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仮面のない空へ:常闇編  作者: R


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第9話

【剣の試練】


丘の上。


風が静かに流れている。


カナタはまだ

目の前の状況が信じられなかった。


Rが


剣神の仮面を手にしている。


クロウは静かに言った。


「つけてみろ」


Rは仮面を見る。


白い仮面。


鋭い紋様。


まるで刃が重なったような形。


Rは言う。


「必要ない」


クロウは答える。


「確認だ」


Rはため息をつく。


「……面倒だな」


だが


仮面を顔に当てた。


その瞬間。


空気が変わった。


風が止まる。


地面が震える。


カナタの背中に

寒気が走る。


(なにこれ……)


剣神の仮面が

静かに光る。


Rの体から

圧倒的な気配が溢れる。


カイが思わず言う。


「うわ……」


ユナも目を細める。


「相変わらずね」


ジンが呟く。


「適合してる」


クロウが頷く。


「当然だ」


Rはゆっくりと

剣を抜いた。


シャッ――


澄んだ音。


そして


軽く振る。


ただそれだけだった。


だが


次の瞬間。


遠くの岩山が


斬れていた。


数十メートル先。


巨大な岩が


静かに滑り落ちる。


カナタの目が見開く。


「……え?」


カイが叫ぶ。


「今のなに!?」


ユナが笑う。


「Rよ」


ジンが言う。


「昔より強くなってるな」


Rは剣を戻した。


仮面を外す。


「……だから言った」


「いらない」


クロウは言う。


「それでも持っていけ」


Rが眉をひそめる。


クロウは続ける。


「その世界の王」


「油断するな」


Rは仮面を見る。


そして


コートの内側にしまった。


カナタの胸が熱くなる。


(この人なら……)


(本当に勝てるかもしれない)


クロウがカナタを見る。


「少年」


カナタは背筋を伸ばす。


「はい」


クロウは言う。


「お前の仮面」


「まだ力を引き出せていない」


カナタが驚く。


「え?」


クロウは続ける。


「時空の仮面は」


「本来もっと強い」


カナタは仮面を見る。


古びた仮面。


クロウが言う。


「だが今はそれでいい」


「いずれ目覚める」


カナタは頷いた。


Rが聞く。


「戻る方法は」


カナタは仮面を握る。


「集中すれば」


「道が見える」


Rが言う。


「今やれ」


カナタは目を閉じる。


深く息を吸う。


時空の仮面。


祖父の言葉。


世界。


仲間。


レナ。


ガルム。


シオン。


(待ってろ)


仮面が光る。


円環の紋様が

ゆっくり回転する。


空間が歪む。


風が逆流する。


カイが叫ぶ。


「また出た!」


光の渦。


時空の扉。


ユナがカナタを見る。


「頑張りなさい」


ジンが言う。


「R」


Rが振り向く。


ジンは小さく言った。


「死ぬな」


Rが笑う。


「誰が」


クロウが最後に言う。


「行け」


Rは剣を携える。


そしてカナタの隣に立つ。


カナタが言う。


「入れば」


「元の世界に行く」


Rが言う。


「さっさと行くぞ」


カナタは頷く。


二人は


光の渦へ踏み出した。


世界が歪む。


空間が裂ける。


風が爆発する。


光がすべてを包む。


そして――


消えた。


丘の上。


静寂。


カイが言う。


「行ったね」


ユナが空を見る。


「大丈夫かな」


ジンは静かに言う。


「Rがいる」


クロウも空を見る。


そして呟いた。


「始まるな」



その頃。


黒い空の世界。


常闇の空。


瓦礫の街。


レナたちは

丘の上に立っていた。


ガルムが言う。


「……遅いな」


レナが言う。


「本当に戻るの?」


シオンが空を見る。


その時だった。


空間が歪む。


黒い空が裂ける。


光が落ちる。


三人が驚く。


そこから


二つの影が現れた。


カナタ。


そして


もう一人。


黒いコートの男。


剣を携えている。


男は周囲を見る。


黒い空。


崩れた世界。


そして言った。


「……ひどい世界だな」


カナタが言う。


「ここが」


「俺の世界」


Rは静かに笑った。


「なるほど」


そして剣を握る。


「じゃあ」


「始めるか」

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