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第三十九話 吊橋進行


ギシギシ……


強い風に吊り橋が大きく揺れる。


「わわっ!」


その度に私の後にいるカンナが吊り橋のロープにしがみついた。



「頑張ってカンナ! 今半分くらいまで来ましたよ」


私の応援に受けて、眉をハの時にしながら慎重に一歩一歩歩き始める。



私達は吊り橋を、私、カンナ、リア、マリーの順で渡っていた。

板の隙間から下が見えるが……崖は大きく霧に覆われて地面は見えない。



ロープにしがみつく様に進むカンナを応援しつつ、やっと残り3分の1程度まで来た時だった。



クケェェェェ!



いきなり奇っ怪な声が上空から降り注ぐ!


弾かれたように上を見ると、


「ヘルゲイズ!」


以前襲ってきた鳥型の魔獣ヘルゲイズが、私達の上空を旋回している。



だが、以前の様に襲ってくるでも無く旋回しながら叫び声を上げている。



……襲われないにしても不気味だ。


(カンナにはキツイかもしれないけど……)

「カンナ、急いで渡りましょう」


私がカンナに声を掛けた時、


「ライラ! 前に!」


リアの声がして前を向くと、



「っ! あれは……」


私達が目指す橋のたもと。


その開けた場所にオーガーが二体、林の奥からやって来た。



「あいつが呼び寄せてるんだ……」


カンナが告げる上空では、相変わらずヘルゲイズが鳴き声を上げている。



「リア、カンナをお願い。 マリーはヘルゲイズを黙らせて」


私は一言告げると走って橋を渡り始める!


オーガーを倒さなくては私達が辿り着けないし、下手すれば渡る私達に何か仕掛けてこないとも限らない。



私が橋を渡りきったところで、オーガー達は私に気付いたらしい。



ガァァァ!


唸り声の様な叫びを上げてドスドス走り寄ってきた!



オーガーは魔族に与するもので、ゴブリンより上位に位置する。

体は大きく2メートル程あり、力が強い。

全身土気色をしており基本的に群れない。


そしてその力を使った残虐行為に興奮を覚えるらしい。


オーガーに襲われた者が四肢を引きちぎられたり、体中の骨を砕かれたりしたと聞いた事があった。



目の前のオーガーも筋肉隆々としており腰布しか巻いていない。


……筋肉を見せつけたいのかも知れない。



オーガーはその力を存分に発揮するためか手には大きな棍棒を持っている。


そして走り寄ってきたオーガーの一体がその棍棒を私に向かって振り下ろした!


力任せの大振り、しかしその力のせいで振り下ろしの速度はかなり早い。


私は無理せず後方に下がって避ける事にする。



オーガーの棍棒が空を切り地面に叩きつけられた!!


ズゥゥン!


その衝撃は凄まじく地面が揺れたように感じる……殴られた地面は棍棒の形に抉られていた。


そしてオーガーは私を見ると顔を歪めた……どうやら力を見せつけた事で笑っている様だが。



シュ!


私はデュランダルを鞘から引き抜き構えた。


ガァ?


オーガーから戸惑いが見える。

どうやら力を誇示したのに私が全く狼狽えなかった事が不思議らしい。



(でもこんな状況で戸惑いを見せるなんて……隙ありすぎよ)


未だ棍棒を振り下ろした体勢のオーガーに、


「華月流 一輪刺し」


瞬時に低い姿勢から鋭く突きを繰り出す!


がら空きの胸にデュランダルを深々と突き刺した!


グギャァァァ!


叫び声を上げると棍棒を離して私に掴みかかった!


私は剣を引き抜きつつサイドステップで横に躱す。

オーガーの手が空を切り……そのまま前のめりに倒れた。



そのオーガーを見て、もう一人のオーガーが棍棒を構えた。

どうやら群れるのが嫌いな為一体ずつ挑む事にしていた様だ。



こちらのオーガーは慎重に様子を伺っている。


(ならばこっちから行くわよ!)


私は剣を上段に構えると走り寄る!

そしてオーガーに剣を振り下ろした!!


私の剣はオーガーを捉えきれずオーガーの目の前の宙を切り裂く!


オーガーは、私が外したのを見てニヤリとすると棍棒を振り上げた!

そして私目掛けて振り下ろす!


しかし私の剣は空振ったのでは無く……剣はそのまま一回転して今度こそオーガーに振り下ろされる!


「神速! 華月流 三日月!」


振り下ろされる棍棒より早く、私の剣がオーガーを切り裂いた!!



オーガーはその目を大きく見開く!

人とは違い白目の部分しかなく……全てが黒色をしているその瞳に私の姿を映しながら、ゆっくりと倒れていった。




倒れたオーガーを確認していると、私の後ろから大好きな声が聞こえた。


「つ、着いた……」


渡りきったカンナが息絶え絶えに倒れ込み、リアは私とオーガーの状況を見ている。


マリーの方は……もうすぐ渡り終わりそうかな。



「ヘルゲイズは?」


「谷底ですわ。 マリーの魔法で落ちて行きました」

見ていたのかリアが答える。


その後はマリーも渡り終わり、何とか全員無事に渡り終えたのだった。





「よっし! それじゃあ行こう!」


休憩を挟み引き続きスノーフレークを目指す私達。


旅はまだまだ続くのだった。


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