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修羅の国編①

###修羅の国編

どれ位上ったであろうか感覚的には三日位上ってる感じだが昼夜がないから実際はわからない

だがやっと地上らしきところに辿り着いた。

周りの景色は岩場が多く殺伐とした様子だ

「さて、ここは?」

「データーベースで調べてみるわね」と言いながらしばし瞑想にはいるかぐや。

「どうやらここは修羅の国という世界のようね。今の私たちでの難易度はCランクというところかしら」

「修羅の国?」


## 修羅の国 - 初陣


「修羅の国……?」時雄が金棒を地面に突き立てる。革ジャンの襟元が汗で張り付いている。「戦いが日常の世界ということか」


「正確には『闘争本能が理性を超えた領域』」かぐやの黒髪が風もないのに揺れた。「住人は全員戦闘狂で弱者は容赦なく排除されます」

「話が早いぜ」時雄が金棒を構える。「今度は遠慮なく暴れまくっていいんだな」

時雄がうずきだした。

「まあ、そういうことね、今回は理性的に戦わなくてもいいだけ楽なのかもね」とかぐや


## 修羅の国 ― 狂騒の開幕


岩だらけの荒野が視界いっぱいに広がる。空は常に灰色で太陽も月も存在しない。代わりに無数の剣の形をした鋭い岩が大地から突き出している。


「おっと!」

時雄が突然しゃがみ込んだ。革ジャンの背中を掠める鋭い風切り音。

「挨拶代わりか」

振り返ると血まみれの武者姿の男が刀を構えていた。顔面には歯茎むき出しの笑みが浮かんでいる。

突然襲ってきたので金棒一振りで粉々に吹き飛ぶ。

だが少し離れたところでは巨人と巨人よりやや小さめの男が俊足を生かし刀剣のようなもので切り刻みながら戦闘を楽しんでいる。

それ以外にもいたるところで戦いが行われている。安息を求めるには最強という二文字が必要とのことだが戦ってるものはみな快楽に浸ってる様子だ。

「私もこの世界に似合った衣装にしなくてはね」

「換装!」と叫ぶと衣服が戦闘用の鎧に変換されたが鎧姿なのに妙に色っぽく特に太ももに時雄はドキッとしてしまいかぐやに睨まれる。

(うわー太ももがたまらねぇ)と思う気持ちを必死に戦いに集中してごまかそうと必死だ。が、

「恥ずかしいから、あんまり見ないで、変な事は考えないように。あなたの妄想でおかしくなりそう」ってかぐやに突っ込みを入れられてしまった

「そういわれてもこればかりはどうにも…」と誤るしかなかったが本当に可愛くて仕方がない。


「ちょっと!集中して!」

かぐやの叱責が鋭く空を裂く。その声と共に彼女の右手から氷の矢が放たれ、時雄の背後で牙を剥いていた獣型修羅の脳天を貫いた。


「ぐあああっ!!」

獣型修羅が断末魔の叫びを上げて倒れる。地面に落下した巨躯が砂塵を巻き上げた。

「すまん……」時雄は金棒を握り直した。カグヤの換装衣装――胸部は金属のプレートで覆われているものの腰回りは薄い布一枚。そして何よりも……

(太ももが……太ももがああぁ!)

「また妄想してるわね!」

かぐやの冷たい視線が突き刺さる。彼女は気づいていないが、戦闘時の動きで布地が微妙にずれるたびに時雄の理性が揺さぶられている。

少し離れたところで戦っていた修羅たちが一斉にこちらを見た。

「おお、女だ。若い女、しかもいい女だ。」

「まてまて、俺の女にするんだからお前らは引っ込んでろ!」

「隣にいる男の女か、じゃあまずはあいつを倒して俺の物にしてやる」

欲望に満ちた修羅たちが時雄たちを見た。彼らは筋骨隆々たる体躯に無数の傷跡を刻み、それぞれ異なる武器を携えていた。目には爛々とした捕食者の光が宿る。

「一斉にこちらを見やがった。まとめてくるのか?…そうだ!こういう時こそ男はみんな一度は使ってみたいとあこがれたあの技を使ってみるか」

時雄が楽しそうな顔になった。

「また何か中二病になったわね。今度はいったい何?」

時やは手を蝶のように合わせ「かーぐーやー」まわりはなぜか効果音まで神人力で作り出しもうノリノリ状態でエネルギーをチャージし始めた。

「姫!ーーーーー!」


轟音とともに放たれたエネルギー球が地面を抉りながら敵群へ突進。正面にそびえる岩山さえも削り取っていく。時雄は額に汗を光らせながら両手を高く掲げ、余韻を楽しんでいる。


「ふははは!やっぱり男のロマンだよなぁ!」


かぐやが凍てつく視線を向ける。「遊びじゃないのよ?」


「わかってるって!でもこういう時こそ──」


その言葉が終わらぬうちに、かぐやの警告が炸裂した。

「上!」

何かが空を切り裂き迫ってくる。しかし避けるには体制が悪い。腕を十字にして受け止めたが余りの衝撃で左腕の半分が切断されプラプラしてしまった。土煙の中から剣士が現れた。

