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#06 追加試験①

「!!あずはちゃん!ゆのちゃん!」

「あーちん!」


最終試験を終わらせると児山と反対側の道に進んだあと来たのはさっきとは違う雰囲気の庭園のような場所に導かれた誉本が出会ったのはさっき見かけただけの大橋と鎚夏だった

皆が皆誰かのために命に値するようなものを駆け引きに判断はしない、だがこの1年で積み上げられた信頼関係で今ここに3人いるのだろう


「対戦相手誰だった?私は淘だった」

「私神埼ちゃん」

「...あれ?私たちの学年5人しかいないよね?誉本は誰とだったの?」

「確かに」


やはり聞かされてないのだろう、頭の上にハテナを浮かばせた2人にどう説明しようかと誉本も頭を抱えた


「えーっと...」


新入部員だったよといえばいいだけなのに何故か言葉に詰まってしまう、別に質問攻めするようなふたりではないしすぐ理解してくれるのに何故か声がでない

うーんと悩んでいるとまたあの老人の声がした


「ようこそ、追加試験を希望した皆さん」

「そして入学おめでとう、まあ、どうなるかは分からないけど」


顔は見えないが彼がマイクの向こうで卑下するような顔で笑っているのが安易に浮かびイラッとしてしまう


「君たちの目の前にあるのは学園にある花園の模型、まあだから花はないんだが十分リアルに施されている。」

「そしてこの花園の反対側、所謂ゴールには君たちの対戦相手がいる、最終試験不合格者だ」


今ここにいる3人の対戦相手、神埼、児山、淘のこと


「この花園は迷路だ、実際の花園は違うんだが模型で遊んでみて結構面白いものができたんだ。君たちがそれを試してほしい」

「脱出は絶対できる、難易度は知らないが。

もしできず抜け出せなければ、そこに留まり脱落。残念ながら不合格だ」

「脱出は1時間、面子全員が抜け出せたら合格だ」


その台詞共に老人の声は消え小さな懐中時計が落ちてくる

これで時間を計っているのか


「まあ、モタモタしててもキリがないし行きましょ」


その言葉で大橋は入っていき追うように2人も入っていった


︎✦︎


「なんか花園の模型かなんたら言ってたけど...」

「綺麗にされてんのこれ」

「あははは...」


花園の模型の大きさは実寸大なのか高さも広さも一般成人女性が入っても上が見えないほどの葉の壁で外側から見れば立派だった

だが中に入ってみると手入れは全くといっていいほどされておらずのびきった枝や枯れ葉が混じっており足場も不安定でじめじめしている


「脱出できるかできないかよりこの空間に1時間耐えられるかでしょ...」

「でもさ、やっぱここ異世界なんだね」

「というと?」

「ほら、生態系が私達しかいないじゃん。こんなに生えきった草やじめじめしている空間、生き物にはあんまり詳しくないけど多少は虫とかいるはずじゃない?」


そう言われるとそうかもしれない、今のところ私たちの周りには何も湧いてこず手入れもされていないのなら虫の死骸くらいひとつやふたつどころではないだろう

9割の人が見逃すようなものも見逃さないほどの鎚夏の才能には驚かされてばっかだ


「そういえば、能力ってなんだったの?」


2人とも元から色々な才能を兼ね備えている、そう考えると気になって聞いてしまった


「色んなとこに貼り付けられるよ、ほら」


そういうと大橋は近くの葉の壁に手をつけ足をつけるとまた手を離し横向き出歩いてみせる

それに思わず鎚夏と誉本は感心しながら小さく拍手する


「私...なんかよくわかんないんだよね、みんなと繋がってる糸を感じるというかなんというか?難しい...」


鎚夏は思わず首を傾げうーんという顔をする


「私は生物?なんか色んな細胞をくっつけてその特徴を付け加えて新しい生態を作るって感じかな」

