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第四十二話 問題解決


「さて……この人達どうしよう?」


私の目の前にはロープで拘束された門番が転がされている。


『一輪刺し』を食らわせた門番も死亡し、生き残った門番は二人。

一応襲われない様に拘束したが……。



「縄をほどけ!! お前ら兵士殺しで国中に指名手配してやる!」

「俺達の仲間を殺しやがって! なんてやつ!!」


なんてやつ!って襲ってきた側のセリフじゃないわよ……正に見る側で正義の在り方が変わるらしい。

でも、兵士殺しは事実だし、国中から指名手配されても困る訳で……。


「困ったなぁ……」

私は喚く二人を前に途方に暮れていた……。




この日はここでそのままキャンプとなった。

リアは頭を打っているし動かすのは危ないかもしれない。


それに門番達もこのままと言うわけに行かない……拘束を解くと先程の流れ、拘束したままでは餓死などで死んでしまうかもしれない。

死んだ二人に関しては近くにお墓を作って埋めておいた。




陽も落ちて暗くなった林の中、焚き火を囲みつつ食事をとる。


「……」

カンナは無言でスープを啜っている。

元気がないのはリアが心配なのと死んだ門番の事であろう。


マリーは食事を終えて魔法書を読んでいる……門番達の詰め所から持って来たらしい。

まぁ借りるのは良いけどね。


私は剣の手入れをしていた。

結構この剣にも負担をかけているが……それでも刃こぼれはほとんど無く鈍く輝いている。



「うぅ……」


テントの中からリアの声がした!


私達は三人とも飛び跳ねる様にリアの元に駆け寄る。


「リア!」

「リア!」

「リア姉!」


テントを覗くと、リアが目を覚まして上半身を起こしていた。

頭には包帯がグルグル巻かれている。


「わ、私は……?」


「大丈夫? 木に叩きつけられて気絶していたんだよ?」


「そぅ……なのですね。 頭が……痛いですわ」


「回復魔法できそう? 頭の傷があるから……」


「『回復ヒール』」

リアの傷口が光り……治ったようだ。 表情が緩和されている。


「ふぅ、痛みが治まりましたわ」


「無事でよかった!」

涙目のカンナに優しい視線を向け、リアがその頭を撫でる。


「ありがとう。 心配をお掛け致しましたわ」


その姿はまるで聖母の様で非常に神々しく見える。

……まぁ私は中身知ってるからそうは見えないけど。



「そう言えば戦いはどうなりましたの?」

尋ねるリアに私は現状の状況まで含めて説明する。




「そうですのね。 門番二人が……」


「まぁリアも怪我していたし、丁度キャンプすることにしたの」


「……」

リアは暫く考え込んでいたが、



「ちょっと門番と話をしてきますわね」

頭の包帯を外しながら立ち上がる。



「え、大丈夫なの? まだ安静にしていた方が……」


「大丈夫ですわ。 傷は完治しておりますし、カンナの薬草が効いたのでそこまで辛くないですし」


その言葉を聞いてカンナが嬉しそうにする。



(いいなぁ……)

カンナに嬉しそうな表情を向けられることが羨ましい。


「では、ちょと行って参りますわ」


リアはテントを出ていく。



暫くして門番達の喚く声が聞こえたが……すぐにそれも収まり静かになった。

そしてリアが戻ってきた。


「よくよく会話して、理解していただきまして。 神への感謝の御心を説いて参りましたわ」

柔らかく微笑んでそう告げた。





翌日。


私が門番の様子を見に行くと……なんと縄が解かれて二人して門番の業務を行っていた!


私が近づくと……、

「あ、おはようございます!! ライラさん」

「ライラさん、おはようございます!」


二人して眩い笑顔を向けて挨拶してきた。

昨日のは何だったんだろう?っと思うほどだ。



そして私の背後から足音がして……振り返るとリアだった。


すると、


「おはようございます。 リア様。 本日も美しくあられて……」

「おはようございます。 リア様。 神々しくも美しい」


!?


二人の門番が片膝をついて恭しくしゃがみ込んでいる。


唖然としている私の前で、


「ご苦労。 私達は旅を続けますが、しっかりと業務を続けるのですよ?」


「はっ! 命に代えても」

「リア様のお言葉通りに!」


その二人に満足そうに微笑むと、リアは背を見せて戻って行く。


二人の門番はリアの姿が見えなくなるまでそのままの姿勢だった。




(り、リアって一体……)

考えるだけ怖い……私は見なかったことにしてみんなの元に戻るのだった。





「えと、兎に角これで門番の件は片付いたって事で先に進めるのよね?」

私達は朝食を食べながら今後の方針を話していた。


「ええ、そうですわ。 あの二人も私達を国に突き出すような真似は二度と考えないでしょう」

リアが私に頷いて答える。


「スノーフレークの王都まで少しあるね」

地図とにらめっこしていたマリー。


「途中の村とか街を経由する? 勿論兵士がいるようならスルーで」


「そうですわね。 食料も乏しいですし、出来れば色々補充したいですわ」


スノーフレークの首都はここから北東に進んだ方にあり、国のど真ん中に位置する。


私達は首都を目指しつつ、途中の村や街を目指すことにしたのだった。



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