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惑星タウリ⑤

高柳:「ちょっとアンタに話があるの」

時雄:「何?急に改まって」

高柳:「体がおかしいの。何故かすごく軽い感じで力が入り過ぎてるような感覚なのよ」時雄:「え?それは病気とかじゃなくて?」

高柳:「いいえ違うの!寧ろ万全というよりそれ以上!とにかく元気すぎるのよ!だから怖いの」

時雄:「そうなの。それで?」

高柳:「だから……その……まあいいわ、ちょっと付き合って頂戴!」と言い時雄をグランドまで引っ張っていき100メートルタイムを計ってもらった。さっきよりは体が慣れたような感じだが。


やはり脚力は上がっているように感じる。

高柳:「……出たわね」

時雄:「凄いじゃないですか!こんなの漫画の世界だ!先輩やるときゃやるタイプなのですね」


高柳:「……あのさぁ、なんでこのタイムを見てそんな平然とできるかな?何よこの‥8秒05って‥普通周りはもっとパニックになるはずでしょ」

時雄:「いや、俺は普通にビックリしましたよ!これってもうオリンピックに参加できるんじゃないですか!」


高柳:「いやいや、その反応自体が薄いんですって…こんなの化け物レベルのスピードでしょ。普通なら狂気レベルで騒ぐレベルよ。あんた、日ごろからこの位のレベルは見飽きてるって反応じゃない」



時雄:「いや、そんなことないですって」

高柳:「とにかく。さっきの話の続きなのだけれど……」

時雄:「ええ……」

高柳:「多分、原因は貴方にあると思うのよ」


時雄:「えっ!?俺が!?」


高柳:「うん……」


時雄:「一体何をしたんですか俺は?」


高柳:「私に聞かないでくれる?わかんないもの」

時雄:「そりゃそうだね……」


高柳:「それで、私の疑問はこれだけじゃないのよ。」


高柳:「時雄に私は好かれているのかしら?」

時雄:「それは無いっすね」

高柳:「即答!?少しは悩んでよ……」


時雄:「悩んでの結論ですよ……。あなたは綺麗だと思いますしスタイルもいいと思います。…あの…それに‥タ‥タイプでもありますし‥」といいながら赤面する。


そしてさらに


高柳:「へぇ~そうなんだ」ニヤニヤしながら時雄を見る。

高柳:「でも、私は……好きな人がいてね……。もちろん時雄じゃないのよ」

時雄:「はあ?何言ってるんすか?」

高柳:「だから好きな人がいて、その人は私の憧れでね‥。彼と一緒に仕事をしたいと思っていてね……」

時雄:「はぁ……」

高柳:「……そうしたらどうなっちゃうのかな?」

時雄:「先輩、本気ですか!?」

高柳:「ええ、本気よ」


高柳:「なんてね。私……あなたのこと嫌いじゃないわ」


時雄:「……はい」


高柳:「それでお願いがあるのだけれど、聞いてくれる?」

時雄:「何ですか?」

高柳:「私に協力してくれないかしら」


時雄:「何を?」

高柳:「JA‐XAへの推薦状と留学への推薦状を書いて欲しいの」

時雄:「え?それはダメなんじゃ?」

高柳:「私は自分で自分の才能を証明したいの。それに、あなたなら協力してくれるって信じてるから‥」

時雄:「……」

高柳:「お願い」

時雄:「わかりました」


高柳:「本当!ありがとう!」と抱きつく。

時雄は慌てて引き剥がそうとするが力強く抱きしめられてびくともしない。


高柳:「えへへ‥」

時雄:「あの‥もう離れてください」


高柳:「まだ駄目!もう少しだけこうしてたい」

時雄:「……」


高柳:「やだ!」

時雄:「‥離れろ」


高柳:「いや!」

時雄:「いや‥あんまりこういう事は‥」


高柳:「うるさいわね!」と言ってさらに強く抱きしめてきた。

そして耳元で囁くように言う。


高柳:「もう少し勇気を出してね」

時雄:「‥(こんな所かぐやさんに見られたらぶっ飛ばされるな‥これはマジでやばい)」

そう思った時雄は一計を案じた。

時雄:(興味の対象を俺から外さなきゃならないな。仕方がない‥)

