女だけの世界41
アリア:「それはなによりだ。ところで……」
「こことオリンピアまでの通り道に大きな山があるんだが…」
かぐや:「山?」
アリア:「そうだ。とても大きな山だ。標高5000メートル程の大きな山だ、ここからも見えるだろ、ほらあの山だ」と窓から指をさした。
羅夢:「ああ、確かにあるな。それがどうしたんだ?まさか魔物退治か何かか?」
かぐや:「そうでしょうね。しかし日本の富士山より高いのね。オリンピアには遠回りね。」と額に手をかざし見ている。
アリア:「いや、魔物退治ではない。あの山が邪魔なので吹き飛ばしてほしいのだ」
羅夢:「いやいや、吹き飛ばすって…できる訳ねーだろ!」
アリア:「いけるはずだ。お前たちは神人級の力を持っている。ならば造作もないだろう」
かぐや:「いや、造作もないって……。でも、できなくはないかな‥」
アリア:「やはりそうか!」
かぐや:「ええ、できなくはないですが……」
アリア:「なら決まりだな!」
羅夢:「何がだよ!」
アリア:「お前たち二人にあの山の撤去を命じる!」
羅夢:「おい!ふざけんな!そんな面倒なことをなんで私らがしなくちゃいけねーんだよ!断るにきまってるだろ!」と抗議。
かぐや:「確かにできなくはないですがただそうなるとここも含め周辺地域の被害も甚大になりますが?」
アリア:「構わん!」と即答した。
羅夢:「おい!ちょっと待てよ!本当にいいのか?お前らの国がなくなっちまうかもしれねーんだぞ?」
アリア:「それも覚悟の上だ!あの山さえなければオリンピアまで行きやすくなるんだ!いいこと尽くめだろ!だから頼む!」
かぐや:「ええ~?」困り顔になった。
羅夢:「お前、それでいいのか?」
かぐや:「うーん、でも一応慎重にやるとはいえ下手すればこの国が滅んじゃうかもしれないし‥それに山がなくなったことで気象にも影響が出るだろうし周りの国々の思いもあるだろうし…」
羅夢:「おいおい、随分と大規模な作戦になってきてねーか?私ら二人だけだぞ?」
アリア:「それでいい。だから頼む!報酬は金貨10万枚だ!」
羅夢:「おっ!マジかよ!」と驚いてる。
かぐや:「あなた、報酬ってそんな単純なものじゃないでしょ。一応国が一つなくなるんだから」
アリア:「構わん。私は自分の信念に基づいて行動している。それを否定することは許さない!だから頼む!」
かぐや:「まあ、確かにそうなんだけど……」と迷ってる。
羅夢:「だったらさ、まずは被害の少ない方法を考えるべきだろ?例えば、まず山の岩盤を削って砂にする。それから土を運んで整地をする。そしてそのあとで海から水を持ってきて川を造ったり湖を作るとかさ」
アリア:「そんな時間がかかる方法などできるわけがないだろう!もっと迅速かつスマートにやる方法はないのか?」と尋ねてきた。
かぐや:「ん~、一番簡単な方法はエネルギー弾で吹き飛ばす事だけどそれだと火山灰みたいなチリが空を覆って大変な事になるし吹き飛ばした瓦礫類も相当だろうし」
アリア:
「それでもいいからやれ!」
かぐや:「あなた、この国が滅んじゃうかもしれないのよ?」と質問した。
アリア:「問題ない!あの山がなくなる事によってこの国は新たな歴史を刻むことができるのだ!それが国民にとってどれほどの名誉となることか!わかるか?お前たちの国も救われるかもしれぬのだぞ!」
羅夢:「そんな事を言ったってよ、お前、本当にそれでいいのかよ?この国はお前の生まれ故郷だろ?」
アリア:「そうだ、だからこそだ!」
かぐや:「え?」
アリア:「私の生まれ育ったこの素晴らしい国を守るために必要な犠牲なのだ!そしてそれはお前たちにも言える事ではないか!自分たちが生きていくために他人を犠牲にしてるではないか!」
