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仮面のない空へ:常闇編  作者: R


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5話

【世界の扉】


風が止まった。


まるで世界が息を止めたように。


カナタの手の中で

仮面が淡く光っている。


時空の仮面。


古い仮面。


だが今、その表面の紋章が

ゆっくりと輝き始めていた。


円環。


重なり合う線。


まるで時計の針のような模様。


レナが一歩下がる。


「……光ってる」


ガルムが眉をひそめる。


「おいおい」


「本当に動くのかよ」


シオンだけが

じっと仮面を見ていた。


カナタはゆっくり言う。


「祖父ちゃんが言ってた」


「世界が終わる時」


「この仮面を使えって」


レナが言う。


「でもさ」


「別世界なんて本当にあるの?」


カナタは答えない。


ただ仮面を見つめる。


そして小さく呟く。


「……R」


その瞬間だった。


仮面が強く光る。


空気が震えた。


ガルムが叫ぶ。


「来るぞ!」


大地が揺れる。


空が歪む。


黒い空が

まるでガラスのようにひび割れた。


空間が裂ける。


そこに


光の渦が現れた。


レナが叫ぶ。


「なにこれ!?」


シオンが呟く。


「……時空の扉」


渦はどんどん大きくなる。


風が逆流する。


瓦礫が浮く。


空間がねじれる。


カナタの体が

光に包まれる。


レナが手を伸ばす。


「カナタ!」


ガルムも叫ぶ。


「待て!」


シオンが叫ぶ。


「行くのか!?」


カナタは三人を見る。


レナ。


ガルム。


シオン。


ずっと一緒に戦ってきた仲間。


カナタは言った。


「……必ず戻る」


三人が黙る。


カナタは続ける。


「Rを連れて」


レナが歯を食いしばる。


「約束だからね」


ガルムが笑う。


「死ぬなよ」


シオンが静かに言う。


「待ってる」


カナタは頷く。


そして


仮面を顔に当てた。


その瞬間。


世界が崩れる。


光。


風。


音。


すべてが混ざり合う。


時空が裂ける。


カナタの身体が

渦に吸い込まれる。


レナが叫ぶ。


「カナタ!!」


ガルムが拳を握る。


シオンは目を閉じる。


そして――


光が弾けた。


静寂。


風が戻る。


空はまた黒い。


渦は消えていた。


そこに

カナタの姿はない。


レナが呟く。


「……行った」


ガルムが言う。


「マジで別世界かよ」


シオンは空を見る。


そして小さく言った。


「R」


「本当にいるのなら」


「この世界を救ってくれ」


その頃――


カナタは


落ちていた。


光の中を。


時間も


空間も


わからない場所。


そして


次の瞬間。


視界が開ける。


カナタは地面に倒れ込んだ。


「……っ!」


息を吐く。


顔を上げる。


そこに広がっていたのは


青い空だった。


眩しいほどの空。


雲が流れている。


風が優しい。


カナタは呟く。


「……空」


久しく見ていない色だった。


その時だった。


少し離れた場所から


金属の音が響く。


カナタが振り向く。


そこには


一人の男が立っていた。


黒いコート。


鋭い目。


手には剣。


そして――


砕けた仮面が

足元に転がっている。


男が静かに言った。


「…?お前」


「どこから来た…?」


カナタは立ち上がる。


そして言う。


「……R?」


男の目が細くなる。


「誰に聞いた」


カナタは言う。


「世界を救える男だって」


沈黙。


風が吹く。


そして男は


小さく笑った。


「……面白い」


「その話」


「詳しく聞こうか」

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