表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
39/78

剣と魔法の世界編⑪

時雄は困ったように首を傾げる。「んー……説明が難しいな。神様といっても色々あるし」

かぐやは指で宙をなぞるように話す。「神様っていうより『管理人』みたいな感じかしら。この世界の均衡を保ってる存在」


タケルが目をキラキラさせて身を乗り出す。「神様と直接お話できるの!?すごーい!」

かぐやがクスリと笑い、「厳密にはね。でも気軽に会えるわけじゃないわ」


アンナの母が台所から顔を覗かせる。「ドラゴン討伐の話も凄いけど、お腹空いたでしょう?温かいシチュー作ったわよ」


「わあ!お母さんのシチューだ♪」エレナが嬉しそうに跳ねる。

アンナが弟を優しく引き寄せながら、「タケルは時雄さん達にお姉ちゃん達の昔話でもしてあげたら?」

「うん!お姉ちゃん達はね、昔から二人で冒険に行くのが夢だったんだ!」


時雄がかぐやと顔を見合わせる。「冒険好きの姉妹か……」

かぐやが小声で「だからドラゴン討伐に同行する羽目になったのね」と苦笑い。


食卓にシチューの香りが漂い始めたとき、アンナが真剣な表情で立ち上がる。

「お母さん、決めたの!ドラゴンの報酬で薬局改装する。最新設備入れて……あと」

エレナがすかさず続く。「妹達専用の研究スペースも作るんだよね?」

「えぇぇ!?」驚く母親の横でタケルが拍手する。「すげー!俺も見学していい?」

「もちろんよ!」アンナが弟の頭をポンと叩く。


時雄がグラタン皿を手にしながら問いかける。「改装費用は?土地代とか材料費とか相当かかるんじゃ……」

アンナが指を立てて計算する仕草をする。「討伐報酬と素材売却益合わせて約7000万ゴルド……敷地拡張込みでも余裕ね」

「おぉーっ!」タケルの大歓声が響く。


食事が進む中、エレナがふと時雄に耳打ちする。「あとね……地下に秘密の実験室も作ろうって姉さん言ってるの」

「秘密の?」

「うん。かぐや様みたいな凄い魔法使いのために特別な鍛錬部屋を……」

かぐやがパスタを絡めながら素っ気なく「ありがたいけど、ここは普通の薬局の方が都合いいかも」

「ええ〜?」エレナが残念そうに唇を尖らせる。


朝になりエレナ達親子は大工さんの元へ行った。時雄とかぐやは散歩がてら情報収集にギルドへ向かった。

受付嬢3号が資料を確認しながら応対する。

「災害級ドラゴン討伐の報酬は既に支払い済み……追加依頼はありません。ただ……」

かぐやが鋭く尋ねる。「『ただ』?」

「はい。最近北の森林帯で魔獣暴走の兆候が……」

時雄が深刻な顔で遮る。「また災害級か?」

「いえまだ予測段階です。ギルドからの緊急招集令がでれば……」

かぐやが冷静に分析する。「地域規模ね。討伐隊派遣レベルか」


エレナ一家が戻るとアンナが汗だくで報告。「改装プラン決めたわ!工期半年見込むから……」

かぐやが優雅に髪を梳かしながら遮る。「討伐隊参加は私が代表で行くわ」

「えっ!?どうして!?」驚くアンナ。

「貴女達は薬局立て直しが最優先。私は単独行動の方が動きやすいの」

時雄が腕組みして唸る。「かぐや……危険だぞ?だから当然俺も一緒に行くぞ!」



「一人の方が早いのよ」かぐやは艶やかな笑みを浮かべるが瞳は決意に満ちていた。

エレナが小さな声で囁く。「姉さん……あのね?かぐやさんはいつもそうやって……」

「しっ!」アンナが咄嗟に妹の口を押さえる。


夕暮れのテラスで薬草を眺めるかぐやに時雄がコーヒーを差し出す。

「単騎突入するつもりか?」

「うん。私の感知能力なら先制封鎖できる」

「でも……!」

「心配しないで」かぐやが突然背後に回り込む。「貴方達がここにいれば私も百人力。だからこそ安心して戦える」

柔らかな吐息が時雄の首筋を撫でる。

時雄:「わかったよ。くれぐれも気を付けてくれよな。もしお前に何かあったら…俺…俺は多分暴走して神様が何と言おうとこの星自体消滅さえてしまうかも知れないから…」

かぐや:「また変な脅迫する。わかってるわよ。私もお馬鹿なあなたをここに残していくわけにはいかないから」

時雄:「そうそう!俺の事は気にせず存分に戦えばいい。もし命の危機があっても神様から借りた権限で必ず助けられるはずだ。それにかぐやちゃんがピンチになったら俺が颯爽と駆けつけて君を救うから安心してほしい」

