女だけの世界39
「はあ?」呆気にとられる二人
「その女性達はね。もう誰であろうがなんだろうが男性と見たら誰かれ構わず襲ってくるのよ。もはや手に負えない状態になってるの」
「もちろん神人であるあなたはここにいてくれてもいいわ。ここで好きなだけ一人の女性を愛していればいいわ」
ゼノン:「要するに私の人形を身代わりに自分の恋人の人形を取り戻し…」
かぐや:「そうそう!」
ゼノン:「私の人形に地獄を見せろと、つまりはそういう事だな?」
かぐや:「あーー、そんな言い方はやめて!あたしが酷いこと言ってるみたいじゃない!」
羅夢:「言ってるみたいじゃなくて十分酷いだろ!」
ゼノン:「そうだぞ!自分の人形とはいえ自分が犯され続けるのを容認しろって言ってるようなもんだ」
アベル:「同意します」
羅夢:「やめろ!気色悪い」
かぐや:「まあ、とにかくそう言うわけで、人形がいるのよ。どうしてもほしいのよ。だからお願い!あと私のお願い聞いてくれたら今度こそおとなしく去るわ!」
ゼノン:「本当に?信用していいんだな?」
かぐや:「ええ、大丈夫よ」
ゼノン:「ならいいが、マトリックスデータは渡す。でも、くれぐれも頼む。頼むから手荒な真似はするなよ!絶対にだぞ!」
かぐや:「それは女性次第ね」
かぐや:「それじゃあさっそく始めるわよ」
ゼノン:「頼む」
アベル:「私は邪魔にならないようにあちらで見てますね」
かぐや:「はい」
かぐや:「さてと、始めましょうか」
羅夢:「おい、かぐや」
かぐや:「何?」
羅夢:「私にもマトリックスデータもくれないか?」
かぐや:「どうして?あなたは必要ないでしょ」
羅夢:「違う、ダーリンの人形を作って私と一緒にいさせるんだ。私と二人っきりで過ごしてもらうんだ」
かぐや:「そんなの、私が時々作ってやってるじゃない」
羅夢:「うるさい!私が階段を上って神人になったら自分の手でダーリンを作るんだい!」
かぐや:「そりゃあもう上りきって神人になってから文句を言ってほしいわね」
ゼノン:「お前、今とんでもないこと言ったな」
羅夢:「何がだよ」
ゼノン:「お前、あの階段を上るつもりなのか?」
羅夢:「そうだよ、何が悪いんだよ!私は、絶対に神人になるんだよ!」
ゼノン:「無理だ」
羅夢:「なんだと!」
ゼノン:「少なくともあの『階段』に上る資格があるとは思えんが」
かぐや:「そう?少なくともあなたよりはいい線いってると思うけど」
ゼノン:「まあ、いい。ここでそんな議論は意味ないからな。」
かぐや:「その通りね。その前にデータよ。」
羅夢:「ちっ、わかったよ!」
羅夢とゼノンは同時にマトリックスデータを提出した。
かぐや:「ふぅ、これで揃ったわね。じゃあさっそく人形作りに入るわね」
ゼノン:「頼む」
羅夢:「よろしく」
かぐや:「任せて!」そう言って2体のアベル人形を作製した。
「後はこれを時雄人形と交換するだけね」そう言いながら千里眼を使い時雄人形達を確認した。アベルも千里眼で状況を確認する。
アベル:「なんとも凄まじい…今度は私の人形がああなるのか‥」とポツリ。
時雄人形に群がってる女性は満足すれば普通の生活に戻って行くがそれでもまた別な女性が迫って来るのでキリがない。それに満足した女性も時間がたてば再びやって来るのでまさにエンドレス地獄状態。
この状況から脱したくて今回アベル人形と交換する事にしたのだ。
かぐや:「解ってはいたけど凄いわね。まさに地獄絵図って感じね」
アベル:「そうですね……あんな有様を見るとなんともいえませんね」
