剣と魔法の世界編⑫
時雄は女の子を連れた男の後を追っていた。そして背後に迫り袈裟切りで両断し女の子を救出できた。それを見届けて安堵していると後ろから怒鳴り声が聞こえてきた。
「やっと追いついたぞ!貴様、覚悟はいいか?『月明かりの女神』相手にふざけたことを、仲間に手を出したことを死んで後悔しやがれ!」
女の子:「この人は違うの。この人は…」と言いかけたが怒りに我を忘れた男性が問答無用とばかりに攻撃をしてきた。
クレンリー:「この人さらい野郎目!これでも喰らえ!」炎の剣が時雄を襲う。
時雄は必死に回避したがクレイリーの連続した突きが地面をボコボコと大穴を開け突かれた場所の地面がマグマの様に溶解してるほどの熱さだ。
時雄:「ちょっと待て、何かの誤解だ、話せばわかるって…」振り回した剣からは円盤状になって回転する炎が襲ってくる。当たった物は燃え上がるか切り裂かれるかだ。
時雄:「仕方がないな…かぐや直伝、火炎陣」周りに強烈な炎が広がり灼熱とかしてクエンリーを襲う。
「俺様に火炎で挑むとは身の程しらずが」クエンリーの体が青白い炎に包まれ襲っていった炎を吸収し掌をこちらに向けたかと思ったら膨大な量の青い火の玉が襲ってきた。「俺の炎はちょいと熱いぜ」ハイテンションで攻撃してくる。
もはやかわし切らなくなり盾を使って受け止めたが蒸発してしまう。
時雄:「なんだこの強さは…ハンパねーな、かぐやちゃんといい勝負かも…だとするとかなりピンチだな」
クエンリー:「お前も大概強すぎるぞ!子悪党だと思ったが中々だな。どこからでもかかってこい」
時雄:「そんな事を言われたって困るけどな……こうなったら例のアレしかないな。『天照』じゃないのが心配だが‥いけー飛ぶ斬撃‥必殺『飛翔刃』」無数の斬撃がクレンリーを襲ったが炎の剣ですべて叩き落されてしまった。
クエンリー:「ハァハァ、こいつがここまでやるとは、しかしこれで終わりにしてやる『炎の…』」突然背後からクエンリーの後頭部が木の棒で叩かれクエンリーが攻撃を中止
クエンリー「痛たー。何すんだよ」
女の子:「クエンリーの馬鹿!この人は私を襲った一味じゃないって言ってるでしょ!」
クエンリー「え!本当か」頭を摩りながらキョトンとしてる。
女の子:「クエンリーさんの勘違いよ!この人は私を助けようと戦ってくれてたんだから!」
クエンリー:「ま、まじか……オイラとしたことが……」
彼は急に恥ずかしそうに頭を掻いた。燃え上がっていた青白い炎が徐々に鎮まっていく。
時雄:「ふぅ……どうやら誤解は解けたようだな」
女の子:「ほんとに申し訳ありませんでした!クエンリーも悪気はないんです!ただ馬鹿なだけで‥」
彼女は深々と頭を下げる。栗色の長い髪が肩から零れ落ちた。
クエンリー:「すまんな兄ちゃん。謝っても謝りきれねぇぜ……」
彼は巨大な剣を地面に突き立てながら言った。「オレはクエンリー・ヴァルド。『月の女神』てゆうギルドの一員だ。こいつは……」
「アリーシャです。見ての通り捕まってましたがこの人……時雄さんに助けてもらったんです」彼女は手首の縄痕を示しながら説明した。
時雄:「まぁまぁ気にするな。俺も誤解された時は結構ヒヤッとしたけど」
クエンリー:「ところで兄ちゃん強いな!あの“飛翔刃”ってのは一体どんな技なんだ?」
時雄:「えっと……簡単に言うと空間を切り裂く斬撃だな。かぐやっていう人にに教わった技の一つだが」
クエンリー:「ええっ?あんな技使える奴がまだいるんだ!?大したもんだ」
注釈:アリーシャ:19歳 長髪の美少女 クエンリーと共にドラゴンを討伐する旅の途中だ 彼氏募集中
クエンリー:「しかしアリーシャを助けてもらってありがとな……お礼でもさせてくれ!」
突然彼は巨大な剣を肩に担ぎ上げた。
クエンリー:「よし!オレの奢りで一杯やろうぜ!」
アリーシャ:「ちょっとクエンリー!また酒飲みモードになってるよ!」
時雄:(この人……普段はいい奴っぽいんだな……)
だが断る理由もなく三人は町の酒場へ向かった。
◆◆◇酒場にて◇◆◆
店員:「いらっしゃいませー」
店内は喧騒に満ちていたが一角に空席があった。
クエンリー:「さぁ兄ちゃん!座ってくれ!」
三人が着席するとすぐに飲み物が運ばれてくる。
時雄:「それでは……いただきます!」
クエンリー:「かんぱーい!!」
アリーシャ:「ぷはーっ!生き返るぅ!」
クエンリー:「ところで兄ちゃんはなんでこんな危険な森にいたんだ?見たところただの冒険者じゃなさそうだが」
時雄:「実は……かぐやに連れてこられたんだ」
クエンリー:「なにぃ!?あの災害級のドラゴン倒したっていう大魔導士と一緒に居るのかよ!話題の人物じゃねーか!」
