神を名乗る者
「オーランドという政府は表向きは民主政権をとってますが裏で支配しているのが政府ではなく、自分の事を神だと名乗っている人物です。オーランド軍のトップはルイ・オーランドという人物で彼の父親が現首相を務めており政治家としても活躍しています。そして巨大な工場を経営しているCEOでもありますしかしその裏で暗躍しているのが彼の息がかかった最強のサイボーグ部隊であり素質のある若者を攫い洗脳し改造手術を行い自分の手足のように使っています。工場は人気のない砂漠な中に建てられていて何を作っているのかも不明です。工場周辺は警備隊が常時監視しており警告を無視して立ち入ろうとするものは容赦なく射殺されてるという話です」
「偽りの神か‥」と高柳はいった。ホビーとリリィは「偽りの神?聞いたことないな……」と呟く。
「とにかく、今のオーランドの独裁状況を崩すためにも工場の秘密を探りたいのです」リリィが続けた。
「それは解りましたが。それだけですか?他に何か理由はあるんじゃないんですか?」時雄が質問する。
「んー、まぁそうだな。さっきも言いましたが強制はしません。個人的には、私はこういう非道な行いをしている者達が許せません。みんなが平和に楽しく暮らせる社会を作りたいんです」リリィの目は真剣そのもので本気のようだ。
「そうでしたか。わかりました。協力します。何をすればいいですか?」
「まず、オーランドに拉致されている人々を救出して保護してほしいのですが可能ですか?」
「拉致された人を救出ですか……?」高柳が聞き返す。
「はい、そうです。工場に捕らわれている人達を解放して欲しいのです」とリリィが真剣な表情で訴えかけてくる。
「え?そんな事が出来るんですか?そもそもどこに囚われてる人もわからないのにどうやって助け出すつもりなんですか?」
「それは私たちが調べるから大丈夫だよ」とホビーが自信満々に言った。
「いや、でもそれでも危険ですよね?それにあなた方二人だけで可能なんでしょうか?」
「そうね。しかしまずは工場を調べなくては何も動けない。それに調べるのは私達ではなく私たちの中でいや、ミュータント最強とも呼ばれる者が潜入するからきっとうまくいくさ」とリリィが少し誇らしげだ。
ホビーも得意気である。
「本当なのかよ?」と疑いの目で見る。
「まあ、実際に見てもらったほうが早いかもしれないわね」リリィはどこか含みのある言い方をしていた。
「じゃあ、明日工場に潜入するんであなた達は大船に乗った気で待っていてください。きっと役に立つ情報を持って帰ってくると思いますから」とリリィが言う。
その時、サイボーグの男性が目覚めた。手当はしてあるが動ける状態ではない。早速リリィが洗脳を解くことに専念し始めた。
しばらく時間が経った時、突然手が止まった。「何?これ!こんなの見た事ない」リリィが驚愕した様子だ。
「どうした?何かあったのか?」と尋ねる。リリィが振り返って答えた。
「解けない!どんなにやっても元に戻らない。どうしよう……」と困っている様子だ。
「ただ少しだけ話してくれた。ただし敵側の人間としての話だが」
「その前に彼の名前くらい教えてもらえないかしら。サイボーグの人って呼ぶのもねえ」と高柳が尋ねる。
確かに他人行儀過ぎるのも気になる。
「確かにそうですね。彼の名はリョウと言います。そして工場は兵器製造のために建てられた施設であるらしいということです。リョウによると工場についての情報はほとんどなく詳細は分からないそうです。そしてオーランドがなぜ工場を作ったのかも謎に包まれていると言っていました。あとは……リョウは洗脳を解くのは難しいから早く逃げた方がいいと忠告されました」とリリィが話した内容をまとめるとこのような感じであった。
「ただ工場にはサイボーグやAIアンドロイドもいるそうです。ただそれ位ならうちの仲間なら対処できるでしょう」と自慢げだ。
「ちなみに潜入する最強のエスパーってどんな人なんです?」山川が尋ねた。
最強といわれる人物に興味津々のようだ。
「私の弟よ。名前はレン・ミンクスっていうの。まあ、明日になってみないと会えないからね」と笑顔で答えた。
「それにしてもレンってどういう奴なんだ?見た目も年齢も気になる」と時雄は言うが、
「実は私も詳しいことは知らないんだよ。昔から弟はミステリアスというか。でも私と同じ超能力者よ」
「じゃあ、お前らは兄弟揃って超能力の使い手なんだな。なんか凄えな」と感心している。しかしどうしてこんな話をしているんだろう?
「ああ、ごめんなさい。さっきの続きをするわね。レンはエスパー能力が非常に高く言い方が悪くなるけどまさに化け物という言い方がしっくりくるほどのサイキッカーなのテレキネシスやテレポート能力は特にずば抜けてるわ。他にも色々使えるけどね。」
「しかし、そのレンっていう方ってあなたの弟さんって事は中学生いや、小学生かもって事よね。いくら能力値が高くても若すぎやしません?」と山川は不審げだ。
確かに疑問には思うだろう。
「何言ってるの?弟は今年34歳よ。今は10歳くらいの見た目だけどね。成長するにつれ時折能力値が急激に低下したり成長したりして見た目が変化する特殊な病気を患ってるの」と説明。
「え?じゃあ、あなたも年齢を偽ってるの。さっきはあなた高校1年生って言ってたわよね それに見た目はどう見ても小学生だし‥ さっきの見せてもらった学生証って本物なの?」と高柳が質問攻めだ。確かにそうだ。今までは子供扱いするな的な主張だと思ってたのだが……。
よく考えてみれば違和感を感じる点が多い。
「やっぱり気になるわよね。嘘ついててごめんね。学生証も本物じゃないけど許可取ってあるのよ。でも安心して。私は42歳で成人してるからね」
「ええー!!まぢでぇー?ホントなの?冗談じゃなくて?嘘じゃないよね」と山川のテンションが一気に上がった。
「ほんとほんと。確かに身長低いけど」と笑いながら答えている。
「48歳か。まじか。おばさんじゃねーか。しかし…見た目はどう見ても子供だもんなぁ」と時雄も納得していた。
確かにこれは認めざるを得ない。
「何よ。その言い方!もう少し年上の人に対する敬意というものがないのかしら」と高柳が怒るが
「いいのよ、むしろ年齢よりも若く見えると言われるのは嬉しいものだし。それよりもさっきの工場での調査はどういう風にするつもりなの?」とリリィが促す。
「ええ、その話なんだけど‥」とホビーが話し始めた。
「まず、内部に侵入する事自体が非常に危険なんだ。工場周辺には高い塀で囲まれており中が良く見えない。中では屈指の実力を持ったサイボーグ、アンドロイドなどが警備してる。」と答えた。
「さらに工場は砂漠地帯にあり外部の人間は丸見えな上、工場エリア外でも大体10キロ圏内は立ち入り禁止となっており常時監視されているのだ。圏内に立ち入った者が警告を無視して立ち入ろうとすれば容赦なく射殺されるという徹底ぶりだ。」と深刻な顔で話す。
「さらにESP対策も万全でテレポートなどを使用すれば即座に感知されるだろう」
「そんな感じだから私達では不可能ってわけさ」とリリィが補足する。
「となるとレンさんが潜入するしか方法はないというわけね」と山川が納得する。