そう思って推薦状を作成した。JA‐XAなどではなくもっと興味の出そうなものに。

後日、高柳を呼び出し待合場所にやってきた。そこには運転手付きの黒光りのハイヤーが止まっていた。

時雄:「悪いけどこれから先輩をある場所に連れて行こうと思うますがその前に目隠しをお願いします。まあ、嫌ならこのまま帰りますけど」


高柳:「どういうこと?」

時雄:「まあ、着いてからのお楽しみということで」


高柳:「わかったわ。信用する」


時雄:「では、行きましょうか」


車内にて

高柳:「ねぇ、どこに向かっているの?」

時雄:「着くまで秘密です」

高柳:「意地悪しないでよぉ……」

時雄:「しょうがないですね。ヒントだけあげますよ」

高柳:「お願い」

時雄:「今日のあなたの行き先は‥ジャポンの最重要機密施設です。」


高柳:「え?」


時雄:「冗談ですけどね」


高柳:「……本当に危ない場所じゃないでしょうね?」


時雄:「ご安心ください。多少命の危険はあるかもしれませんが安全第一で動きます」


高柳:「ちょっと‥本当に大丈夫なんでしょうね?」

時雄:「大丈夫ですから。それにちゃんと腕のいいエスコート役がいますから安心してください」

高柳:「わかったわ‥」


高柳は不安を感じながらもその時を待った。


高柳:「ねぇ、まだかしら?」


時雄:「もうすぐですよ。もう目を開けていいです」

そう言って高柳が目を開けた瞬間。眼前に広がるのは砂漠地帯に建てられた巨大な施設だ。そしてそれは……

その施設に入る前に一枚の紙を渡された。守秘義務を守る事を誓うための契約書だ。そこにサインをしないとこの先へ進めないと言われたので大人しく署名をし施設へ入る。

中に入り客間のようなところに通された。そこには…テレビでしか見たことがない‥総理大臣と同盟国の大統領がいた。

高柳:「ね、ねぇ、これって一体‥」震えながら時雄の腕にしがみついてる。そして涙目になりながら


高柳:「あなた……私を嵌めたわね!?」

時雄:「違います!ただ、先輩の能力が世界レベルだと評価されてこちらからスカウトさせていただくことになったんですよ!」


高柳:「そ‥そんなこと……」

時雄:「まあ、とりあえず先方からお話がありますので聞いておいてください。先輩に合わせて話してくれますので」

時雄はそう言うと二人は席を立って退室した。


高柳:「あ、あの、もし宜しければ、ここの施設の概要について教えてもらえますか?」

大統領:「ええ。勿論ですとも。こちらは最新鋭の航空母艦の研究開発を行う施設になります。ここは空母を作るための研究所として世界各国の技術を結集させ作ったものでしてね、そしてこのプロジェクトには日本の科学者の方々も参加しています。日本からはあなたを含めて十数名の方がこのプロジェクトに参加されることになっていますよ」

高柳:「それは素晴らしいことですね」


総理:「はい。ところで高柳さん」


高柳:「はい」


総理:「実はこのプロジェクトには裏の顔がありましてね……」

高柳:「裏?」


大統領:「ええ。実はこのプロジェクトの名称は‥亜空間ゲートプロジェクト。すなわち惑星間を亜空間でつなぎ色々な星を冒険できるという国家最高機密プロジェクトです」




高柳:「そ……そんなものが本当にあったんですね!?それでは宇宙人て‥」

総理:「もちろんいますよ。公式発表はパニックを招く恐れがあるのでしていませんが。」


大統領:「我々が行っているのは彼らと接触し友好条約を結ぶことです」


高柳:「すごすぎです!!」


総理:「ええ。ですから我が国の技術を惜しみなく提供しています」


高柳:「凄いです!ぜひ、私も参加させていただきたいのですが」

大統領:「もちろんです。歓迎します」


高柳:「ありがとうございます。ところで一つ質問なのですが、なぜこのような話を私に聞かせてくれたのですか?」


総理:「それは‥あなたが優秀な人材だからです」

大統領:「そうです。貴方は今まで我々のことを知らないと思っていたがそれは違ったようです。あなたの噂を耳にしておりますよ」


高柳:「ど、どんな噂ですか?」

総理:「あなたの能力は桁外れだと。どうやら隠す気はないようです」


大統領:「ええ。そしてそれが本物であることも確認済みです。我々はあなたを歓迎します」


高柳:「そ、そうなんですか?」


総理:「ただし、その前に何年か研修生としていろいろ学んでもらうことになりますが。もちろんここでの起きたことなどは決して口外しないことも前提ですが」


高柳:「それは勿論です!是非!私をこの計画に加えて下さい!」


大統領:「わかりました。では手続きは全てこちら側で行います。手続き完了まで少し時間がかかりますがよろしいでしょうか?」

高柳:「はい!」

その後、高柳は念願の亜空間ゲートプロジェクトの一員となるべく勉強や訓練に励むこととなった。

数日後

高柳:「ねぇ、時雄。私、決心したわ」


時雄:「何をです?」


高柳:「私‥宇宙飛行士になる」

時雄:「そうですか。よかったですね。ただ学校などをどうするかが問題だね。卒業まで待つか、退学してプロジェクトに参加するかだが参加なら学校で学ぶこと以上にレベルの高い教育を受けられるけど友達とはさよならだし。どうします?」


高柳:「もちろん‥参加するわ。友達はいつでも出来るものね。私は自分の夢を叶えるためにも頑張るわ!」


時雄:「そうですか。じゃあ手続きは全部こちら側でやりますので先輩は準備だけお願いします」


高柳:「わかったわ。ありがとう!」


時雄:「いえいえ。じゃあ、お疲れさまでした」


高柳:「うん!頑張ってくるね!」


時雄:「はい。応援してますよ」

こうして高柳は数週間のうちに政府主導の宇宙飛行士の養成プログラムに参加するために学校を辞めた。

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