「ふ、あの飛ぶ斬撃を受けて胴体が別れないとは…さっきのおかしな技といい、お主かなり強いな。」

と刀を構えている


時雄の苦悶の声が砂塵に吸い込まれる。左腕から滴る鮮血が地面に不規則な円を描いた。プラプラと揺れる切断面が不気味な脈動を刻む。


「この傷は……浅くはないですね」

かぐやが手のひらを傷口にを構えつつ治療を試みる。しかし――


「駄目だ、かぐや」

時雄が血塗れの拳を握りしめた。痛みで顔が歪む。

「神力は……まだ完璧じゃない。再生に時間がかかる」


剣士が鞘を抜き放つ音が鳴り響く。

「修羅の国では弱者は即座に餌となる」

その目に宿るのは飢えた狼のような貪欲さ。

「お前の右腕もいただくとするか」



「だから言ったじゃない調子に乗りすぎないの。ひとまず逃げるわよ」と、時雄を抱えて上空へ飛んで逃げた。

「え、おま‥それ飛べるのか‥しかも俺も持ち上げて…俺でも最初の進化では自分一人がやっとだったのに」

「まあね、人間としての初期ベースが違いましたからね」

「ふ、空へ逃げようとするか、だが逃げるのならその女は置いていってもらおう」

と剣士が剣を何度も振りぬくと無数の斬撃が飛んできた。

「ヤバイ!」時雄はそう感じた

飛来する無数の斬撃が虚空を引き裂く。かぐやの羽衣が閃光のように翻り、鋭利な刃風を紙一重で躱す。抱えられた時雄の切断された左腕から溢れる血が雨のように散る。


「ぐっ……重い……!」

かぐやの眉間に皺が寄る。彼女の両足の神力を全開にしても、成人男性一人分の重量+自身の機動力維持は限界ギリギリだ。さらに追い討ちをかけるように――

(最大のピンチだな、かぐやも限界が近そうだ‥あっそうだかめはめ波の応用だ)

片手の掌を地面に向けてエネルギーを集中し始めた。

「かぐや、頑張ってくれ、ここは逃げることに集中する」といいながら気弾のようなエネルギー派を地面に叩きつけそれをジェット噴射の要領で自信とかぐやの体を飛ばし何とかその場から退避することに成功した。

「とりあえず、治療と休憩が先決ね」かぐやがシェルターのようなものを作りその中に退避。中でかぐやが必死に腕の蘇生を試みた


シェルター内部は薄暗く、かぐやの呼気が白く曇っていた。彼女は地面に座り込んだ時雄の傍らに跪き、切断された腕を慎重に保持している。切断面からはまだ鮮血が脈動とともに滲み出ていた。


「動かないで」

かぐやの指先が青白く発光する。氷の粒子が粉雪のように舞い、切断部を優しく包み込んでいく。氷の膜が血管と神経の接触点を固定し、出血を抑える役目だ。


「くっ……冷たい……」

時雄の顔が歪む。彼の右腕が無意識に金棒を掴みかけたが、かぐやの視線に気づいて諦めた。


「傷口を冷却しないと細胞が腐敗するわ。少し我慢して」


治療の最中、外から剣戟の音が鳴り響く。金属の擦れる不協和音と獣の咆哮が入り混じる。かぐやは耳を澄ませた。


「まだ近くにいる。あの剣士だけでなく他の修羅たちも匂いを嗅ぎつけて集まってきているわ」

「くそ……派手にやり過ぎたか」

時雄の顔から血の気が引く。「お前まで危険に巻き込んだ」


「まったく」

かぐやが短く嘆息する。「あなたって本当にお祭り騒ぎが好きよね」

彼女の視線がふと時雄の胸元に落ちる。革ジャンのボタンが一つ外れており、その隙間から僅かに肌が覗いていた。反射的に目を逸らす彼女の頬に朱が差す。

(この人も怪我をしてるのに……胸の鼓動が落ち着かない)

「とにかく腕がくっつくまでは動けないわ」

かぐやの指先が再び青く輝いた。「最低でも三時間は掛かるから休戦のチャンスよ」

(しかしさすが修羅の国というだけあるな。斬撃が飛んでくるってなんだよ。アニメキャラみたいな技使いやがって。ここは中二病患者の宝庫かよ)と感じていた


シェルター内の空気が一変した。外で爆発音が轟き、地盤が激しく揺れる。


「見つかっちまったか……」

時雄が歯を食いしばる。切断部には薄い氷の膜が形成されているが、接合には至っていない。金棒を杖代わりに立ち上がろうとする彼の肩をかぐやが押さえた。


「まだよ! 接合点が不安定なまま動いたら神経が断裂するわ」


だが次の瞬間――


ズシン!


シェルターの天井が砕け散った。岩の破片と共に降りてきたのはあの剣士だ。両手に刀を逆手に構え、目は完全に捕食者のそれだった。


「逃げ切れるとでも思ったか?」

彼の背後で他の修羅たちが唸り声を上げる。「女は生け捕りだ。男はバラバラにして飾ろう」

(くそ! 来ちゃったよ中二病オールスターズ!)と内心毒づく時雄だが今はそれどころではない。痛みで視界が霞むがそれでも右手の金棒はしっかりと握っている。

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