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第六十七話 神獣加入


戦いが終わり、気付くと私達は元の神殿内にいた。


「マリー!」


私はマリーに駆け寄る。



一人で戦っている状況、そんな中においてもマリーは私達の事を考えていてくれた。

私は何とも言えない嬉しさからマリーを抱きしめ……。


「『転移テレポート』」


……られず神殿の壁に激突する。


ゴン!


「ったぁ!!」


のぉぉぉ! 思いっきりおでこぶつけたよ!

目から絶対星出た!


私は余りの痛さにしゃがみ込んでおでこをさする。

うぅ、ちょっと涙出てきたよ。


「ち、ちょっと〜。 そこまでして回避する?」

私がうらみがましくマリーを睨むと、


「ウザそうだったから……」


「ぐはっ!」

そんな……さすがに私もショックだわ……。



そんなやり取りをしている所にワンコもといフェンリルがトテトテ歩いてくる。

姿は最初のワンコサイズでやっぱりこの姿の方が断然可愛くて好き!



『では、約束通りマリーに魔法を伝授するのじゃ。 マリー、手を差し出すのじゃ』


マリーがしゃがんでフェンリルに手を差し出すと、その手にフェンリルも前足を乗せる。


(ぷっ! アレどう見てもフェンリルがお手をしている様にしか見えないんだけど)

私は吹き出しそうになるのを必死に堪える。


横を向いて視線を外すと、そちらではリアも笑いを堪えていた。


(やっぱりそうなるよね〜神獣がお手だもの)


カンナは目をキラキラさせて見ている……あれ多分お手が羨ましいんだろうなぁ。

まぁ、見た目ただの子犬だし。



『終わったのじゃ』

フェンリルが手を降ろしマリーが立ち上がる。


『どうじゃ? 使えそうか?』

フェンリルの言葉に目を閉じて反芻するようにブツブツ呟くと、


「大丈夫……一、二回試せば出来ると思う」


『流石じゃな……しかし無理はいかん。 今日はやめるのじゃ』


「分かってる……もう魔力がほとんど無い」



……そんな状況でも私のハグを避けたのね……。




『それでは行くのじゃ』

フェンリルが神殿の外に向かって歩き出す。


「あ、はい。 お気を付けて」

私が言葉を送ると、


『何を寝ぼけた事を……お主等と一緒に行くに決まっているではないか』


「は?」

私が間の抜けた声を出すと、


『吾輩の役目は封印されし魔法を守る事。 魔法がそこの娘に移ったのだからそこの娘に付いて行くに決まっておるじゃろ』


「えぇ!」

驚く私だったが、


「わ〜い! フサフサ一緒!」

カンナは嬉しそうにフェンリルを抱き上げる。


『こ、こら。 やめるのじゃ。 スリスリはいかん』

慌てるフェンリルの声が聞こえるが、カンナはそのままフェンリルを抱き締める。

その顔はとろける様な笑顔で…………いいなぁ。

私にもあの顔してくれないかしら?


「まぁ、いいんじゃないですの? 付いてくる分には。 あ……でも、ペット出禁の宿屋だと困りますわね」

リアが困った表情を浮かべる。


『誰がペットじゃ!』

フェンリルがカンナから逃れようと藻掻きながらも突っ込んだ。


「でも周りから見たら犬っぽいし……」

私の言葉にフェンリルが静かになる。


『……え?』


「え?」


フェンリルから力が抜けたように見える。

カンナが好機とばかりにギュと抱き締めた。


『……吾輩って犬っぽい?』

尻尾がシュンってなっている。


「あの……」

私が言葉を出す前に、


「ううん! フェンちゃん格好良いよ! 強そうな狼に見える!」

カンナが抱き締めたままフェンリルに言うと、


『おお、そうか! そうじゃろ? 吾輩は名のしれた神獣じゃからのぅ』

嬉しそうに尻尾を振った。


(チョロい……)


って言うか、気付いて!

……強そうな狼に『フェンちゃん』なんて名前を付けないから〜!


恐るべしカンナの懐柔。

満面の笑みを浮かべるカンナ、その裏では色々計算されているのかも知れない。


……でも可愛い。

可愛いからいっか!



「そろそろ行こう。 あんまり遅いと王国兵達も動き出す」

マリーの言葉に頷くと、みんな揃って神殿を出る。



いつの間にか辺りは夕焼けに染まりつつあった。


「結構時間経ってたのね」


「どうしよう? 出来れば王国兵に見つからない様にしたいけど……」


出発したいが夜は危険が伴う。

特に魔族は昼より夜の方が強く感じられる。


『なんじゃ、お主等何者かに追われておるのか?』


脱出を諦めたフェンリルがカンナに抱っこされつつ尋ねる。


「うん、実はね……」

私はこれまでの経緯を軽く話すと、


『なんと! コヤツおなごでは無かったのか!?』


驚くとこソコ!? ……まぁ、でもそこも驚きポイントかな?


『しかしお主等も難儀よな〜。 まぁ、事情は相わかったのじゃ』


そう言うとフェンリルは一声鳴いた!


「キュイ〜!」


その瞬間!

辺りに深い霧が立ち込める。


「えぇ!」


『これで大丈夫じゃ。 この森全体を霧で覆い隠したからの。 それにこの霧が出ている限り、ここの遺跡には入れぬのじゃ』


「フェンちゃんすご〜い!」

カンナが喜んでフェンリルをギュッとする。


『こ、こら! 締め付けるのでは……うぎゅ〜』



「まぁ、これなら王国兵達も動けないだろうね」

深い霧に目を向けつつマリーが言うと、


「では、早目に休んで明日早く出た方がよろしいかも知れませんわね」

リアが結論づける。


「そうだね〜私もそう思う。 じゃあ全員キャンプ準備!」

私の声に全員が動き出す。



新たなるメンバーが加わり、いつもより賑やかな夜が過ぎて行ったのであった。


日頃からお読み下さりありがとうございます。


誤字脱字気を付けてはおりますが、もし気になる箇所が御座いましたらお教え下さると助かります。


また、気になる所やご質問等ございましたらおっしゃって下さい。


では、引き続き皆さんが楽しめる様続けて参りますので、宜しくお願いいたします。


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