アリーシャ:「ええーっ!?私でさえわかるわ!なんでもあのドラゴンをものとせず一撃で倒した人ですよね!」
クエンリー「そうだな。しかも一緒に住処のダンジョンも跡形もなく吹き飛ばし瓦礫化どころか巨大なクレータになってたという無茶苦茶な破壊力を持ってるということで「美しき破壊女帝」という異名までついたという‥」
アリーシャ:「そうそうそうなんですよねー。しかもあの美貌なのに彼氏もいなく男性にも興味がないと噂もあるし」
クエンリー:「そうなんだよなー。こんな男前な俺様がいるのにな。きっと理想が高いんじゃないかってみんな言ってるぜ」
アリーシャ:「そうだよね。誰も近寄らないっていうし」
アリーシャ:「ところでさっきの斬撃技もかぐやさんに習ったんですか?」
時雄:「うーん、あの技は習ったというか無理やり叩き込まれたっていうか」
クエンリー:「ええーっ!!あの人の弟子だって!?」
アリーシャ:「すごーい!私達の憧れですよ!」
クエンリー:「なるほどな……どうりであの強さなわけだ」
クエンリー:「俺も一度手合わせ願いたいな。」
アリーシャ:「何、言ってんの?あんたいっつも戦うことばかりね。まったく戦闘狂なんだから。結果なんて見えてるわよ、クエンリーは瞬殺で終わりよね」
時雄:「ハハ、手合わせなんて絶対やめたほうがいい。彼女手加減ということ知らんから‥、俺も何度失神されられたか…と言ってもあれでも手加減のようだけどね」
アリーシャ:「やっぱりそうですよね。なんか自分より強そうな敵には容赦なくて有名なんですもんね」
クエンリー:「それでもやってみたいなー。やっぱ強くなりてーよ!」
アリーシャ:「まあ、今度誘ってみてはどうかな?かぐやさんてあっさりOKしてくれるかもしれないしね」
クエンリー:「そ、そうだな。ダメもとで頼んでみようかな」
アリーシャ:「いいじゃない。でもね、聞いた話だとあの人は基本気まぐれだから気をつけたほうがいいわよ。突然機嫌が変わってひどい目にあうかも知れないから」
クエンリー:「そうか。肝に銘じておくぜ」
アリーシャ:「そうだ。この後かぐやさんの宿泊している宿でも教えてもらえないかな?」
時雄:「ああ、別に構わないが‥‥しかし、今はいないぜ!魔獣暴走の兆候があるからと討伐メンバーに入ってくれと要請がきて出かけているから。」
クエンリー:「そっかー、残念だな……」
アリーシャ:「そうですね……でも今回は諦めましょう」
三人はそのまま飲み続けた。
アリーシャ:「へぇ~!なんかカッコいい!」
クエンリー:「そういえば兄ちゃんの名前聞いてなかったな」
時雄:「時雄って言います」
クエンリー:「オレはクエンリー・ヴァルドだ!宜しく!」
アリーシャ:「アリーシャです!」
三人は意気投合し夜遅くまで話し込んだ。
一方、かぐやは討伐隊の拠点となる街に着いていた。
街の人達:「あっ!あの人だ!」「災害級のドラゴンを倒した人だよ!」「すげー美人じゃん!」「俺もあのレベルになりてー」
人々がざわつき始めるなか、かぐやは悠然と歩みを進めた。
すると一人の中年男性が声をかけてきた。
?????「お嬢さん!すいません、あなたが『神殺し』で合ってますか?」
かぐやは小さく溜息をつくと、質問してきた男性の方を見た。
かぐや:「何のことですか?」
その態度に男性は慌てて頭を下げた。
??「失礼しました!私はギルドマスターをしている者です。お名前から察するにあなたが『神殺し』で間違い無いのですね?」
かぐやは冷たい眼差しを向ける。
かぐや:「そんなことできるわけないでしょ。逆になんどお咎めを喰らったことやら‥」
かぐや:「あなた方は何か勘違いしていないでしょうか。私はただの冒険者ですよ」
そう言ってかぐやは去っていった。
時雄:「今日はここで休もう」
アリーシャ:「そうだね。もう疲れちゃったよ」
クエンリー:「おいおい、大丈夫か?まだ若いだろ」
「それよりも時雄、お前の事気に入ったぜ。俺たちのギルドに入んねーか?これでも人気のあるギルドで入りたがってるやつらは結構いんだぜ!」
アリーシャ:「ホントよね。でも時雄くんははいったほうがいいと思うな。私みたいなかわいい子も多いし強いからモテモテよ!」
クエンリー:「いや、それ自分で言うか?」
アリーシャ:「だって本当の事だし」
クエンリー:「否定はしないがな……」
時雄:「まあ、いいか。どうせかぐやちゃんもいないし」
その頃、かぐやはギルドの資料室に来ていた。
かぐや:(ふぅん……)
かぐや:「魔獣暴走の兆候……まだ未確認の魔物もいるのね」
かぐや:(これは面白そうね)
かぐやは興味深そうにページを捲った。




