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修羅の国編④

かぐやが岩壁に映る炎の影を見つめながら深いため息をついた。「どうしても刀が欲しいなら……」彼女が腰の刀『凍牙』を軽く叩く。「あなた自身で神力武装を作ってみれば?」

「自分で作る?」時雄が目を丸くする。

「ええ。私はあなたの魂の一部を媒体に体を作った。つまりあなたには既に基礎的な神力武装を作れる素質があるはずよ」

時雄が嬉しそうに飛び跳ねる。「マジかよ!早速やってみようぜ!」

かぐやが慌てて手を振った。「待って!適切な訓練なしに神力武装を作るのは危険よ。下手をすれば暴走するかもしれない」

「大丈夫だって!」時雄が自信満々に両手を前に突き出す。「俺の潜在能力を舐めるな!」

彼が神力を集中させると、両手の間で青白い光が渦を巻き始めた。しかし次の瞬間―

「うわっ!」光が突如として爆発し、時雄の体が後方に吹き飛ばされた。

「だから言ったでしょ!」かぐやが即座に駆け寄る。

「私が力を貸せるから」といって時をの背後に回り覆いかぶさるように体を密着させ手を伸ばし掌を時雄の手の上にのせた。

「さあ、刀のイメージをして!」

しかし背中越しにかぐやの胸の感触とかぐやの顔がまじかにあることで妄想だらけで集中できない

「ちょ……かぐやさん?そんなにくっつかなくても……」時雄の顔が紅潮する。背中に感じる柔らかな感触と、耳元で囁かれる吐息に心臓がバクバクと跳ねる。

「集中して」かぐやが厳しく言い放つ。「刀のイメージを具体化するのよ」

「でっでもさあ!おっぱいが!おっぱいがさあ!!」

時雄が思わず振り返ろうとすると、かぐやの手が強烈な力で彼の後頭部を押さえつけた。

「邪念を払いなさい!修行なのよこれは!」

「いやぁ無理ぃ!こんなん修行じゃなく拷問だろぉ!!」

時雄がもがくが、かぐやの拘束は鉄のようで動けない。かぐやが真剣な眼差しで彼の手のひらを見つめる。

「神力はイメージ通りに具現化する。あなたが思い描く『理想の刀』を明確に想像して」

「でもお前のおっぱいで邪魔されてさぁ~」

「……これ以上馬鹿なことを言ったら懲罰房送りにするわよ」

かぐやの声が氷点下まで冷え込み、時雄はブルッと震えた。仕方なく目を閉じ、意識を集中させる。


(刀……俺の理想の刀は……)

時雄の脳裏に様々な刀が浮かぶ。アニメやゲームで見た伝説の武器たち。しかし—

(やっぱシンプルイズベストだよな!)

彼が思い描いたのは古風な和刀。黒檀の柄に龍の彫刻が施され、刃紋は波打ちながら紫電を纏う幻影が走る様子。

「くっ……!」

時雄の両手の間で神力が渦巻き始める。青白い光が徐々に収束し、形を成そうとしていた。だが次の瞬間―

「痛ッ!」

右の掌に小さな焼け爛れたような感覚が走り、神力の波動が乱れた。

「エネルギー制御が甘い!」かぐやが叱咤する。「もっと均等に圧力を分散させて!」

「そんな難しいこと言われても!」

時雄が焦ると、神力の光が暴走して爆発寸前まで膨張する。

「ばか!」

かぐやが咄嗟に自分の神力を注入した。二人の光が融合し、過剰なエネルギーが吸収されていく。

「ほら!集中を切らさないで!」

再び神力が安定し始め、刀の形が鮮明になる。柄、鍔、刃紋が次々と具現化されていく。

「よしっ……!」

時雄が歯を食いしばった瞬間、金色の稲妻が走り抜けた。完成した刀が宙に浮かび上がり、時雄の手に吸い込まれるように収まった。

「はぁ……はぁ……完成した……?」

時雄が震える手で刀を掲げる。黒檀の柄に紫電の刃紋が美しく輝いていた。

「……素晴らしいわ」かぐやが驚いたように目を見開く。「初回でここまで精度の高い神力武装を作るなんて」

「おっしゃあ!でもなんだこれ?柄の部分にかぐやの裸が描かれて…もしかして邪念のせいか?」


かぐやの顔が瞬時に真紅に染まった。

「な、なんて破廉恥なものを……!」


時雄の手に収まった刀――漆黒の柄には確かに女性の裸体が鮮明に刻印されていた。艶やかな曲線を描く鎖骨、滑らかな腰のライン、そして豊かな胸元……完璧に再現されたかぐやの裸身だった。


