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第三十六話 大猪追跡


私達は広大に広がる林の中を進んでいた。


ダリア達とも別れて、引き続きスノーフレークを目指していた。



「次はリアの番よ?」


「分かっているわ。 えっと、『ラ』よね? えーと『ラッパ』で」


「じゃあ、僕だね? 『パ』だから……『パフェ』」


「えと、これって『フ』と『エ』とどっちなのかな?」


「カンナの好きな方で良いよ」


「じゃあ、『エビフライ』」


「私の番ね。 『エ』……『エ』……」



草をかき分け覆われている道を辿っていきつつ足を進める。


「まだですの?」

次の言葉が出ない私に、リアが催促してくる。


「ま、待ってよ。 えと、『エ』……『エビ』?」


「何か『エビフライ』と重複してません?」


「いや、『エビ』と『エビフライ』は別物だもん!」

私エビフライの方が好きだし……。


「まぁ、良いですわ。 では『ビ』ですわね? 『ビーフシチュー』」



ぐぅぅぅ……


あう、私のお腹が……。



「えと、お昼にする?」


カンナが私の服を引っ張って訊いてくる。


「ええと……はい」

流石にカンナに気を遣わせてしまうのは申し訳ない。



「ライラ姉はすぐお腹すくね」

マリーが荷物を降ろしながらそんな事を言ってくる。


「だって、しりとりでさっきから食べ物ばっかりでてくるし!」

想像したらお腹が鳴った。


「はいはい、二人とも。 さっさと準備なさってくださいまし」

リアが荷物を降ろしながら、道具を取り出す。



私も荷物を降ろそうと……すぐそばにいる何かと目が合った……。


(ん? ……イノシシ?)

それは大きなイノシシだった。


(やった! お肉だ!!)

逃がすわけにはいかない!


「華月流 五色」

素早く剣を抜き放ち剣を振りかぶる!


「だめーーー!」

急に私の後ろでカンナが叫んだ!!


私はビクッとして剣を止めてしまう!


同じく驚いたイノシシは走って草むらの中に消えて行ってしまった。



「あ、ご、ごめんなさい! つい……」

カンナが我に返って謝ってくる。


どうやら動物が殺されそうと思って無意識に叫んだ様だ。


「大丈夫! まだ食料はあるし……」

私はカンナの頭をポンポンしてやる。


勿論肉などの食料は出来るだけ確保したいが……まぁカンナの見ていないとこで捕まえよう。


そう思っていた時。



ブモモオ!


イノシシが逃げて行った方から大きな鳴き声が上がる。


「え、今のって?」


「!?」


カンナが急に走り出す! さっきのイノシシが逃げて行った方だ。


「カンナ、待って!」

私も慌てて後を追った。



草をかき分けカンナを追っていくと……。


ドンッ!


立ち止まっているカンナにぶつかる。



「ごめん! 大丈夫?」


カンナは返事をせず前方を向いたままだ。


私も前を向くと……カンナ越しにその光景が飛び込んできた。




先程のイノシシだろうか? ゴブリン達に襲われている。


ゴブリン達は槍や手斧で動かないイノシシに傷を付けていく……。



(あ! あのイノシシ落とし穴にはまってるんだ!)


イノシシの下半身が穴にすっぽり入っている……どうやらそのせいで逃げられない様だ。



ギャギャッ!


ゴブリン達が嬉しそうにイノシシを攻撃している。



「やめて!!!」


なんとカンナが大声で叫んで飛び出した!!


「カンナ!」

イノシシを庇う様に立ちはだかる……しかし顔色は真っ青で今にも倒れそうだ。

小さい体が震えている……。



ギャギャ?



ゴブリン達は一瞬呆気にとられたようだが、小さい人間と分かるとその顔が狂喜に歪んだ。



そしてカンナに槍や斧を突き出した!!



「カンナ!!」


私は地面を蹴りつける様に飛び出す!!

(神速!)


ゴブリンとカンナの間に体を割り込ませつつ剣で一閃する!!


ゴブリン達の槍と斧を弾き飛ばす!


そして手首を返して再度一閃!!


今度はその腕を斬り飛ばした!!



ギャヒャァ!!


ゴブリン達は悲鳴を上げると林の奥への逃げて行った。

魔物なので止めを刺したかったが……あの腕では何も出来ないだろうと追うのを辞める。



私は振り返って、背後にいたカンナに、

「大丈夫?」


しかしカンナは涙を流してイノシシに縋っている。

良く見ると……イノシシは傷だらけで今にも死にそうになっていた。


(間に合わなかったの?)

私は、

「リア呼んでくる!」


そう言って駆け出そうとした。 


その瞬間、大きなものが凄い速さで近付いて来る音が聞こえた!


「何!?」


私は剣を構えて迫って来るものに備える。


そしてそれが草を踏み抜き木を弾き飛ばして姿を現した!



それはまるで三階建ての建物はあろうかという巨大なイノシシだった。


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