覚が来てまた体育館に戻された
気を覚めると腹部からチャリンとなる
やばい鈴の位置を当てられた、捕まるのも時間の問題に
気を引けるものが自分しかおらずどうにもできずにいて焦りだしてしまう、だが銃はこちらを当てるばかり
「あれ?銃は?」
我に戻ったら銃が消えていた、なるほどタイムリミットがあるのか
それを逆手に取りまた新しい攻撃をされる前に神埼にバレないよう近寄るそしてまた目を瞑ると神埼が先程いたあたりに小さい糸くずのようなものが散らばっている
それをかき集めるように自分の手が動き出しそしてついにひとつの塊になった
そしてばたんと倒れるような音と共に我に返ると神埼が気を失ってた
そして首元に金色の小さい金属がチャリンと音を鳴らしていた
「取れた...」
自分やれたたんだと気づいた時本当に命拾いされた気分で信頼がないからではなく自分で達成できたという事実にとても喜びを見せた
「おめでとう、じゃあ追加試験は受ける?」
もうその答えを知っているはずなのになんで疑問形何だろうとクスッと笑ってしまう
「もちろん、受けます!」
その数百万個の星を入れ込んだような真っ直ぐな瞳で鎚夏は答えた
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