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仮面のない空へ:常闇編  作者: R


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第28話

【常闇の城】


荒野。


夕暮れ。


Rとの修行が終わり、


カナタは地面に座り込んでいた。


全身が痛い。


腕も震えている。


ガルムが笑う。


「ボロボロだな」


カナタが息を吐く。


「Rが本気すぎるんだよ」


Rは何も言わない。


剣を静かに納めるだけだった。


レナが空を見上げる。


黒い雲。


その奥に、


遠く黒い塔が見えていた。


「あれが……」


「アルカディアの城」


カナタも見る。


巨大な城。


まるで空を突き刺している。


カナタが呟く。


「シオンは」


「そこにいるんだよな」


誰も答えない。


その時だった。


風が吹く。


冷たい風。


レナが振り向く。


「……誰か来る」


一人の女が歩いてきた。


黒いドレス。


長い黒髪。


優雅な歩き方。


まるで散歩のようだった。


カナタの目が鋭くなる。


女が微笑む。


「こんばんは」


ガルムが大剣を握る。


「お前は」


女は軽く礼をする。


「第四席」


仮面が現れる。


美しい仮面。


妖しく光る。


「魅惑の仮面 リリス」


空気が凍る。


カナタが言う。


「八将……」


リリスは楽しそうに笑う。


「噂は聞いてるわ」


「侵食の仮面を追ってる子達」


カナタが言う。


「シオンを返せ」


リリスが目を細める。


「返す?」


クスッと笑う。


「面白い子」


ゆっくり近づく。


ガルムが前に出る。


「これ以上近づくな」


リリスは止まる。


そして


少し首を傾げる。


「今日は」


「戦いに来たわけじゃないの」


カナタ達が警戒する。


リリスが続ける。


「ただ見に来ただけ」


カナタが言う。


「何を」


リリスが答える。


「あなた」


カナタを見る。


「時空の仮面」


その言葉で


Rの目が細くなる。


リリスが微笑む。


「アルカディア様が」


「興味を持っているわ」


カナタが剣を構える。


「俺も」


「会ってやるよ」


リリスは笑う。


「そう」


「楽しみにしてる」


その時、


彼女の後ろの空間が歪む。


黒い影が現れる。


一瞬だけ。


その姿。


侵食の仮面。


カナタが叫ぶ。


「シオン!」


だが


影はすぐ消えた。


リリスが振り返る。


「まだ早いわ」


カナタが怒鳴る。


「待て!」


だが


リリスの身体が


闇に溶ける。


最後に彼女は言った。


「次は」


「戦いましょう」


静寂。


風だけが吹く。


カナタは拳を握る。


「くそ……」


Rが言う。


「見られたな」


カナタが聞く。


「何を」


Rが答える。


「お前の力」


遠く


アルカディアの城。


玉座の間。


シオンが窓の外を見る。


リリスが戻る。


「どうだった?」


シオンが聞く。


「カナタは」


リリスが笑う。


「面白いわ」


そして


アルカディアの声が響く。


「この城に来る…」


その声は


静かだった。


だが


圧倒的だった。


「時空の仮面」


「この城へ」


戦いは


すぐそこまで来ていた。

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