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仮面のない空へ:常闇編  作者: R


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第12話

【常闇の城】


戦いが終わった街。


瓦礫。


崩れた建物。


黒い空。


風が静かに吹いていた。


カナタは


その場に立ち尽くしていた。


倒れている常闇兵。


息はある。


だが


仮面は外れていない。


レナが言う。


「……また増える」


カナタが聞く。


「え?」


レナは静かに言う。


「この人たち」


「また仮面をつけて戻る」


ガルムが舌打ちする。


「キリがねぇな」


シオンが空を見る。


「……この世界は」


「もうほとんど支配されてる」


Rが聞く。


「どれくらいだ」


カナタが答える。


「自由な街は」


「もう数えるほどしかない」


レナが続ける。


「ほとんどの国が」


「常闇に従ってる」


Rは黙っていた。


しばらくして


剣を肩に担ぐ。


「なるほど」


ガルムが聞く。


「何がだ」


Rが言う。


「王がいる理由」


カナタが聞く。


「アルカディア?」


Rは頷く。


「王は一人じゃない」


「必ず」


「部下がいる」


シオンが言う。


「いる」


カナタが顔を上げる。


シオンは言った。


「八将」


空気が少し重くなる。


ガルムが腕を組む。


「常闇の幹部」


レナが続ける。


「アルカディア直属」


カナタが言う。


「俺たちは」


「まだ見たことない」


Rが小さく笑う。


「会うだろうな」


その時だった。


ガルムが遠くを見る。


「……おい」


全員が振り向く。


遠く。


黒い地平線。


その向こうに


巨大な影が見えていた。


城。


あまりにも巨大な城。


空に突き刺さる塔。


黒い城壁。


常闇の城。


カナタが言う。


「……あれが」


「アルカディアの城」


Rはその城を見ていた。


静かに。


長く。


そして言う。


「遠いな」


ガルムが笑う。


「歩いていくのか?」


Rが答える。


「近づけば」


「向こうから来る」


レナが不安そうに言う。


「八将?」


Rは頷く。


「多分な」


カナタは城を見ていた。


あまりにも遠い。


あまりにも大きい。


だが


ここまで来た。


逃げるつもりはない。


カナタは言う。


「行こう」


レナが頷く。


「うん」


ガルムが拳を鳴らす。


「久しぶりに燃えてきた」


シオンは何も言わない。


ただ


城を見ている。


Rが歩き出す。


「道案内しろ」


カナタが頷く。


「こっちだ」


五人は


瓦礫の街を後にした。


常闇の城へ向かって。


その頃。


常闇の城。


巨大な塔。


その奥。


広大な玉座の間。


アルカディアが


静かに座っていた。


白い仮面。


黒い王衣。


玉座の下には


八つの影。


跪いている。


アルカディアが言う。


「客人が来た」


一人が顔を上げる。


仮面の男。


低い声。


「R」


アルカディアが頷く。


「そうだ」


別の影が笑う。


「面白い」


また一人が言う。


「私が行きますか」


アルカディアはゆっくりと立ち上がる。


そして言った。


「好きにしろ」


八つの影の一人が


立ち上がる。


その仮面には


鋭い紋様。


男が言う。


「では」


「最初の狩りを」


アルカディアは静かに笑う。


「楽しめ」


その男は振り返る。


そして


闇へと消えた。


アルカディアは


遠くを見る。


R。


そして


カナタ。


白い仮面の奥で


その目が光る。


「さあ」


「どこまで来れる」


黒い空の下。


戦いは


まだ始まったばかりだった。

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