かぐや:「まあ、あの子たちにとっては天国でしょうけど」
羅夢:「私には見れねーぞ!」
かぐや:「あたりまえでしょ‥、あっ、そうそう、時雄人形は消滅させるね」と言って指をパチンとならして人形を消滅させた。
そして2体のアベル人形をへテレポートで転移していき女性達に投げつけた。
。
突然現れた2体の人形に女性たちは興奮し始めた。「キャー!!男が消えたー」「新しい人が来たー!」という叫び声が響き渡り一瞬にして取り囲まれる。
「お兄ちゃん、来てーー」「私のも弄ってー」「こっちこっち」「もっと触って」等々
かぐや:「成功ね、あとは残りの1本のロッドを手に入れるだけね」
アベル:「しかし、凄いですね。まるで地獄ですね…他の神人達もあんな目に合ってるのか…」
かぐや:「そうですね。まさに地獄です」
羅夢:「うん、あれは正直キツイわ、あれは無理‥」
かぐや:「だから、あんたがそれゆう?」
羅夢:「うるせー!」
ゼノン:「お前たち、もう行くのか?」
かぐや:「あら、もっといてほしいの?」
ゼノン:「いや、全然」
アベル:「即答ですね」
ゼノン:「当たり前だ、こんな連中の相手してられるか!」
羅夢:「まあ、当然だな」
かぐや:「そうそう、最後に一つだけいいかしら?」
ゼノン:「なんだ?」
かぐや:「あのさ、貴方達が愛し合う姿は素敵な姿だと思ってる。だけど、愛は自分一人だけでは成立しないのよ。お互いを思い合って初めて成り立つの。だから貴方も彼女を大切にしなさいよ!」
アベル:「そうですね、彼はとても魅力的な殿方ですし」
羅夢:「そう言う事だ!」
ゼノン:「ああ、わかったよ。肝に銘じておく」
かぐや:「じゃあね」そう言って二人は去って行った。アベルとゼノンはその後ろ姿をいつまでも見送っていた。
ロマンチックな空気が流れていて羨ましい。
あの二人にはこれからも幸せな日々を送ってほしいものだ。
かぐや:「さてと、今度はロッド探しね。残るロッドは1本だけ。それで終わりだけど……どこにあるのかしら?アベル達も知らないようだったし」
羅夢:「お前の千里眼で探せよ!」
かぐや:「それで探せれば苦労しないわよ。場所が解らないからどこを見ていいのかわからないじゃない。」
羅夢:「ああ、そうか‥」
かぐや:「まあ、それでもこの地道に探すっていうのもまたいいじゃない。それもそれで楽しいわよ」
羅夢:「そうだな、何かわからねーがワクワクするぜ!」
かぐや:「さあ行きましょう。最後はラグナロク神聖王国ね。旅はまだ始まったばかりよ!」そう言いながら歩き始めた。
羅夢:「はぁ…また歩きかよ…」と諦め口調でぼそっと一言。だが口調と違い顔は嬉しそうだ。
かぐや:「なんか言った?」
羅夢:「別にー」
二人は次の目的地に向けて歩き始めた。
この世界に来てからというもの様々な出来事が起きたがこの二人にとってはまだまだ序章に過ぎない。
これからどんな冒険が始まるのか楽しみだ。
それからラグナロク神聖王国までかかった日数はなんと2か月以上。かぐやが道中遊び呆けたのが最大の原因なんだが。その間ずっと徒歩での移動だったので当たり前と言えば当たり前である。
ようやくたどり着いた頃には二人の体力は限界に達していた。が、とりあえず休憩を入れる事にした。
かぐや:「ふぃー、やっと着いたぁー!」
羅夢:「もう限界‥動けない‥」
かぐや:「そうね、私も疲れたわ。ここは王都の中でも端っこみたいね」
羅夢:「ああ、もう何も考えられない‥」
二人は地面に座り込む。そこに一人の少女が現れた。




