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第八十四話 危機回避


ガチャガチャガチャ!!!


いきなり部屋のノブが勢い良く回される。

鍵が掛かっており開かなかった様で、


「リア姉どいて!!」

マリーの声がしたかと思うと、


バァン!!!


ドアがひしゃげて弾け飛ぶ!

何らかの魔法で吹き飛ばしたようだ。


「ライラ!」

「ライラ姉様!」

「ライラ姉!」


カンナ、リア、マリーの順で部屋になだれ込んでくる。



「な! ど、どうして?」

閉じ込めていたと豪語していたクレアが驚きの表情を見せる。


「んー!(みんな!)」


私は猿轡越しに歓喜の声を上げる。




が……そこで気付いた。


否! 正確にはカンナを見て気付いた。


リアとマリーが私から目を逸らし、カンナが大慌てで後ろを向いたのを見て……。



(!?!?)

裸で四肢を広げられていたのを!


「んーーーーーー!!!(きゃあーーーー!!)」




(か、カンナに全部見られたぁ!!)


顔から火が出そうとは正にこの事だ!!



体を隠したくても隠せないし、カンナには……その……大事な部分まで全部見られちゃうし……。

お父さん……ごめんなさい。 私は穢されちゃいました……。



私がそんな風に混乱して茫然となっている横では、リア達とクレアが睨み合っていた。


「クレアさん。 これは一体どう言う事なのでしょう?」


「これは……とは?」

リア達の静かな怒りに対して、クレアは何事も無い様に微笑み返す。


「私達を眠らせて、ライラ姉を縛ってこんな目に合わしている事だよ」

マリーが私の拘束を解きながら告げる。


「簡単な事です。 私とライラねぇ様は愛し合う仲なのですから」


「え、そうなの?」


「ぷはぁ!! そ、そんなわけあるか!」

首を傾げるマリーに、猿轡を解いて突っ込む。


「だ、そうですわ? つまり貴方のしている事は犯罪……という事になりますわよね?」


リアとクレアが話している間にベッドのシーツを剥ぎ取り体に巻き付ける。

ベッドの側には私の下着が無残な姿を晒している。


うぅ……私の下着が……この白いのお気に入りだったのにぃ。



「犯罪……でしょうか?」

クレアが顎に指を当て小首を傾げる。


「当たり前ですわ!」


「犯罪とは……」

リアの言葉に即反応し、


「バレなければ犯罪になりません。 実際私は何一つ罰せられておりませんから」

清々しい程の笑顔だった。


それ故に恐ろしい。


「……ライラ姉、みんな、行こう。 この館を出るんだ」

マリーが促し、カンナ、私と部屋を出る。


リアもクレアを睨み、警戒しながら部屋を出る。





部屋を出ていく私達にクレアがそっと呟いた。


「逃がしはしません。 おねぇ様を存分に味わうまでは……ふふ」


そうして脱ぎ捨てた自身の服から何やら小さな機器を取り出すと、それに付いているスイッチを押した。





館を出ようと廊下を進む私達。


「ら、ライラ……あの……大丈夫だった?」

顔を真っ赤にしたカンナが私に尋ねてくる。


心配してくれて聞いたのだろうけど……私まともにカンナの顔みれないよぅ~。


絶対私も顔真っ赤だし……。


尋ねたカンナから目線を逸らしつつ、


「あ、ありがとうございます。 大丈夫、何もされておりませんから」


(まだ……ね。 もう少し遅かったら危なかったけど……)


「そ、そっか。 それなら良かった」

心底ほっとした様にカンナが呟く。



「それよりカンナ達は大丈夫だったの?」

私は危なかったけど、みんな大丈夫だったのだろうか?


「私達は眠らされていただけですわ。 部屋に閉じ込めたつもりでしょうけど……」

「僕には『転移テレポート』があるからね」


そうか……それで部屋を抜けてリアの導きで私を助けに……。



(なんか私助けられてばかりだなぁ……もっとしっかりしないと!)

気合を入れなおすが、真っ裸にシーツ一枚じゃ何となく締まらない。


「ひとまず僕達の荷物を取り返そう。 僕達が閉じ込められていた部屋にあったはず」





そうしてマリー先導で部屋に向かっていると……。


「いたわよ! みんな、こっち!!」


廊下の向こうから声がしてメイド達がこちらに走って来た!

手には……槍の様な棒を持っている。

ただ、槍とは違い先が緩やかな二股になっていて刃はついていない。




私がみんなを守る様に前に立つと、


「お嬢様の命により逃がしはしません!」

「大人しくして下さい!」


そんな私に向けて棒が突き出される。

どうやら二股部分で私を捕まえる捕獲用の武器らしい。


私は体を捻ってそれを躱すと、棒を掴んで強く引っ張る!!


「きゃ!」

棒ごと引っ張られてつんのめるメイド。


「ごめんね」

そのメイドの鳩尾に拳を叩きこんだ!


クタッと言う様な感じで力が抜け崩れ落ちる。



「よくも!」


他のメイド達が一斉に棒を突き出してきた!


「はぁ!」

私はシーツの裾でそれをまとめて絡めとると、一気に引き寄せる!!


メイド三人がまとめて私の方に引っ張られて……、


「華月流 無刃術 月輪」


三人まとめて一回転させ地面に叩きつける!!


「かはっ!」

叩きつけられた衝撃で肺から空気が押し出されると、三人はそのまま動かなくなった。



「み、みんな!」


残ったメイドは一人。


「もう! なんなのよ!!」

その一人もやぶれかぶれに棒を突き出してきた!!



「華月流 無刃術 朧月」


突き出された棒を下に向かって叩きつけ、上体が流れたメイドの鳩尾に拳を叩きこんだ!


「うっ!」


一声呻いて最後のメイドも倒れる。




「よし、行こう!」


私がみんなの方を振り返った時……背筋を冷たいものが走り抜ける。



廊下の向こう、私達が来た方からアンズがこちらへ駆けて来るのが目に入った。



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