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第六十九話 女王登場

ソフトにR15。

表現はかなり控えめなのでR15じゃないかもしれませんが、一応です。


「宿発見~」

みんなで街を散策して10分。


カンナが嬉しそうに宿を指差した。


「じゃあ、とりあえず宿を借りて荷物を置こう。 お風呂もある様ならお風呂もね」


私の言葉に全員嬉しそうな顔をする。


なんだかんだ言っても私も含めて女の子。(カンナは違うけど)

旅でお風呂に入れないのは辛いのよ?

川で水浴びとか濡れタオルで体は拭くけど……やっぱり暖かいお湯が恋しい!!


そして私達が宿の扉を開けて中に入ると、


「え?」

「あれ?」

「ふぇ?」

「しまった!」


私、リア、カンナ、マリーの順で声が漏れる。



そこはありふれた宿のロビー……ではなく、だだっ広い広間であった。

宿の人もカウンターなどもない。


急いで後ろを振り返るが入ってきた扉などはなく離れた所に大扉がある。

勿論入ってきた扉とは形も大きさも違うし扉を入ってすぐなのにこの距離はおかしい。


広い広間の真ん中に私達四人がいて、そして正面の少し先……段差があり、その上に王座の様な場所。


そこの椅子に一人の女性が腰かけていた。



私は三人を庇う様に前に出ると、


「一体貴方は誰ですか!? ここは?」

少しきつめの口調で問いかける。



女性は私の問いに答えず、席を立つと私達の方へ歩いてくる。


寄ってきた事で徐々に女性の風貌が明らかになってきた。


長い銀色の髪、そして同じく銀色に輝く大きな瞳。

背は高くすらっとしており、肌の色は病弱の様に白い。


水色のロングスカートドレスを纏い、頭には銀細工で作られたティアラを付けていた。

年齢は……見た目からは分かり辛いが二十代後半かと思われた。



女性は私達の傍まで来ると優雅にお辞儀をする。


「手荒な真似をして申し訳ございません。 私はこのスノーフレークを統治している女王シルベルと言います」


スノーフレークの……女王!?


(私達を捕まえる様に命令した張本人!?)

私は警戒の手を緩めずに、


「女王シルベル。 私はストケシア王国から来たライラと申します。 これは一体どういう事でしょうか?」


銀色の瞳を見つめる。


「それは言わなくてもお分かりだと思いますが?」

氷の様な眼差しに背筋が寒くなるのを感じる。


シルベルは私達から目を逸らし、再度王座の方へ戻って行く。

戻りながら、


「今回のストケシア王国での次期継承のお話。 私としては是非ともとの思いです」


玉座に座ると、


「理由としてはご存じだと思います。 私達スノーフレークは隣国テッセンと相いれません。 テッセンは自然を破壊し機械の文明を使い破壊行動を増進させている。 ストケシア王国もそれはご存じなのでは?」


「……」

私達はテッセンを見て来たがその全てを把握していない。 

それに軍の反乱など戦争を目論む人達がいたのも事実だ。


「そこに此度のストケシア王国の次期継承。 私達としても是非ストケシア王国と統合して間にいるテッセンを早々に潰して、自然の破壊を食い止めたいのです」


「……それって戦争をするって事?」

話を聞いていたカンナが尋ねる。


「テッセンとは相いれません。 魔法は魔力と自然の力で成り立ちます。 テッセンがしている事は悪なのです」


「でも……全部がそうじゃないよ? 例えば、街灯があると夜でも安心して道を歩けるし、街も明るく綺麗だった」


「……貴方は?」


シルベルがカンナをまじまじ見つめる。

フードに覆われたカンナの表情ははっきり見えず、測りかねているようだ。


「あ、ご、ごめんなさい。 僕はカンナと言います」


「なるほど……貴方がストケシア王国の……」

シルベルは目を細めてカンナを見ると、


「では、改めて……。 カンナ王子、私が貴方を頂きます」

そう言うと手を軽く動かす。


それだけでカンナの姿が消えてしまった!!


転移テレポートさせられた!」

マリーの声に、


「女王シルベル! カンナをどこに!!」

私がシルベルを問いただすと、


「私の部屋に案内いたしました。 安心して下さい。 別に危害を加えたりは致しません」


「だけど……契りを結ぶつもりですの?」

リアの質問に柔らかく微笑んで、


「ええ、無論。 そうしてストケシア王国と一つになるのです。 ああ、安心して下さい」

柔らかそうな微笑みから少し意地悪そうな笑みになり、


「私は殿方の扱いには慣れておりますから……カンナ王子にも優しく手ほどきして差し上げます」


「ふざけるな! カンナを戦争の歯車に組み込む気!?」

耐えきれず私は怒鳴る。


しかしシルベルは臆することなく、私にこう告げる。


「ふふっ嫉妬ですか? 大丈夫、貴方の分まで私が彼の子種を頂きますから」


「こ、このっ!」

シルベルに飛び掛かろうとした私だったが……、


「ま、待って! ライラ姉!」

マリーが私に飛びついて抑える。


そして私の耳元で、

「ここで女王に刃を向けたら、みんな捕まって最悪殺される。 ここは耐えて!」


リアも私に近付き、

「落ち着きなさいライラ姉様。 シルベル女王を見るといいですわ。 あれは貴方をわざと挑発しているのですわ」


(~~~~!! お、落ち着け。 深呼吸だ)

私は呼吸を整え自身を落ち着かせる。


シルベル女王を見るに、少し残念そうだ……私が飛び掛かる様に仕向けていたのだろうか?



そんな私達の様子を見て目を細めると、


「まぁ、いいでしょう。 貴方達を片付けても良いのですが……よくよく考えると悔しがる顔を見るのも一興」


玉座から立ち上がると大きく両手を広げる。


「……明後日、国の建国記念日。 そこをストケシア王国との合併の日といたしましょう。 新たなるスノーフレーク建国の日となるのです」



そう言って私達に手を向けると、

「貴方達もその日を楽しみに待っていて下さい。 そして私とカンナ王子との結ばれる様子を歯がゆく見ていて下さいね」


そう言って手を振った瞬間!!


私達三人は、先程の広間から石造りの牢屋へと移動させられていたのだった。


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