惑星タウリ⑬
時雄:「(ああ、これはきっと良い情報を持っているな)」と察する。なぜなら目の前の男の目がギラリと輝いたからだ。
男:「つまり、あなた方は今、困っているというわけですね?」
高柳:「はい、そうなんです‥」と不安そうな顔をする。
男:「わかりました!お任せください!我々が必ず解決してみせます!」と胸を張って宣言する。
時雄:「(どうせ胡散臭い情報だろうに‥)」と思いながらも黙っておくことにする。
男:「ただ、一つだけ条件があります」
高柳:「何でしょうか?」と尋ねる。
男:「それはですね‥」と言いながら視線をこちらに向けてくる。
時雄:「えっ?」と思わず声が出てしまう。
男:「貴方も協力してください」と指を指された。
高柳:「えっ!?でも彼は部外者ですよ?」
男:「構いませんよ。それよりも早く行きましょう!」と言うなり時雄の手を掴み外に連れ出した。
時雄:「ちょっと待って下さい!何をするつもりですか!?」
男:「いいから、いいから!」と言って引きずって行く。
高柳:「ああっ!待ってくださーい!」と叫ぶ声が聞こえてきた。
しばらく歩くと森の中に着いた。周囲は薄暗く、静まり返っている。男が立ち止まるので、何をするつもりなのか聞いてみた。
男:「ここまで来れば大丈夫でしょう。では、早速始めるとしましょうか」と言ってくる。
時雄:「始めるって何をするんですか?」
男:「簡単ですよ。私があなたを攻撃します。その攻撃を受けたら、あなたは死ぬでしょう。それだけです」と答える。
時雄:「(やはりそう来たか‥)」と予想していた展開なので特に動揺はしなかった。
男:「では行きますよ!覚悟してください!」と言って拳を振り上げてきた。
時雄:「(さて、どうしたものかな)」と考える間もなく男は殴りかかってくる。反射的に避け脳天に踵落としをくらわした。男は気を失ってしまった。
男を茂みに隠して表通りへ向かうとそこに二人がいた。
高柳:「もう、心配したじゃない!どこ行ってたのよ!」と怒りながら駆け寄ってきた。どうやら相当心配させていたらしい。
時雄:「いや、やはり罠だったよ」と男に襲われた事を話した。男の胸ポケットにレーザー銃のようなものがあったのでどうせ武器も所持してないんだろうと思い天川に渡した。
受け取りながら
天川:「こんな物、見たことないわね。でもレーザーポインターみたいだから使いやすそうね」と笑顔で言っていた。
時雄:「それはよかったな」と相槌を打つ。
高柳:「あれ?この銃はどうしたの?私も欲しい。」と首を傾げている。
天川:「これは、私がいただいたのよ。あなたみたいな馬鹿には扱えないものなの」と鼻を鳴らして見せつけるように持つ。
高柳:「えーなんでー私も欲しいー!」と駄々をこねる。
天川:「ダメよ。これは私が貰ったんだから」と言い放ち、自慢げに眺めている。
高柳:「ううっ‥ずるいよ‥私も欲しい」と涙目になっていた。
天川:「しょうがないわね‥じゃあ貸してあげる。ただし、絶対に壊さないでね?あと使い方には気を付けてね?特に間違って人に当てるなんて事ないようにして頂戴。死ぬほど痛いからね」と念押しする。
高柳:「はーい」と元気よく返事をした後、手に取って眺めていた。
時雄:「(ふぅ‥とりあえず武器も確保できて良かった‥)」と思った瞬間、突然天川の腕を掴み自分の方へ引き寄せた。
時雄:「危ない!伏せろ!」と言って地面に倒す。
すると次の瞬間、どこからかレーザー光線が飛んできて高柳の肩を掠めた。
時雄:「やっぱりまだ仲間がいたか‥」
天川:「きゃあっ!!」と悲鳴を上げる。
高柳:「いたたっ!!‥血が出てるー!」
時雄:「ほら、泣かないの。まだ終わりじゃないですよ」
と声をかけると
高柳:「えっ‥どういうこと?まだいるの?」
と怯えた表情になる。
時雄:「当たり前じゃないか。油断は禁物だぜ」と言って拳銃を取り出し構える。
すると草陰から五人程の男たちが現れた。
