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仮面のない空へ:常闇編  作者: R


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第17話

【虚界の崩壊】


歪んだ森。


裂けた空。


重なり合う景色。


そこに――


無数のヴェイルが立っていた。


十。


二十。


いや


それ以上。


すべてが同じ仮面。


同じ姿。


同じ声。


「見えるか?」


カナタが剣を握る。


「……くそ」


Rが言う。


「落ち着け」


カナタが振り向く。


Rは静かだった。


まるで


嵐の中心のように。


「空間が歪んでるだけだ」


カナタが言う。


「でも」


「全部本物に見える」


ヴェイルの声が響く。


「その通り」


「すべて本物」


レナが叫ぶ。


「嘘よ!」


ヴェイルが笑う。


「なら」


「確かめてみろ」


次の瞬間。


無数のヴェイルが


同時に動いた。


ドッ!!


地面が揺れる。


ガルムが叫ぶ。


「来るぞ!」


ヴェイルの群れが


一斉に襲いかかる。


剣。


蹴り。


ナイフ。


すべてが本物の攻撃。


カナタが叫ぶ。


「多すぎる!」


Rが剣を振る。


ザンッ!


二体が斬れる。


だが


すぐ後ろから三体。


Rが跳ぶ。


空中で


三体を斬る。


しかし


まだいる。


ヴェイルの声。


「終わりだ」


カナタの背後に


一体。


「っ!」


剣が振り下ろされる。


その瞬間。


ガキィン!!


Rの剣が止めた。


Rが言う。


「カナタ」


カナタが振り向く。


Rは言った。


「全部を見るな」


カナタが言う。


「え?」


Rが続ける。


「空間を見る」


カナタの目が開く。


時空の仮面に触れる。


仮面が光る。


世界が


ゆっくりになる。


空気。


風。


空間。


その中で――


違和感。


たった一つ。


他と違う


歪み。


カナタが叫ぶ。


「R!」


Rが笑う。


「そこだな」


二人が


同時に動いた。


ヴェイルの群れを


突き抜ける。


幻影が消える。


残るのは


一人。


本体。


ヴェイル。


ヴェイルの目が見開く。


「……見破ったか」


Rが言う。


「遅い」


剣が振られる。


ザンッ!!


ヴェイルの肩が斬れる。


血が飛ぶ。


ヴェイルが跳ぶ。


距離を取る。


だが


笑っていた。


「いい」


「少年」


カナタが息を切らす。


ヴェイルが言う。


「時空の仮面」


「やはり危険だ」


レナが叫ぶ。


「終わりよ!」


炎を放つ。


ガルムも突っ込む。


「おらぁ!!」


ヴェイルは動かない。


ただ


仮面に触れる。


「だが」


仮面が光る。


「まだ終わりではない」


空間が


さらに歪む。


森が崩れる。


空が砕ける。


Rが目を細める。


「自爆か」


ヴェイルが笑う。


「違う」


「虚界崩壊」


空間が


圧縮される。


レナが叫ぶ。


「まずい!!」


だが


その瞬間。


Rが踏み込んだ。


剣神の仮面が


光る。


Rの剣が


一直線に走る。


シュン。


静かな一閃。


ザンッ――


ヴェイルの仮面が


真っ二つに割れた。


時間が止まる。


空間が崩れる。


幻影が消える。


森が消える。


そして


元の荒野に戻った。


ヴェイルが膝をつく。


「……見事」


Rが剣を収める。


ヴェイルは


カナタを見る。


「少年」


カナタが言う。


「何だ」


ヴェイルは言った。


「気をつけろ」


カナタが眉をひそめる。


「何を」


ヴェイルは


後ろを見る。


そこには


シオンが立っていた。


ヴェイルが言う。


「その男」


カナタが振り向く。


「シオン?」


ヴェイルは笑う。


「もう」


「始まっている」


その瞬間。


ヴェイルの仮面が砕ける。


パキン。


身体が崩れた。


静寂。


風が吹く。


レナが言う。


「終わった……」


ガルムが笑う。


「二人目だな」


カナタは


シオンを見る。


「シオン?」


シオンは黙っていた。


ただ


拳を握っている。


その手が


わずかに


黒く染まっていた。


誰も


まだ気づいていない。


だが


確実に


何かが始まっていた。

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