かぐや:「あなたに何ができるのかしら?お情け程度で与えられた力でどれだけやれるのかわからないけど期待はしないであげるわ」

時雄:「何ぃ?そういえばそうだったね」

かぐや:「まったく、どんくさいんだから!頑張るつもりはあるの?」

時雄:「そ、そりゃあ、あるさ!」

かぐや:「なら結果出しなさい。ほら、この私を本気で惚れさせてみなさいよ」

時雄:「えっ?俺がかぐやちゃんを惚れさせることができるの?」

かぐや:「当たり前じゃない。出来るでしょ?あなたが本気になればできると思うわ。でも、あなた自身がちゃんと努力する気持ちがあるかどうかだけどね」

時雄:「あ、当たり前だろ!かぐやちゃんに認めてもらう為なら何だってするさ」

かぐや:「ふーん。そうなんだ。なら頑張ってね」

時雄:「お、おう!任せてくれ!」

時雄は力強く答えた後、早速修練場へ向かった。

一方、その頃アンナ達は新築予定の土地を見学していた。

アンナ:「ここでいいかしら?見てみた感想はどう?」

エレナ:「うん、すごく良いと思うよ。日当たりもいいし、広さも十分あるし、交通アクセスも良好だし」

アンナ:「そうね。じゃあ、ここに建設しましょう」

エレナ:「やったぁー!ついに私達だけのお店ができるんだね!楽しみだなぁ〜」

アンナ:「ええ、私もよ」

エレナ:「それにしても、まさかあの報酬だけでこんな立派な建物を作れるなんて思わなかったわ」

アンナ:「まぁ、ドラゴン倒した甲斐があったってものよね」

エレナ:「そうだね。これから忙しくなりそうだね。早速内装デザイン決めなきゃね」

アンナ:「そうね。どんな雰囲気の店にしようか?」

エレナ:「私は可愛い感じが良いかな」

アンナ:「なるほどね。例えばどんなイメージ?」

エレナ:「うーんとね。こう花柄のカーテンとか飾ったりするといいんじゃないかな?」

アンナ:「悪くないわね。他には?」

エレナ:「あとは天井にはシャンデリアとか吊るしたりするのも素敵だと思う」

アンナ:「いいアイディアだわ。私も賛成よ」

エレナ:「それから、床はフローリングがいいな」

アンナ:「確かにその方が清潔感あるわね」

エレナ:「あと、テーブルクロスの模様も重要だと思うんだよね」

アンナ:「どういうことかしら?」

エレナ:「例えばね、こういう感じの模様はどうかな?(スマホ画面を操作しながら写真を見せ始める)」

アンナ:「うん。確かにセンス良いかも。参考にするわ」

エレナ:「それとね、お店の看板もオシャレなものにしたいんだよね」

アンナ:「そうね。看板は大事よね」

エレナ:「うん。あとは外観なんだけど・・・」


一方、時雄は修練場で必死に修行を続けていた。

時雄:「くそっ!やはり厳しいな。全然上達しないじゃないか!」

その時前方から何者かがこちらに向かって走ってきた。彼らの一人は猿轡をされ両手両足を縛られた女の子を脇にかかえてこちらに向かってくる。

そのうちの一人がこちらを見るや剣を抜き喚いている。

「そこの奴、邪魔だ」と言いながら攻撃してきたので反射的にこちらも刀で一刀両断してしまった。

「貴様!ぶっ殺す!」と他の仲間達も剣を抜いて襲ってきたのでまとめて討伐し残りは女の子を抱えてる者のみとなった。

一方、エレナ達は新店舗の設計図を考えていた。

エレナ:「どうかな?こんな感じで」

アンナ:「うーんと・・・ちょっと待ってね・・・そうだ!」

エレナ:「何?何か思いついた?」

アンナ:「ねぇ、この部分をもっと大きくしたらどうかしら?こんな感じで」

エレナ:「あっ!なるほどね。確かにこの方がいいね。それとここをこうしたら?」

アンナ:「ふむふむ。いいアイディアね。私はここの部分を変えた方が良いと思うわ」

エレナ:「そっかー。でもそれはちょっと難しいかもね」

アンナ:「そうかな?できるんじゃないかしら?」

エレナ:「そっか。やってみる価値はあるね」

アンナ:「よし、やるわよ!」

エレナ:「うん!」

二人は意見を出し合いながら内装を仕上げていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