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剣と魔法の世界編⑰

かぐや:「さてと、これで懲りてくれればいいんだけど」

時雄「くっ、この野郎……(でもなんだかちょっと気持ちいいかも)」

かぐやはにっこり笑った後、真顔になり告げた。

かぐや:「貴方のような不埒者は一度懲罰房に叩き込まなくてはなりませんね」

時雄:「ひぃっ!」

かぐやは時雄の手をとり懲罰房と呼ばれる牢屋に投獄した。鍵をかけられ扉には封印の札のようなものが貼られて出られない状態にされた。「これはどういうことだ!?説明しろよ!おい、返事をしろ!」

時雄は懲罰房と書かれた部屋に入れられてしまった。

時雄:「かぐやちゃーん、一体どういう事」時雄は叫ぶ。

かぐや:「あんたの変な感情は全部流れ込んできて駄々洩れなのよ!それに私には千里眼と順風耳があるの忘れたの?どこにいても見ているのよ」


時雄:「(そういやそんな設定あったな。あんまり使ってないから油断しちゃうんだよな…)」


時雄「つまり俺を監視してたのか?」

かぐや「当たり前でしょ!誰が好き好んで好きでもない男なんかの世話を焼くと思うの?ただ単に利用価値があるだけよ!勘違いしないでよね」

時雄「(ツンデレかよ!可愛いからいいんだけどさ)」

こうして時雄は暫く懲罰房に入れられることになった。ちなみに食事は三食しっかり用意された。

時雄「(やっぱり、好きなんじゃねえの?)」

数日後、ようやく外に出ることができた時雄はみんなに心配された。


エレナ:「おかえりなさい!大変だったみたいね。でも時雄さんが一番悪いのよ。かぐやさんの気持ちも考えなさいね」


時雄:「うぅ‥ごめんなさい……」

かぐや:「反省したならもういいわ、それよりお姫様どうするの?恋愛は絶対だめだからね」


時雄:「はい、わかってます」

かぐや:「ならよろしい!」

時雄:「じゃあちょっとハグさせて」と言いながらかぐやを抱きしめた。が、しかし

かぐや:「調子に乗るんじゃない!」と肩に手が触れるや否や肩関節を外され激痛が走った。

そして「調教タイムだよ!」といって時雄の体を担いで近くの柱にくくりつけた。

時雄は身動きができない状態になった。

時雄:「痛いって!やめろよ!」

かぐやは時雄の目の前に屈み込むとじっと見つめる。顔を近づけ息がかかりそうなくらいの距離まで近づいてくる。時雄はドキドキしてしまった。


かぐや:「これはお仕置きだ。大人しく受け入れなさい」

時雄:「(うう、恥ずかしいけど何か良いかも)」

かぐやが顔を寄せていきキスをするそぶりを見せたがほっぺをつねられて終わった。

時雄は少し残念な気分になった。

かぐや:「これくらいで十分でしょう。これに懲りたら余計なことは考えるんじゃないよ」

時雄:「はい……」

かぐや:「さーて、なんか面白いことないかギルドにでも行ってみるか」


時雄:「おい、お前も来るのか?」

かぐや:「当たり前じゃない。私が見張らないと何をしでかすかわかったものじゃないからね」

時雄:「信用されてないなぁ……」


かぐや:「何か言ったかしら?」

時雄:「いいえ、何も」

かぐやはニヤリと笑い言った。

かぐや:「わかればいいのよ。さあ行くわよ!」

時雄:「はい……」

こうして二人で街を歩いていたのだが、途中で見知った顔を見つけた。


それはソフィアだった。彼女は何かを考えながら歩いているようでこちらの存在に気づいていない様子だった。


時雄は声をかけようと思ったが、その前にかぐやがサッと前に出て行った。


かぐや:「こんにちは、あなたが噂の姫様ですか?初めまして、私は時雄の婚約者であるかぐやです」

かぐや:「ところでなぜ一人でいるのですか?」

ソフィア:「お前が例の女か?私はこの国の第一王女、ソフィア・ハートフィールドだ。以後お見知りおきを」


かぐや:「王女様であられたとは存じませんでした。失礼いたしました」

ソフィア:「いや、気にしないでくれ、それよりも私の夫と随分親しいようだな」

かぐや:「はい、とても大切に思っております」

ソフィア:「そうか……なら貴様が勝負してやろう」


時雄:「ええ!?」

ソフィア:「決闘だ!私が勝ったら貴様は身を引く、私が負ければ貴様の好きにすればいい」


かぐや:「面白そうですね、受けて立ちましょう」

時雄:「おい、本気なのか?」

かぐや:「あなたは黙っていて下さい。これは私達の問題ですから」

時雄:「……」


ソフィア:「場所は城の中庭で行う。準備ができ次第迎えを出す」

かぐや:「わかりました、楽しみにしていますね」


ソフィアは去っていった。

時雄:「危ないことは辞めろよ」