羅夢:「おい、ちょっと待て!それは違うだろ!私たちはそんな卑怯な事をしていない!」
アリア:「違うか?今まで色々な所に行って悪さしてきたのではないのか?それで今回の依頼を成功させれば報酬を得られるかもしれないのだ!それこそ天が与えてくれたチャンスだろう!」
かぐや:「ああ、もう面倒臭い!わかりました!なるべく被害を最小限になるようにやってみます!」と投げやり気味で叫んだ。
「ただし条件があります。現在山にいる住人、登山客などを避難させてください。そして動物もなるべくたくさん避難させること。私も無駄な殺生はなるべくしたくないので」
アリア:「ああ、わかった。すぐに手配させる。だが期限は決めさせてもらう。3日以内に決行してくれ。できなければ報酬は無しだ!」
かぐや:「それはそちら次第ね。避難活動が終わり次第行動するつもりなので」
アリア:「わかった!では早速準備にかかる。期待しているぞ!」
そう言って部屋を出て行った。
残った二人は黙ってティータイムを続けた。
羅夢:「なあ……ホントに大丈夫なのかよ?」と心配そうな顔をしている。
かぐや:「さぁ、どうかしら。とにかくやってみましょう」
羅夢:「まあな、それしかないか……」
さすがに女王だけあって行動スピードが速く昼夜とわず強制的に人や動物を避難させてしまった。
そして3日後、ついに作戦当日が訪れた。山頂付近に到着した2人は早速作業に取り掛かった。まずは上空高く舞い上がり山を丸ごと包み込むように円柱のカプセルのようなバリアを張った。
これは火山の噴火口の中にマグマが漏れないようにする為だ。これによって爆発的な力を抑えることができる。また、それによって地面に沈んでいく瓦礫の量も減らせることができる。これで少しだけ被害を抑えられるはずだ。
バリアの周りでは人だかりができていた。ただの野次馬なのだが。
「一体これから何が始まるんだ?」
「どうやら女神さまが山を消滅させてくれるようだぞ!」
「ハハハ、まさかあんなでかい山をか?漫画の見過ぎ」と笑ってる者もいる。どうやら信じていないようだ。当然だろう。
かぐや:「ちょっと!アリアさま!野次馬が邪魔なんでどかしていただけますか!危険ですから!」と大声で避難を要求。
しかしアリアはそれを拒否する。
アリア:「その必要はない!」と一喝した。
かぐや:「なぜ?皆危ないって言ってんのに無視するなんてバカじゃないのか?」と罵る。
アリア:「黙れ!お前らにはわからないことだ!この神秘的な力を見せることにより妾の求心力も安泰なのじゃ!」と怒鳴り返した。
かぐや:「まったく……しょうがないわねぇ。どうなっても知りませんよ」とぼやいていたがすぐに集中し始めた。
円柱のバリアの真上に行きそこで蓋のようなバリアを作って円柱のバリアの上に被せた。
かぐや:「羅夢さん!みんなをお願いね!」そう言うと蓋を上から押しつぶしていった。
「行くわよ!かぐや流、神奥義ゴッドプレス!」物凄い力で山が押しつぶされその圧力で熱を帯び始めどんどん高温になっていく。その温度はついに一万度を超え更に上昇していく。どんどん上昇するたびに周囲の岩が溶けて蒸発していき塵となり大気中に散布されていった。
羅夢は急遽大気中に散布される塵を吸収していった。しかし、放出される塵の量に圧倒され追い付かない状況。
だが野次馬や女王達はと言うと
「スゲエ!山がペチャンコになっていく…夢でも見てんのか?」
「あっつーーーものすけー熱いが。こんな面白いもん見れんなら我慢我慢」
羅夢:「いやいや、まさか文字通りの力づくかよ。想像もしてなかったぜ、しかしバリアの外とはいえこりゃ熱いわ」
じわじわと山と言うよりも巨大な湖のようになったマグマがどんどん下の方へ潰されていく。もはや圧巻。




