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仮面のない空へ:常闇編  作者: R


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第23話

【侵食の仮面】


荒野。


夜の空。


黒い雲が流れていた。


その中央で――


二人の剣がぶつかる。


ガキィィン!!


火花が散る。


Rが一歩踏み込む。


剣神の斬撃。


シオンが受ける。


だが


その腕は


黒い力に覆われていた。


Rが言う。


「戻れ」


シオンが笑う。


「遅い」


次の瞬間。


シオンの剣が振られる。


ザンッ!!


Rが後退する。


カナタが驚く。


「……Rが押されてる」


ガルムが歯を食いしばる。


「冗談だろ」


シオンが言う。


「これが」


「力だ」


黒い霧が溢れる。


大地が軋む。


レナが震える。


「常闇の力……」


Rが剣を構え直す。


「それは」


「お前の力じゃない」


シオンが笑う。


「違う」


「これは」


「俺の力だ」


シオンが踏み込む。


速い。


さっきまでとは別次元。


Rの横を通り抜ける。


ザンッ!!


Rの肩が裂ける。


血が落ちる。


カナタが叫ぶ。


「R!」


シオンが言う。


「弱いな」


Rは静かだった。


ただ


剣を握り直す。


そして言う。


「カナタ」


カナタが振り向く。


Rは言った。


「覚悟しろ」


カナタが震える。


「……何の」


Rの目は


シオンを見ていた。


「もう」


「戻らない」


その言葉が


空気を凍らせた。


カナタが叫ぶ。


「そんなわけない!」


「シオンは――」


その時だった。


ドクン。


シオンの仮面が


脈打った。


黒い光。


シオンが頭を押さえる。


「ぐっ……!」


空気が揺れる。


大地が割れる。


黒い霧が


渦を巻く。


レナが叫ぶ。


「仮面が!」


シオンの仮面に


黒い模様が広がる。


まるで


侵食しているように。


シオンが叫ぶ。


「止まれ!!」


だが


止まらない。


ドクン。


ドクン。


仮面が変形する。


黒い角のような形。


禍々しい紋様。


ガルムが呟く。


「……嘘だろ」


リリスの声が


遠くから聞こえる。


「綺麗」


「やっぱり」


「あなたなのね」


カナタが叫ぶ。


「シオン!!」


その瞬間。


仮面が完成した。


黒い仮面。


禍々しい仮面。


侵食の仮面。


シオンが


ゆっくり顔を上げる。


その瞳は


完全に


黒かった。


そして


笑った。


「なるほど」


その声は


もう


シオンではなかった。


「これが」


「常闇か」


カナタが震える。


「……シオン」


シオンが言う。


「違う」


その剣が


黒く光る。


「今の俺は」


「侵食の仮面」


レナが後退する。


「そんな……」


シオンがカナタを見る。


その視線には


もう


仲間を見る感情はない。


ただ


興味だけ。


「カナタ」


カナタの手が震える。


「……なんだ」


シオンが言う。


「強くなったな」


そして


剣を構える。


「試してみよう」


その瞬間。


シオンが消えた。


次の瞬間。


カナタの前。


剣が振り下ろされる。


ガキィィン!!


カナタが受ける。


衝撃が走る。


カナタが叫ぶ。


「くそ!!」


Rが言う。


「下がれ」


Rが前に出る。


剣神の仮面が光る。


シオンが笑う。


「いい」


「剣神」


二人の剣が


再びぶつかる。


ガキィィン!!


衝撃が


夜の荒野を揺らした。


遠くで


リリスが微笑む。


「完成ね」


空を見上げる。


そして


静かに言う。


「アルカディア様」


「新しい八将です」


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