剣と魔法の世界編⓾
受付嬢2:「お待たせしました。こちらが報酬になります」
と言いながら布袋を差し出してきた。その中身を確認すると大量の硬貨が入っていた。
受付嬢2:「これで全部です」
時雄:「ありがとう。助かったよ」
受付嬢2:「いえ、当然のことをしただけですので」
時雄:「そうか」
かぐや:「私たちが居なくなった後どうなったのかな?ドラゴンの素材はどうしたのかな?」
受付嬢2:「はい。あなた方は災害級のドラゴンを倒されました。素材はすべて買い取らせて頂くつもりでしたが問題がございまして、その素材の量があまりにも多すぎて収納が困難な状態なのです。残りはご返却いたします」
時雄:「なるほどね。それで俺達が来た時に返せるように準備していたのか」
かぐや:「了解よ。ところで報奨金はいくらぐらいになったのかしら?」
受付嬢2:「はい。一億ゴルドですね」
時雄:「マジか?そんなに出るのか?」
受付嬢2:「ええ。災害級ですからね」
かぐや:「すごいわね」
かぐや:「ねえアンナちゃんとエレナちゃん。報酬はみんなで山分けって事でいいかしら?それに護衛の報酬は薬が売れた代金も全部あげるわ」
アンナ:「えっ?いいんですか?」
かぐや:「いいのよ。私達の役目は終わったんだから。後はあなた達が頑張る番よ」
エレナ:「ありがとうございます」
時雄:「そうだな。俺も同じ意見だ。お礼と言っては何だが、これからも宜しく頼むよ」
かぐや:「ええ、こちらこそ」
アンナ:「はい!」
エレナ:「はい!」
受付嬢2:「皆様のお陰で被害を最小限に抑える事ができました。本当に感謝しております」
かぐや:「いいのよ。それより、報酬の件なんだけど、お金以外にも欲しいものがあるんだけど、用意できないかしら?」
受付嬢2:「どのようなものがよろしいでしょうか?」
かぐや:「そうね。例えば魔道具とか、武器とか、防具とか」
受付嬢2:「分かりました。何とかします」
かぐや:「頼むわね」
受付嬢2:「はい。かしこまりました。では、お待ちください」
かぐやは別の部屋に案内された。時雄は残って、アンナとエレナに話しかけた。
時雄:「二人とも、残ったドラゴンの素材がどのくらいで売れるか調べてみて」
アンナ:「わかったわ」
エレナ:「はい」
アンナとエレナはギルドを出て街中にある鑑定士のところに向かった。時雄はギルドの中で待つことにした。
時雄:「しかし、ドラゴンか‥懐かしいな」
時雄:「そういや、二人はどこに行ったんだろう?」
しばらく待っていると、アンナとエレナが戻ってきた。
アンナ:「ただいま」
エレナ:「ただいま戻りました」
時雄:「お帰り。どうだった?」
アンナ:「ええ。あのドラゴンの素材はかなりの額になるみたい。全部合わせると五千万ゴルドくらいになるそうよ」
エレナ:「はい。そうです」
時雄:「すごいな」
アンナ:「でも、全部売るわけにはいかないわ。私たちが使う分もあるし」
エレナ:「そうですね」
時雄:「そうだな。じゃあ半分ずつにしようか?」
かぐや:「そうね」
アンナ:「分かりました」
エレナ:「はい」
こうして、一行は半分ずつ素材を受け取る事になった。そして、残りのドラゴンの素材は全部売り払うことになった。
その日の夜、四人は宿の一室で打ち上げをしていた。
時雄:「乾杯!」
一同:「乾杯!」
時雄:「いやー、まさかこんな事になるなんて思わなかったな」
アンナ:「ほんとそうよね。私達は運がいいわ」
エレナ:「そうですね」
時雄:「これからどうするんだ?」
アンナ:「そうねぇ。一度故郷に帰ろうかなと思ってるんだけど」
エレナ:「私もです。まとまったお金も入った事ですし家でも建て替えようかなっとでも思っています。」
時雄:「そうか。そりゃいいな。俺達も一緒に帰ろうか?」
アンナ:「え?いいの?」
時雄:「ああ。問題ないぞ」
エレナ:「嬉しいです!」
時雄:「あとはかぐやちゃんと相談だけど、ドラゴンを倒した英雄扱いされても面倒だし」
かぐや:「そうね。目立ちたくないし、厄介な事になる前にさっさと行っちゃいましょう」
時雄:「だな」
アンナ:「わかったわ。明日、支度を整えて明後日出発しましょう」
エレナ:「はい!」
かぐや:「よろしくね」
翌朝、四人はそれぞれ準備をして昼前に出発した。
街道沿いの道を歩いて行くと、途中で森の中に迷い込んでしまった。
かぐや:「あれ?おかしいわね。この辺は通ったはずなのに」
アンナ:「確かに見覚えがあります。でも、あっちに行っても街には繋がらないと思います」
時雄:「そうなのか?」
