第14話
【剛破の仮面】
黒い大地。
瓦礫の荒野。
その中央で――
二つの影がぶつかった。
ドォォォン!!
衝撃波が走る。
地面が割れる。
カナタは思わず腕で顔を守った。
「……っ!」
レナが叫ぶ。
「すごい……!」
視界の先。
Rとグラド。
二人はすでに十数回も剣をぶつけていた。
だが――
速すぎて見えない。
ガガガガガガッ!!
火花が散る。
空気が裂ける。
グラドが笑った。
「いい!」
巨大な剣を振り抜く。
Rが受ける。
ガキィィン!!
その衝撃で
地面が沈んだ。
ガルムが呟く。
「化け物かよ……」
グラドが言う。
「剣神」
Rが答える。
「八将」
次の瞬間。
グラドが踏み込む。
ドンッ!!
大地が爆発する。
巨大な剣が
横薙ぎに振られる。
Rが跳ぶ。
その斬撃は
遠くの瓦礫の山を
丸ごと吹き飛ばした。
カナタが息を呑む。
「……あんなの」
「当たったら」
Rが着地する。
軽い。
まるで風のようだった。
グラドが言う。
「逃げるだけか」
Rが笑う。
「見てるだけ」
グラドが目を細める。
「何を」
Rは言う。
「お前の仮面」
その瞬間。
グラドの仮面が
鈍く光った。
黒い力が
鎧を包む。
大地が震える。
レナが言う。
「まずい……!」
ガルムが聞く。
「何だ?」
レナは言う。
「八将の仮面は」
「能力がある」
グラドが剣を掲げた。
そして言った。
「剛破」
ドン――
その瞬間。
地面が沈む。
重力が増えたようだった。
カナタの足が
沈む。
「重い……!」
ガルムも歯を食いしばる。
「なんだこれ……!」
レナが言う。
「力の仮面!」
グラドが笑う。
「そうだ」
そして剣を振り下ろす。
ドゴォォォン!!
大地が
陥没した。
巨大なクレーター。
カナタが叫ぶ。
「R!!」
煙の中。
静かな声。
「終わりか?」
煙が切れる。
そこに
Rが立っていた。
無傷。
グラドが言う。
「……ほう」
Rは剣を肩に乗せる。
「今のはいい」
グラドが笑う。
「次は」
「死ぬぞ」
グラドが突進する。
今度は
本気。
地面が砕ける。
空気が爆発する。
巨大な剣が
真上から落ちる。
その瞬間。
Rの剣が動いた。
シュン。
静かな一撃。
ザンッ。
グラドの剣が
止まった。
カナタが驚く。
「え……?」
グラドの巨大な剣。
それを
Rは
片手で受けていた。
グラドの目が動く。
「……何だ」
Rが言う。
「重いだけ」
そして
剣を払う。
グラドの身体が
吹き飛んだ。
ドォォン!!
瓦礫の山に激突する。
レナが呟く。
「嘘……」
ガルムが笑う。
「やべぇな」
グラドが立ち上がる。
鎧が砕けている。
だが
笑っていた。
「いい」
「久しぶりだ」
グラドは仮面に触れる。
黒い光が強くなる。
空気が震える。
カナタが震える。
「……まだ」
「本気じゃないのか」
Rが言う。
「そうだろうな」
グラドが言う。
「次で終わらせる」
仮面が
完全に光る。
大地が震える。
空気が歪む。
レナが叫ぶ。
「まずい!」
「八将の本気!」
グラドが剣を構える。
「剛破」
「崩天」
空が割れるような
威圧。
その瞬間
Rが剣を構えた。
剣神の仮面が
光る。
Rが小さく言う。
「いいぞ」
そして笑う。
「やっと」
「面白くなってきた」
黒い空の下。
二つの怪物が
再び激突する。




