剣と魔法の世界編⑤
しかし帰り道では魔物に襲われることはなく順調に進んでいたのだが突如盗賊に襲われる事になった。
盗賊A「おや、こんなところに嬢ちゃん達がウロウロしていたら危ないなぁ。」
盗賊B:「だからこんなふうに悪い人達に出会っちゃうんだよ。お、それにスゲー上玉だな。こっちの女達もいい値で売れそうだ!」
時雄:「お前ら!何者だ!」
盗賊C:「俺達はこの辺りを根城にしている盗賊団『ブラックキャット』さ。見かけは綺麗だが雑魚共だな」
盗賊D「そうだぜ、俺たちは弱い者いじめは大好きだが強い者には媚びるっていう主義だからよ。命だけは助けてやるってことでどうだい?」
時雄:「ふざけんな!誰がお前達なんかに従うものか!」
盗賊A:「お、男もいたのか。しかし馬鹿だな。装備もなしにこんなとこまでくるとは大馬鹿か大物かのどっちかだな」
時雄:「うるせぇ!さっさとぶっ飛ばしてやる!」
アンナ:「兄貴、ここは私に任せて下さい」
時雄:「え?何言ってんの?」
アンナ:「私の作った薬で盗賊達を痺れさせて逃げ道を作ります。それで一気に畳み掛けましょう!」
エレナ:「お姉ちゃんの発明品ならきっと大丈夫だよ!」
時雄:「わ、わかった!よろしく頼む!」
アンナ:「では始めますね」
そう言ってアンナは注射器を取り出した。そして自分に突き刺そうとしたその時だった!
ドォンッ!!
轟音と共に盗賊が一人吹き飛んだのだ。かぐやが衝撃波を放ち盗賊をふっとばしたのだ。
盗賊A:「ぐわぁーっ!痛え!」
盗賊B:「テメェ!なにしやがる!俺たちを怒らせんじゃねーぞ!痛い目みたくねーならおとなしくしやがれ!」
盗賊C:「そうだそうだ!」
盗賊D:「文句があんならかかって来いってんだよ!」
盗賊E:「ヒャッハー!!殺してやるぜぇ!!」
盗賊F:「死ねやこらぁ!!」
盗賊G:「オラァ!!」
時雄:「ちょっ……!おま……!ちょっと待ったぁ!あんまり彼女を刺激すんな、殺されっぞ!」
俺は必死に止めるが無視されてしまう。
かぐやは激怒しており耳に入らないようだ。
かぐや:「バカばっかり。まとめて消えなさい!」そう言って彼女は両手を上げて炎を集めていく。
その炎はどんどん大きくなっていく。
かぐや:「まとめて消えやがれ!必殺、火炎陣」
かぐやが唱えると一気に盗賊を飲み込んだ。
盗賊たちが燃えていく。
盗賊A:「熱い!熱いぃ!!」
盗賊B:「助けてくれぇ!!」
盗賊C:「やめてくれぇ!!」
盗賊D:「あぁ……神様……」
盗賊E:「ひぃぃぃ!!」
盗賊F:「ぎゃああああ!!」
盗賊G:「たす……けて……」
盗賊達は苦しみながら灰になって消えていった。
かぐや:「はぁ……はぁ……終わったわ」
時雄:「すげぇな……マジでヤベぇよ」
アンナ:「やりましたね!さすがかぐやさん!」
エレナ:「カッコイイよ!お姉さん!」
二人は興奮していた。
かぐや:「ありがと。でもまだまだこれからよ。気を抜かないで行きましょう!」
エレナ:「そうだよね!油断してる間に不意を突かれても大変だもんね!」
アンナ:「はい!頑張ります!」
時雄:「まぁ確かに油断は禁物だけどさ……もう盗賊なんていないんじゃないか?」
かぐや:「油断は禁物って言ったでしょ?それと今回は相手が弱すぎて拍子抜けしただけよ。本気を出すほどの相手ではないもの」
時雄:「そうかもな……でもなんだか納得いかないんだよな……」
アンナ:「私も不思議に思いました。こんなに弱い盗賊団がどうして今まで生きていられたのでしょうか?」
エレナ:「う~ん……確かに変かも」
かぐや:「そんなことは気にせず帰りましょうよ。私は帰りたいの」
時雄:「そうだな。早く帰ろうぜ!」
かぐや:「ええ、帰りましょう」
そして俺たちは街へ帰ることにしたのだが、そこで思わぬ事態が起こることになるとは思わなかったのだ……
街に戻ってきた俺達は真っ先に冒険者ギルドへ向かった。受付嬢に事情を説明するとすぐに緊急会議が開かれることとなったのだ。
ギルド長:「君たちが例の盗賊団を殲滅したと聞いたが本当かい?」
時雄:「はい。間違いありません」
ギルド長:「なんと!まさか君達のような若造がここまでやるとは驚きだよ」
エレナ:「えへへ~♪褒められちゃった!」