アンナ:「はい」
かぐや:「大丈夫よ、ちょっと怖いかもしれないけどがまんしてね」といいつつアンナを抱えて空中に浮いて辺りが一望できるようにした。
「アンナちゃん、これで方角解るかな?」
アンナ:「はい!少々お待ち下さい」
アンナは空高く舞い上がり辺りを見回した。そして地上に戻ってくると言った。「あちらの方角が街の方向みたいです」
かぐや:「わかったわ、面倒だからエレナちゃんも一緒に連れてこのまま飛んでいくわね。」
「時雄は走ってついて来てね。見失わないでね」といいつつとっとと飛んで行ってしまった。
アンナは恥ずかしいやらびっくりやらで声が出ない。
時雄は「ああ、そういう事だよ。俺は置いてかれたんだな。しょうがないか」とボソッとつぶやいた。
時雄は言われた通り後を追いかけた。途中、何度か休憩しながら走り続ける。
時雄:「はあ、はあ、はあ、ついてくるだけでこんなに疲れるものなのか?」
アンナ:「だ、大丈夫ですか?」
アンナが心配そうに見ている。
時雄:「ああ、なんとかな。それよりも、早く行こうぜ」
アンナ:「はい!」
その後も何度か休憩を入れながら目的地を目指す事にした。しばらくすると見覚えのある景色が広がってきた。
時雄:「ここって確か」
アンナ:「はい。私達の故郷です」
時雄:「やっぱりか」
時雄達は村の門をくぐり抜けた。そこにはたくさんの家々があった。
かぐや:「やっと着いたわね。疲れたでしょう?」
アンナ:「はい。疲れました」
エレナ:「わたしもです」
時雄:「そうだな。俺も疲労困憊だよ」
かぐや:「これからどうするの?」
アンナ:「一旦家に帰ります」
エレナ:「わたしもです」
時雄:「じゃあ、俺も行くか」
かぐや:「そうね」
時雄達はそれぞれの家に帰った。
アンナ:「ただいま」
エレナ:「ただいま帰りました」
二人は無事に実家の門を開け中に入った。
アンナの両親は娘達の帰宅を喜んで迎えた。
エレナの弟:「アンナお姉ちゃん、エレナお姉ちゃんお帰りなさい」満面の笑みでお出迎え
アンナの母親:「お帰り。無事で何よりだよ」
アンナ:「うん。ただいま」
エレナ:「ただいま戻りました」
母親:「二人とも怪我はないかい?」
アンナ:「大丈夫よ。それより、お店の方は大丈夫だった?」
弟:「うん、変わりないよ」
アンナ:「そう。よかった」
エレナ:「私は大丈夫ですよ」
母親:「そうかい。それは良かったよ。さあ、座りなさい。そちらの方々は?」
かぐや:「初めまして、私はかぐやといいます。この子達の友人です」
時雄:「僕は時雄です。よろしくお願いします」
母親:「お前さん達、遠い所をわざわざありがとう。さあ、上がってちょうだい。ゆっくりしていくといいよ」
時雄:「ありがとうございます」
アンナ:「お母さん、先に風呂に入らせてもらうね」
エレナ:「私も入ります」
母親:「わかったわ。行っておいで。二人ともゆっくりして行ってね。時雄くんはどこで寝るの?」
時雄:「どこでもいいです。空いてる部屋があればそこを使わせてもらいたいのですが」
母親:「そうかい。じゃあ客間に案内するからついて来てくれるかい?アンナ、エレナ、あなた達はお風呂に入ったら部屋に行きなさい。お客さんが泊まる準備をしてあるからね」
アンナ:「わかったわ」
エレナ:「わかりました」
かぐや:「この子がご自慢の弟ちゃんね。ねえ君名前はなんていうの?」
弟:「僕はタケルです。お姉ちゃん達よろしくお願いします」
かぐや:「かぐやよ。よろしくね」
時雄:「時雄だ。よろしくな」
かぐやはタケルに微笑みかける。
かぐや:「タケルくんはいくつ?」
弟:「十一歳になりました」
時雄:「へぇ〜、そうなんだ」
エレン「この人達ってね凄いんだよ!災害認定されていたドラゴンをあっという間に倒してしまったのよ」
アンナ:「それでね、ものすごい額の報奨金もらってね。私達なんて何もしてないのに分け前だって半分以上も分けてくれたんだよ。だからねそのお金を使ってこんなボロ薬局じゃなくりっぱな薬局に建て替えようと思うの」
アンナ母:「ドラゴン倒したくらいでそんなにお金もらえるの?」
アンナ:「もちろんよ。ドラゴンの素材を売って得たお金は別でくれるのよ」
エレナ:「すごいですよね。おかげで神様にやりすぎだって怒られてしまったけどね」
かぐや:「まあ、仕方ないわよね」
時雄:「そうだな」
タケル:「え?神様?それって誰の事?戦いの神様みたいな人なの?」
時雄:「まあ、そんなところかな」
かぐや:「ええ、そうね」
タケル:「ふぅん。どんな人だったんだろう?」