かぐや:「心配しなくても大丈夫よ。勝算はあるから」

時雄:「(一体どんな作戦なんだろう?まあ今は信じるしかないな)」


中庭に行くと兵士達が並んで待っていた。中央にソフィアとその護衛騎士と思われる男性がいた。騎士の名前はレイヴァンというらしい。

ソフィア:「待たせたな」

かぐや:「いいえ、私も今来たところなのでお気になさらずに」


レイヴァン:「姫様、ご命令を」

ソフィア:「うむ、では始めるとしよう」


かぐや:「その前に一つお願いがあります」


ソフィア:「なんだ、言ってみろ」

かぐや:「この勝負、もし私が負けたら私は何でも言うことを聞くということにしてもらえませんか?それが条件です」


時雄:「おい!?正気かよ!」

ソフィア:「ほう、面白い女だ。良いだろう、その条件を飲もうではないか。ただし負けた時はきちんと約束を守れよ」


かぐや:「承知いたしました。では始めましょう」


時雄:「待てよ!俺は認めないぞ!」

ソフィア:「いいのか?彼女との約束を破るつもりか?」

時雄:「ぐっ……わかった……勝手にしろ!」


かぐや:「ありがとう、愛してるわ。大丈夫よ、私を信じて」

かぐやは微笑んだ。

ソフィアは剣を抜き放つ。その刀身は赤く輝いていた。

一方、かぐやの手には太陽のように眩しい光を放つ刀剣が握られている。


二人がゆっくりと近づいてゆく。そして互いの間合いに入った瞬間、一気に加速して接近した。


鋭い金属音と共に火花が飛び散る。

激しい打ち合いが始まった。


時雄は固唾をのんで見守っている。

激しい攻防が続く。互角の戦いに見えるが徐々に押されてきたのはソフィアの方だった。流れるような連撃に反応が追いつかないのだ。

やがて限界を迎えたのか膝をつく。肩で息をしている。一方でかぐやは涼しい顔で立っていた。

勝負ありだ。

観衆はざわめいた。まさか王国最強と言われるソフィアが負けるとは思わなかったからだ。だが当の本人は悔しさよりも嬉しさの方が勝っていた。こんなにも強い相手に出会えて感謝していたのだ。

ソフィア:「参りました」

かぐや:「ありがとうございました」

お互いに礼を交わした後、握手をする。

ソフィアは興奮気味に言った。

ソフィア:「素晴らしい!まさに神業だったぞ!」

かぐや:「いえ、まだまだ未熟ですよ」

謙遜するように答える。

ソフィア:「謙虚だな、ますます気に入った!どうだ、私の国に来てみないか?きっと役立てると思うが」

かぐや:「申し訳ありません、私は既に主君に仕えておりますので」

ソフィア:「そうか、それは残念だ。だが負けてしまったことで一つ大きな問題があるのだ」

かぐや:「なんですか?問題とは?」

ソフィア:「密偵によるとだな、隣国がわが王国に攻め込む準備をしているとの情報が入ったのだ。時雄殿が王様になってくれていたら守りきれると踏んでいたのだが…」


かぐや:「なるほど、つまりは時雄君に王様をやらせたいと言うことですね」

ソフィア:「そうだ。しかし他国との争いもあるため表立って行動することはできない。そこでだ、協力してくれるのならば貴様に褒美を与えようと思っている」

かぐや:「どのようなものですか?」

ソフィア:「なんでも叶えてやるぞ」

かぐや:「本当ですか!それなら是非ともお受けしたいと思います」

ソフィア:「そう言ってくれると思っていたぞ!さすが私が見込んだ男の愛妻だな」

かぐや:「お褒めいただき光栄です」

ソフィア:「早速だが、貴殿には軍を率いてほしい。時期はいつでもよい、準備が整い次第教えてくれれば迎えの者を送る。その時に詳しく話をしよう」


かぐや:「わかりました。では後日連絡いたします」

ソフィア:「よろしく頼む。私はこれから外交について打診をしてくるから失礼する」


時雄:「ところで何を話したんだ?」

かぐや:「大したことではありませんよ。ただ時雄さんが王様になる話です」

時雄:「はぁ!?何言っちゃってんの!!」

かぐや:「静かになさい。聞かれてしまいますよ」

時雄:「すみません……」

かぐや:「とにかくそういうことですので、頑張ってくださいね」


後日、時雄とかぐやは迎えとともにお城へ向かった。

着くなり謁見の間に通された。そこには豪華な椅子に座っているソフィアの姿があった。

かぐや:「ソフィア様、参りました」

ソフィア:「よくぞ来てくれた。早速だが本題に入らせてもらうぞ。貴殿に指揮官として軍を任せる。できるな?」

かぐや:「はい、可能です。ですが兵の数が足りません」

ソフィア:「それは心配しなくていい。こちらで用意させよう」

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