レジスタンス『平和な大地』との出会い
「で、こちらのお兄さん。名前は何ていうんだ?」
「時雄だ」
「おぉ、日本と言う所から来たのか。聞いたことがないがもしかすると異星人か?」と興味津々のようだ。
「まあ、そんなところだ。それよりもオーランドって?」
「そうだな、簡単で言えば独裁国家で支配する側の人間とされる側の人間の違いが大きい。表面上は周りをみれば解ると思うがみんな普通に暮らしている。みんなが今は平和だと思っているんだ」と説明してくれた。
「だが裏では…お前も襲われたから気づいたと思うが人格制御装置で一人一人の行動がすべてコントロールされていて記憶はすべて監視または書き換えられているんだ」
「なるほど、でそのオーランドっていう奴らと敵対してるのがあなた達『平和な大地』という訳ですか?」
「うん、その通り!」リリィが答えた。
「じゃあ、仲間が増えて良かったじゃないですか」
「うーん、ちょっと違うのよね」と苦笑いしながら首を横に振る。
「そもそも、私たちは反オーランドなんだけど思想的には自由主義なのよ。だから、無理矢理協力するのは良くないと考えてるから強制参加を求めるつもりはないわ」
「そーなのよ。だからあなたも無理強いしたりしないでほしいのよね」
「ああ、わかってる。俺もどちらかといえば協調性のある方ではないからな」
「あの、すみません。さっきから話は聞かせてもらってますが、あなた方はなぜ人格を操作されないのですか?」と尋ねる。
「私たちはこう見えてもミュータント、いやエスパーといた方が解りやすいかな?だから脳内にバリアのようなものを張ってるからね。でもあなたは違うみたいね。」
「まあ、普通の人間とは違うからね。まあ、でもあなた達と似たような者だよ。意識しなくてもブロックできてるだけだから」と答えておいた。
「ところでそいつはどうするんだ?」と倒した青年をみる。
「アジトへ連れて帰って手当と洗脳を解けるかやってみたいけど解けなかった時にはアジトの場所が割れるのはまずいからね。とりあえず安全な場所に連れて行くつもり」とリリィが話す。
手伝ってくれと言われたのでとりあえず手伝う事になりその場を離れようとした時、
「とうとう見つけたわよ!」と叫ぶ声が聞こえた。声の方を見ると…
「(ゲッ、しまった!見つかっちまったか…)」と焦り顔になる時雄。高柳、天川の姿があった。
「時雄くん、ついに見つけたわよ!」嬉しそうな顔をしている。
「何かあったんですか?戦闘があったように見受けられますけど?怪我をしたんなら治療しますよ?」と尋ねてくる。
「いや、それは大丈夫だがこっちに来るな!」と叫ぶ。
「え、なぜですか?」と不思議そうな顔をしていたがすぐに気付いたようだ。
「あ、あれって!」と目が点になったまま固まってしまった。それもそのはず、そこにはロリっ娘とイケメンの二人組がいるのだ。そりゃビックリするだろう。
時雄も一瞬驚いたがすぐに平静を装って話しかけた。
「この人たちは敵じゃない。逆に協力してくれる人たちだ。だからそんな怖い顔をしないでくれ」
「は、はい……」と納得していない様子だったがとりあえず落ち着いてくれた。
「それよりもよくも私達を差し置いて勝手な行動をしてくれたわね。どうやってお仕置きをしてやろうかしらね」と高柳の笑顔が消え怒り気味だ。
確かに自分たちだけ抜け駆けしたような行為をされたらいい気持ちはしないだろう。
「すみません、自分でも反省してます。なので許して下さい」とペコリと頭を下げて謝罪をした。
「まあ、今回はデートだけで許してあげましょう。ただし次はないと思えよ。」とすごみのある顔で睨まれる。
「いやいや、デートって何?それとこれとは…」
と反論しようとしたが、遮られた。
「わかった、わかりました。今度ぜひお願いします」と言って渋々了承した。
「それとその人、誰なの?」
「この人たちはさっき話した『平和な大地』という組織に所属しているリリィさんとホビーさんという方達なんだ」
「はじめまして、私は高柳響子といいます。こちらは天川アカリといいます。よろしくお願いいたします」