アンナ:「よかったですね!お姉さま!」
時雄:「おう!俺達にも出来ることがあったみたいだな!」
俺は二人の頭を撫でながら笑いあった。
ギルド長:「ところで君たちのパーティはこの後どうするつもりなんだい?このまま盗賊退治を続けるのかね?」
時雄:「いや、それは考えてないです。というより俺たちは冒険者というよりも護衛の方に力を入れていきたいと思っているので……」
ギルド長:「なるほど……それは残念だな。君たちがいれば心強いと思ったんだがねぇ……」
ギルド長が落ち込んだ表情をするがそれは演技であることを俺たちは知っている。なぜならこの人は他人を利用する時にこんな顔をすることが多いからだ。
かぐや:「ギルド長。その件について私たちから提案があります」
ギルド長:「ほう?どんな内容なんだね?」
かぐや:「私と彼が正式にパーティーを組みたいと思います。もちろん、私達は貴方達に従うつもりはないのですが……」
時雄:「おい!勝手に決めんなよ!?」
かぐや:「黙りなさい。あなたの意見は聞いていないわ」
時雄:「ひっ……!はい……すみませんでした……」
アンナ:「……」
エレナ:「……」
ギルド長:「ふむ……君の言う通りかもしれない。私も同じ気持ちだったからね」
ギルド長は立ち上がり、かぐやに向かって手を差し出した。
ギルド長:「改めて、ようこそ我がギルドへ。歓迎するよ」
かぐやは迷わずその手を握り返した。
かぐや:「こちらこそ、よろしくお願いします」
こうして俺達は正式に仲間になったのだった。
その後、俺達はギルド長に挨拶をして宿屋へと戻った。
部屋に戻ると俺はベッドに横になり天井を見つめ考え込んでいた。それは自分のことでもあり、仲間のことでもある。
正直言って自分は全く気乗りがしない。怖いとかではなく戦えないことにストレスを感じていた。いくら手加減をしてもちょっと気を緩めると町一つ二つ壊滅させてしまう力にだ。例えるなら戦車や装甲車1~2台と戦うのに持ってる武器は核兵器ばかりという感覚だ。
しかし皆のためにも、自分のためにも何か手立てを見つけなくてはならないと思い悩み続けていたのだ。
(かぐやは神力をうまく制御して魔法のように見せかけて戦えているのに…)
天井を見つめ続けた時雄の脳裏に、ふと閃きが走った。「待てよ……神人同士で修行すれば――」
彼は飛び起きると窓を開け放った。夜風が汗ばんだ肌を撫でる。かぐやの部屋の方角へ目を凝らした。
「かぐや!話がある!」
廊下に響く呼び声。扉が開き、薄紫のネグリジェ姿のかぐやが眉をひそめた。
「深夜に女性の部屋へ押しかけるのは感心しないわね」
「すまん。でもどうしても訊きたいんだ。神力ってどうやって抑えてる?」
かぐやはため息をつきながら廊下の椅子を勧めた。蝋燭の灯りが揺れる室内で、時雄は膝を突き合わせた。
「あなたの力は……“暴”ね」かぐやは鋭く言い放った。「岩を砕く金棒しか使えない拳闘家のようなもの。対人の技量がまるで育っていない」
「やっぱりそう見えるか……」
「エレナの前でああ振る舞うのも限界があるでしょう。彼女はあなたの強さを知りたがってる」
エレナの瞳を思い出し、時雄は唇を噛んだ。昼間の惨劇――かぐやが盗賊を焼き払った直後、震える指で時雄の袖を掴んだ少女の姿が脳裏をよぎる。
「なあかぐや。俺も魔法みたいに……」
「無理よ」かぐやは即答した。「神力は本来“災害”レベルのエネルギー。あなたの場合――」
言葉を切った彼女の目が微かに潤んだ。蝋燭の影が彼女の表情を複雑に歪める。
「さらにそのレベルすら凌駕する力なのよ。ヒメカちゃんも言ってたでしょ。チートすぎるほど強すぎるって」
「私だってあなたほどの力があったら制御できる自信なんてない」
「でも大丈夫よ。私を守りたいのだろうけど私の力でさえこの世界では無双できる程だから、今は私にもどうしていいかわからないのよ。その事はこれから考えていきましょ。だからあなたは見ているだけでいいの」
時雄:「わかった…悔しいけど今は見守るだけにしとくよ。」
「ありがとう」とかぐやは少し笑いながら言うと「少しは素直で可愛いとこあるのね」と言ってウィンクして時雄の耳元でささやくように
「でも時々は見せてくれないと寂しいかもね♡」