男A:「よく避けたな、だが、抵抗は無意味だ!」と挑発的な態度を取る。
男B:「タウリのスパイだってことは解ってる。抵抗は無意味だ!」と要求してくる。高柳は構わずレーザー銃を向け、発射した。
すると一人の男が腹部に命中し倒れた。
残りの4人も高柳と天川だけで片付けてしまった。意外と強い、というかかなり強い。鍛えられてるのだけは解った。
無能なのは脳みそだけらしい。
とりあえず全員無力化できたようだ。
高柳:「ふう‥何とかなったわね‥」と疲れた様子だ。
時雄:「お疲れさん、思ったより強かったじゃないか」
と言って労いの言葉をかける。
高柳:「そう?ありがとう。なんか嬉しくなるわね」
と言って微笑んでいる。
天川も笑顔だ。
倒したついでに武器も調達全員レーザー銃を手に入れた。が、また高柳は空き缶を的にして遊んでいる。困ったもんだ。天川は的確に当てられるようで腕が良い。恐らくかなり練習したのだろう。
時雄も試し打ちをするが弾丸ではなくレーザーなので非常に楽に的中させられる。
しかし威力が桁違いで外した時に壁に穴があいた。これでは簡単に人を殺せるという事だ。
俺も意外と使えるかもしれない。
時雄:「さて、一旦落ち着ける場所を探そう」
高柳:「そうね、ちょうどいい場所があるわ」
と得意気に言い出した。
時雄:「却下!」
と即答する。
天川:「私も異議なし!」と言うと
高柳:「もう、ひどいなぁ~」と頬を膨らませていた。
時雄:「何でお前が決定権持ってんだよ……」と言うが
高柳:「だって、私は年上だし。それに頼りにしてるんだから!」と胸を張って言う。
時雄:「いや、威張ることじゃ無いでしょそれ……」と呆れ果てる。高柳:「ふんっ!別にいいじゃない!」
天川:「まあまあ、落ち着きましょう。さっきの騒ぎで注目されすぎてるから。早く移動しないとまた面倒ごとに巻き込まれるわよ」と窘める。
時雄:「確かにそうだな‥。とりあえず移動するぞ」と二人を促して歩き出した。
高柳:「ちょっとー、どこ行くのよ?」
時雄:「さっき襲ってきた奴らの頭の中を少し覗かしてもらった。参考になるかはわからんが奴ら『寄生虫が支配』とか『古代文明』とかの記憶があったな。とりあえずアジトへ向かおうと思う。」
高柳:「えっ!?ちょっと待ってよー!」
高柳:「待ってってばー!」と必死に追いかけてきた。
天川:「ねぇねぇ、あなたって時雄君?って言ったっけ。あなたの事ちょっと気になるの」と話しかけてきた。
時雄:「どうかしましたか?俺のことなんか気にしない方がいいですよ?」
と愛想笑いする。
天川:「ううん、そんな事ないわ。とても面白い人だと思ってる」
と真面目な顔をして言ってくる。
高柳:「ちょっと天川ちゃん!なに抜け駆けしようとしてんの!」
時雄:「いや‥別に何もしてないでしょ‥」
高柳:「嘘つき!私の時雄君なのに!」と言ってポカポカ叩いてくる。
時雄:「はいはい、わかりましたよ」と適当に返す。
時雄:「着いたぞ」
高柳:「着いたぞって!レンタカーの会社じゃない」
天川:「私には解るわよ。遠すぎるから徒歩じゃなく車で移動するって事でしょ。そんなことも解んないかなー?」と煽る。
高柳:「そ、そうだったのね。時雄がこんな子供騙しを‥」
時雄:「騙してないんだけどな……」
高柳:「ごめん、私馬鹿だから」
時雄:「大丈夫だよ。わかってるから」
天川:「で、どの車に乗るの?」
時雄:「えっと‥」とマップを見て考える。「ここから目的地まで、かなり悪路があるな‥。これは普通の車じゃ厳しいかオフロードカーで行くとするか」
高柳:「わかったわ、行きましょう!」
と言ったものの免許を持っていなかった。その辺はマインドコントロールで何とかなった。
というわけで、適当なレンタカー屋に行って借りることにする。
時雄:「すみません、この車を一日だけ貸してください」
店員:「え?あ、はい」
時雄:「ありがとうございます」
と言ってお金を払った。
時雄が運転し、助手席に高柳、後ろに天川が乗った。