「じゃあ虫とかも?」

「多分...?でも数分経ったらなくなっちゃうんだよね」


誉本は手を広げぱらぱらと生態が消えてくのを表現して見せた


「能力ってもっと応用活用すればもっとなにかできるのかな」

「そうかもね、そのためにも早くここから出ていかなきゃ」


︎✦︎


「迷路正解の道を当てろ」


雑ではあったがそう書いてある看板があった

その真横にアンティークのアイアンドアとそれを見守っているであろう右手に洋燈を持つ黒ケープの方

さっきまでスムーズに行っていたため運がいいだけかと思っていたが本当の迷路はここからであるのを示している


「これ最後まで続く感じ?」

「うーん...でもここに小さく①と書いてあるしそういう訳では無いかも。あーちん、そのドア開きそう?」


そう言われ誉本はドアの中央の棒を掴み全体重をかけて引いたり押したりしてみるがびくともせず


「無理そう...」


すると黒ケープの方が誉本の方を数回叩く

驚きながらも黒ケープの方をむくと左手を出してきた


「左手貸してほしいんじゃない?」


後ろから覗き込む鎚夏の提案に試しに左手のひらを差し出すと黒ケープの方はそっと手に少し錆びた黒い鍵が連なってる輪っかを渡し、大橋に洋燈を渡した

状況を理解できず目が点になる私達に背を向け茂みの方へいなくなる


「その鍵でドア開けられるのかな」


鍵をひとつだけ扉の鍵穴に差し込みがちゃとなり開く

それと共にさした鍵はぱらぱらと消えていく


「ひとつのドアにつき鍵はひとつってことね」


とりあえず中に入ってみようと鎚夏が2人を手招きし入れるとドアが2つ立っていた


「これ間違えたら出られないよね...」

「しかもこれ厄介なの、どっちも同じ鍵穴の形ぽいよ」

「ここで合ってるかすら分からないの...?」


しかも間違えたら鍵は存在を消してまう

もし誰かが先取りしてゴールまで行ってくれれば...


「あ、そうだ」

「あずはちゃん、この葉の壁を登ってゴールまで行けたりしない?」

「まあ不可能では無いけど2人は?」

「そこから逆戻りして案内してくれればいける」

「でも時間が...」


そうだここ時間制限着いていたのだった、そしたら3往復しているのでロスになってしまう

そして誉本はまた頭を抱えてしまう

他になにか思いついても全て現実的じゃなくどうにも解決できなさそうだ


「あずはちゃん、やっぱりゴールまで行ってくれる?」

「え?」

「ゆのちゃん何言ってるの...?」

「まあまあ、時間なくなっちゃうよ?」

「あずはちゃん着いたらその洋燈を勢いよく割って」


そう場を宥めながら鎚夏は大橋の背中を少し押す

つられた大橋はそのまま登上がりがさがさという草の音が遠くなっていくのが聞こえる

そして少し経ったあとがしゃんと硝子が割れる音がする


「さあ、あーちん行こ!」

「で、でも道が...」

「信じて、大丈夫」


そう言って手を差し伸べてくる

その手を信用するかに迷いはあったがほかの案がなく時間もどうにも出来なかったため握る

鎚夏は1度深呼吸をして目を瞑り口を開く


「右」


なんでそうなったのかわからなかっただが鍵を開けると扉が開き中に入り次は扉が4つあった


「あれ右から2個目の」


そこから淡々と進み最後の扉を開けるとそこには大橋が立っていた

近くには先程の音を鳴らすために割ったであろう硝子の欠片


「もしかして、抜け出した?」

「え、すご、なんで?」


大橋はたどり着けるか心配していたのだろう

たどり着いた安堵と何故たどり着けたかの心情が入り交じるような声でこちらに問いかける

数歩先にに進んでいた鎚夏はふふっと笑い顔だけ振り向くと一言だけ言い残す


「能力 ♪」


︎✦︎



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