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仮面のない空へ:常闇編  作者: R


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第26話

【失った仲間】


朝。


荒野に光が差していた。


だが


その光は弱い。


空は相変わらず


黒い雲に覆われている。


瓦礫の街跡。


その中央で


カナタは座っていた。


剣を握ったまま。


何も言わない。


動かない。


レナが遠くから見ていた。


ガルムは腕に包帯を巻いている。


誰も声をかけない。


静かな時間。


やがて


足音がする。


Rだった。


ゆっくりと歩き


カナタの前で止まる。


カナタは顔を上げない。


Rが言う。


「寝ていないな」


カナタが答える。


「……眠れない」


沈黙。


カナタが言う。


「R」


「俺」


拳を握る。


「何も出来なかった」


シオンの顔が浮かぶ。


笑った顔。


怒った顔。


戦った顔。


そして


最後の言葉。


「またな」


カナタの声が震える。


「なんでだよ」


Rは黙って聞いている。


カナタが言う。


「助けるって言ったのに」


「仲間だって言ったのに」


剣を握る手が震える。


「結局」


「俺は」


「何も出来なかった」


沈黙。


風が吹く。


Rが言う。


「違う」


カナタが顔を上げる。


Rの目は


まっすぐだった。


「お前は」


「まだ何もしていない」


カナタが言う。


「……え?」


Rが言う。


「終わっていない」


「戦いは」


カナタが言う。


「でもシオンは……」


Rが言う。


「敵だ」


その言葉は


昨日と同じだった。


カナタが怒る。


「そんなの!」


Rが続ける。


「だからこそ」


「お前がやる」


カナタが黙る。


Rが言う。


「倒す」


カナタの胸が痛む。


「……そんなの」


Rが言う。


「出来ないか」


カナタは答えない。


Rが続ける。


「なら」


「世界は終わる」


その言葉は


静かだった。


だが


重かった。


Rが空を見る。


黒い空。


「常闇は止まらない」


「アルカディアも」


「八将も」


「そして」


「侵食の仮面も」


カナタが言う。


「……シオン」


Rが頷く。


「お前しか」


「止められない」


沈黙。


長い沈黙。


カナタの手が震える。


やがて、剣を握り直す。


ゆっくり立ち上がる。


カナタが言う。


「……わかった」


その目には


涙が残っている。


だが


迷いは少し消えていた。


「俺がやる」


Rが頷く。


「いい顔だ」


カナタが言う。


「でも」


「その前に」


仮面を触る。


時空の仮面。


「強くなる」


Rが言う。


「当然だ」


カナタが聞く。


「どうすればいい」


Rは少し考える。


そして言う。


「戦う」


カナタが言う。


「誰と」


Rが剣を抜く。


剣神の刃。


「俺だ」


カナタが驚く。


「Rと?」


Rが言う。


「お前は」


「まだ弱い」


カナタが笑う。


「知ってる」


Rが言う。


「だが」


「時空の仮面は」


「そんなものじゃない」


カナタが聞く。


「どういう意味だ」


Rが答える。


「覚醒がある」


カナタの目が開く。


「覚醒?」


Rが言う。


「仮面は」


「限界を超えた時」


「本当の姿になる」


カナタが呟く。


「本当の姿……」


Rが言う。


「その時」


「お前は」


「アルカディアと戦える」


カナタが空を見る。


黒い空。


そして


拳を握る。


「やる」


Rが剣を構える。


「来い」


その瞬間


カナタが走る。


剣を振る。


ガキィィン!!


剣と剣がぶつかる。


戦いが始まる。


遠くの空で


黒い雲が


ゆっくり動いた。


まだ誰も知らない。


この少年が


やがて


世界を変える仮面を


目覚めさせることを。


空界の仮面。

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