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仮面のない空へ:常闇編  作者: R


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第16話

【幻影の仮面】


瓦礫の丘の上。


一人の男が立っていた。


細身の体。


黒い外套。


そして――


仮面。


男は静かに言う。


「剣神」


Rは答える。


「八将か」


男はゆっくり歩き出した。


足音が軽い。


まるで風のようだった。


「第二席」


男は名乗る。


「幻影の仮面 ヴェイル」


ガルムが笑う。


「次々来るな」


レナが小さく言う。


「気をつけて」


カナタが聞く。


「知ってるのか?」


レナは頷く。


「八将の中でも」


「一番戦いにくい」


ヴェイルが微笑む。


「光栄だ」


Rは剣を肩に乗せる。


「やるか」


ヴェイルは言う。


「その前に」


指を鳴らした。


パチン。


その瞬間。


景色が揺れた。


カナタが驚く。


「……え?」


街が消える。


瓦礫が消える。


黒い空が歪む。


そして――


気づくと


森の中だった。


ガルムが叫ぶ。


「なんだこれ!?」


レナが震える。


「幻影……!」


ヴェイルの声が響く。


「ようこそ」


「私の世界へ」


カナタが周囲を見る。


完全な森。


風。


木。


匂いまである。


「本物……?」


Rが言う。


「違う」


次の瞬間。


剣が走る。


ザンッ!!


木々が斬れる。


だが


その奥にいたはずのヴェイルはいない。


声だけが響く。


「無駄だ」


カナタが振り向く。


ヴェイルがいた。


だが


次の瞬間


消える。


レナが言う。


「幻覚!」


ガルムが怒鳴る。


「どこだ!」


ヴェイルの声。


「どこだろう」


その瞬間。


カナタの横に


ヴェイルが現れた。


「っ!」


カナタが剣を振る。


空振り。


消える。


背後から声。


「遅い」


ガキィン!!


カナタの剣が弾かれる。


カナタが吹き飛ぶ。


「ぐっ!」


レナが叫ぶ。


「カナタ!」


Rが動く。


だが


ヴェイルはもういない。


声だけが響く。


「剣神」


Rが言う。


「幻覚か」


ヴェイルは笑う。


「違う」


「全部本物だ」


カナタが立ち上がる。


「どういう意味だ」


Rが言う。


「空間操作」


レナが驚く。


「え……」


Rは言う。


「幻覚じゃない」


「空間を歪めてる」


ヴェイルが拍手する。


パチパチ。


「さすが」


「剣神」


ヴェイルが現れる。


今度は正面。


仮面が光る。


「幻影の仮面」


「虚界」


その瞬間。


景色がさらに歪む。


Rが三人に見える。


カナタが叫ぶ。


「どれが本物!?」


ヴェイルが笑う。


「全部」


ガルムが怒鳴る。


「ふざけんな!」


大剣を振るう。


Rの一人を切る。


だが


空を切る。


次の瞬間


ヴェイルの蹴り。


ドン!!


ガルムが吹き飛ぶ。


レナが炎を放つ。


炎が森を焼く。


だが


ヴェイルはいない。


声が響く。


「見えない敵」


「どう戦う?」


カナタは歯を食いしばる。


Rが言う。


「カナタ」


カナタが振り向く。


Rは言った。


「お前の仮面」


カナタが言う。


「時空の仮面」


Rが頷く。


「空間が歪んでるなら」


カナタの目が開く。


「……見える?」


Rが笑う。


「試せ」


カナタは仮面に触れる。


時空の仮面が光る。


周囲の景色が


ゆっくりになる。


空気の流れ。


空間の歪み。


その中に――


一つだけ


違う流れ。


カナタが叫ぶ。


「そこだ!」


剣を振るう。


ザンッ!!


血が飛ぶ。


ヴェイルの身体が


初めて現れた。


ヴェイルが驚く。


「……ほう」


Rが笑う。


「見えたか」


カナタは息を切らす。


「少しだけ」


ヴェイルは笑う。


「面白い」


仮面が強く光る。


「では」


「本気でいこう」


空間が


さらに歪む。


森が崩れる。


空が裂ける。


レナが叫ぶ。


「まずい!」


Rが剣を構える。


「来るぞ」


ヴェイルが言う。


「剣神」


「少年」


「次で終わりだ」


黒い空の下。


幻影が


無数に広がった。

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