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第五十五話 情報収集


「はぁ……つまり竜人の情報を探していると?」

ギルドの受付嬢は呆れたような表情を私に向けた。


「そうです。 この前そいつに私の剣を取られたんです」


私は力説する。



アザミとの戦いを終えた翌日。

私は冒険者ギルドを訪れていた。


内容は今話しての通り『竜人の行方』について……だ。



ただ……一般的には竜人族は絶滅したと伝えられている。

この受付嬢の反応もそんな感じだった。


「ですが、竜人族はとうに滅びておりまして……恐らく蜥蜴人リザードマンと見間違えたのでは?」


「いやいや、自分で竜人って言ってたし! それに魔族に与していたのよ?」


「という事は、魔族に与していた者に襲われ、命ではなく剣を取られたと?」


「そ、そうよ?」


嘘は言っていないのだから他に言いようがない。



受付嬢はため息をつきつつ、

「わかりました。 では冒険者達から上がってきている情報を確認してみますね」


不承不承と言う感じで、カウンター後方にある棚から書類の束を探し始めた。



「やぁ、ライラ。 奇遇だね」

レムルスが現れた……なんか前より馴れ馴れしくなっている気がするけど。


「おはようございます。 レムルスさん」


「おはよう。 昨日はアザミに勝ったらしいね。 彼女、宿に戻ってきてから大荒れだったよ」


「そうなんですね……それはそれは」


「ところで僕の事は『レムルスさん』じゃなくて、『レムルス』でいいからね?」


「分かりました。 『レムルスさん』」


レムルスは少し悲しげな眼で私を見てくる……でも懐かれてもねぇ。


レムルスは気を取り戻したように、

「そう言えば今日はどうしたんだい?」


私は一瞬迷ったけど……まぁ協力者は多い方がいい。 竜人についての経緯を説明した。



するとレムルスは顎に手を当てて少し考えていたが、

「竜人が関与しているか分からないけど、少し気になる事がある」


「そうなんですか?」


「ああ。 最近ゴブリンメイジ等の低級魔族がある場所から追い出される様に街道等に進出しているんだ」


(そう言えば……)

私も思い出した。


確かゴブリンメイジたちは何者かに追われている様だったとカンナ達は言っていた。

あれがそうなのだろう。


「追い出したのが竜人と?」


レムルスはかぶりを振りながら、

「そこまでは分からないけどね」


「ただ……」続けて、


「今までにない変化点と言うのは、何かしら理由があるものだからね」

私を見てニッコリを笑いかける。

その顔つきはかっこよく見える。


特に惹かれることはないけどね……でも、言っている事は納得できる。

何かが起こっているなら、可能性はゼロではないだろう。



「お待たせいたしました」

不意に受付嬢から声が掛かる。


「あ、すみません。 どうでしたか?」


受付嬢は少し疲れたような顔で首を横に振りつつ、

「やはり特に情報は上がっておりませんね」


「そうですか……。 すみません、ありがとうございました」


「いえいえ、どういたしまして」


私のお礼に曖昧な笑顔を浮かべるとカウンターで書類対応を始めた。



「どうやら情報はないみたいだね」

レムルスの言葉に、


「ええ……。 まぁ仕方ないわ。 もう少し気長に探してみるわよ」


「じゃあ、折角だしさっきの件はどうだい?」


「さっきのってゴブリンメイジ達の?」


「そう、ゴブリンメイジ達が住んでいた場所はあらかじめつかんでいるし、僕達とライラ達で調査と行こうじゃないか?」


う〜ん、確かに手掛かりは無いんだけどねぇ……。


期待の眼差しを向けてくるレムルス。


余程私と行きたいらしい。


(悪い人ではないんだけど……)

確かに腕の立つレムルス達なら相手が余程でなければ平気だろう。

魔族達が相手と考えると私達だけより全然良いかもしれない。


私はしばらく思案していたが、「カンナ達と相談する」として、返事は後日とした。



そして数日後、準備を整えた私達と、めちゃくちゃ嬉しそうな笑顔を見せるレムルス、そして私に怒りの目を向けるアザミと、レムルス達の連れである僧侶フローラが街の入口に集合していた。


相談した結果、カンナの、

「困っている人が居るかもしれない!」

の一言で行く事になったのだった。



ただ、それはいいのだが……問題は、


(だから嫌だったのよね……)

私は突き刺さる様な視線を受けて心の中でため息をついた。


アザミとフローラのどちらからも厳しい視線が飛んでくる。


アザミは言うわずもがなだが、僧侶フローラも、以前私がレムルスを殴った事をまだ根に持っているらしい。


ちなみにリアとマリーはどちらにも思うところは無いらしく、特に気にしていない様だ。


そしてカンナは……全然知らない人ではないとはいえ、そこまで関わりが無いためかリア達の影に隠れている。


コソコソする小動物の様で可愛い。

ハムスター? それってハムスターなの?って突っ込みたいぐらい。



「じゃあ、行こうか? 目指すはコスモス谷だ」


レムルスがカンナで和んでいる私の気分をブチ壊して宣言し、私達は出発したのだった。


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