「いやー悪い悪い! 集中してたせいで無意識に……」

「無意識ですって!?」

かぐやが刀を奪おうと手を伸ばすが、時雄は素早く後退して柄を握りしめる。

「待てよ! これ結構気に入ったぞ!」

「馬鹿なこと言わないで! 破棄しなさい!」

「せっかく作ったのに勿体ないだろ! しかもお前のおかげで完成したんだし!」

「それは確かに……」

かぐやが一瞬躊躇した隙に、時雄がにやりと笑って刀を掲げる。

「名前は『天照』! 厄除けのご利益ありそうだろ?」

「勝手に名前をつけるんじゃない! むしろ災いの権化じゃないの!」

かぐやが神力を込めた拳で刀の柄を叩くが、表面に亀裂ひとつ入らない。

「無駄だぜ! この刀は俺の神力とお前の補助が融合した最強武器なんだからな!」


その時――

刀の刃紋が突然紫色に発光した。空間を切り裂くような鋭い閃光が走り、前方の岩壁を一直線に両断する。崩れ落ちる岩石の山を見て、かぐやの目が見開かれた。

「……信じられない。こんな威力が……」

「へへっ」時雄が得意げに鼻をこする。「邪念パワー恐るべし!」

「邪念じゃないわよ!」かぐやが即座に訂正する。「あなたの基礎神力に私の補助が作用した結果よ。あの不埒なデザインはともかく……」

彼女が刀に触れた途端、柄の裸体模様が徐々に薄れていく。

「……よし。邪念成分だけ抽出できたわ。もう普通の刀よ」

「えー! 取っちゃうなよ!」

「却下です。戦闘中に気が散ったらどうするのよ」

かぐやが真剣な眼差しを向けた。

「あとついでにかっこいい戦闘服もいいな。かぐらが使ってた換装って俺にも使えんのかな?」


「戦闘服?」かぐやが時雄の刀を矯めつ眇めつ眺めながら聞き返した。「別に必要ないと思うけど」

「いやいやいや!」時雄が猛烈に首を振る。「お前みたいなエッチな戦闘服じゃなく! 俺にはもっとこう……漢らしい奴が似合うんだよ!」

かぐやの眉がぴくりと動く。

「私の戦闘服がエッチですって? あれは戦闘効率を極限まで追求した結果よ。筋肉の可動域を確保しつつ装甲パーツで急所を守る――」

「わかってるよ! でも俺のはもっとシンプルでゴツいやつがいいんだ!」

時雄が刀を床に突き立て、胸を張る。

「よく勇者が着るようなタイプで腰に差した刀がカッコよく決まるデザイン!」

「……あなたらしいわね」かぐやが呆れたようにため息をつく。


かぐやが空中に神力を集中させる。白銀の粒子が渦を巻き、時雄の体の周りを取り囲んだ。


「ちょっと!何すんだよ!」

「静かにして」かぐやが冷たく言い放つ。「換装プロトコル開始」

粒子が時雄の皮膚に溶け込んでいく。革ジャンが光の粒となり分解され、新たな衣服が形成されていく。黒地に赤い縁取りが入った戦闘服だ。両肩には鷹の羽根を模した装甲が装着され、胸元には金色の龍の紋章が浮かび上がる。

「おお……!これこそ漢の服だぜ!」

時雄が歓喜の声を上げる。腰に差した『天照』が完璧にフィットし、全体に無駄がない。

「でもなんでこんな細かい設計が……」

かぐやが微かに頬を染めて答える。

「……あなたの潜在意識を解析しただけよ」

(ずっと見てた……?)

時雄が疑問を口にする前に、かぐやが本題に入る。

「さて」

しかしそれをさえぎり質問した

「しかしさアニメとかだとこう、なんていうか服が変わる時って一瞬裸になるじゃん。換装って裸にならないの?」

かぐやの顔に困惑の色が浮かんだ。

「……そんな下劣な妄想はやめてください」

「え?でもほら、アニメとかではだいたい……」

「神力による換装は物質の構造変換技術です。原子レベルでの再編成なので裸になる暇などありません」

「なるほど……つまり?」

「あなたの想像しているようなものは一切起きません」

(そういえば俺の妄想って筒抜けなんだっけ……こういうとこ本当に厄介だな、かぐやちゃんの裸体見たかったな‥あっやばい)時雄の心の声が途中で濁った。

「つまりあなたの妄想が期待するようなことは一切起きません!」

時雄が『天照』を着て満足そうだが…背中には羅夢ちゃんの写真画像が描かれていた

かぐやの顔が見る見るうちに茹でダコのように染まる。彼女の視線が時雄の背中あたりで停止し、指先が微かに震えていた。

かぐやの指先が刀柄に触れようとした瞬間、時雄の背中で羅夢の画像が明滅し始めた。地獄であった鬼娘の姿が、彼の戦闘服の背面全体に広がっていた。

「ちょっと待って!これは……!」

時雄が驚いて振り返るが、羅夢の可憐な笑顔が視界を埋め尽くす。

「あなたって人は!」かぐやが真紅の顔で刀を奪い取った。「こんな不埒なデザインまで自動生成するなんて……!」

「いやいや、ちょっとまて。刀と違って今回俺は何もしてないよな。デザインはかぐやだろ」


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