「よろしくです」と天川も挨拶をする。
「はじめまして。私はリリィです」と微笑む。
「俺はホビーだ」
「実は私達はこのオーランドという独裁国家に対抗しているレジスタンス活動をしている組織なんです」とリリィが説明する。
「そうなんですか……それでその為に活動をしていらっしゃるのですね。でも、その活動のせいで我々の仲間が傷ついたり苦しんだりしたら私は黙っていられません。必ず阻止します」
「あと、ひとつ聞きたいんだけどこいつはどうするつもりなの?」と足下で伸びてる男を指差す。
「そいつはオーランドのサイボーグ兵だ。オーランドに捕まって洗脳されていたんだがこっちの時雄が倒してくれたんだ。洗脳されてたから記憶もないみたいだし俺達が責任を持って預かるよ」とホビーが説明した。
「はー?オーランドって何?洗脳て何?」とパニックになっている。無理もない反応ではあるのだが……。
「えっと、それについては詳しく後で説明するけど簡単に言うと独裁者を崇拝し従わせるために国民の思考を操っているような組織ですね」と答えた。
「なんかSFみたいな話ね。でも今の世の中ありえない話じゃないかも」高柳の目の色が変わってきた。興味深々の様子だ。
「とにかく今はこのままにしておいて俺達と一緒に来てもらう。ここで騒ぎを起こしても面倒だしな」
「はい、わかりました。これからどうすれば良いですか?」
「とりあえず俺の車に運ぶから手伝ってくれ」とホビーが指示を出す。手分けをして青年を車に運び込む。そして一行はホビーが運転する車で移動することにした。
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車の中で改めて自己紹介をする。
「私は高柳といいます。こっちは友達のアカリです」と紹介される。
「私はリリィって言います。よろしくね!そしてこっちがホビーです」とリリィが答える。
「よろしく。ところであんたらは何の用があって来たんだ?」
「実は時雄が先日謎の組織に拉致されまして、それで助けに行こうと思ってここまで来ました」と高柳が笑顔で答える。
「え?俺拉致されたの?別に来なくても良かったのに…」とぼそっと言う。高柳に睨まれた。「ごめんなさい!」と慌てて謝った。
どうやら聞こえていたらしい。地獄耳というやつだろうか。
「ところでリリィさんは何歳なんですか?」
「いくつに見える?」逆質問が返ってきた。
「うーん、見た目は小学生ぐらいですね。でも言動はしっかりしている感じなので中学生ってとこですか?」
「ぶっぶー!残念!高校一年生でした!」
「え?高校一年生?嘘でしょ?」
「ホントだよ。ほら」と言って学生証を取り出し見せてくれる。確かにそこには16歳と記載されていた。時雄以外は驚きのあまり固まってしまっていた。
「まあ、私が若く見えるっていうのは嬉しいけどね。これでわかったかな?」
「あ、はい」とようやく正気を取り戻したようだ。
その後、ひっそりとした廃墟らしき場所へ到着した。さすがに敵に洗脳された者を連れてアジトへは戻れないからだ。
「それはそうとあのサイボーグの彼の容体はどうなりました?」高柳が唐突に聞いてきた。少し気になっているみたいだ。
「ああ、彼ですか?とりあえず命に別条はありませんが、まだ意識は戻ってません。無理にでも起こそうと思えばできますけど」ホビーが答える。
「いえ、そっとしておくことにしましょう。彼にとっても休息は必要でしょうから」高柳が優しく笑いかける。
「わかりました。じゃあこのまま様子を見ることにします。それよりさっきの話の続きをしたいんですけど良いですか?」リリィが質問してきた。さっきの話というのは恐らくオーランドに関する事だと思う。
「そうですね。私達も聞きたいことは色々ありますがまずはそちらの事情からお伺いしたいです。協力するにあたりお互いの状況を把握するのは大事ですからね」と高柳が同意した。
「じゃあ、順を追って話すと長くなるので要点だけ説明しますね」とリリィが前置きをしてから話し始める。




