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第三十五話 完全決着


モクモクと土煙を上げる黒箱。


私達の前であちこち崩れた姿で横たわっている。



と、扉が開いて中から人が出て来た……。


十数名いるようで、怪我をしている人もあちこち見受けられる。



その中の一人が私達を見て、


「貴様ら!! よくも我が軍の黒箱を!!」


大声で喚きたてた!




良く見ると全員がトギスみたいな軍服を着ている。


「テッセンの軍隊ですわね」


リアの言葉が聞こえたのか、


「フン! それが分かったとしても意味はないがな。 こうなったら王子以外を殺せ」


喚きてていたのがボスらしい。 その言葉に周りの者達が一斉に武器を構える。

ガーディアンも数体出てきた。



(兵士は弱いけど……ガーディアンは厄介ね)

私も剣を構える。



三人を守りながらこの人数に勝てるだろうか?



そう思った時、




「リア様~!」


いきなり林の中に声が響き渡った!



「え、なに?」

「なんだ?」


私やテッセン軍の人達が何事?と見ていると……。



草や木々の間から何人もの人が現れる。 それは……、


「あれ? あんたダリアじゃない? 何でここに?」


「あ、ライラさんだ! おひさし……さきほどぶり?」

ダリアが真面目な顔で首を傾げる。



「なんだ、そいつらは!」


喚く軍人のボスに、


「俺達? 俺達は冒険者だ!」

ダリアが返事をし、それに合わせて他の者達も頷く。



「でも、どうしてここに?」


ダリアはリアに直立敬礼すると、

「リア様に頼まれていたんですよ。 ライラさん達が街を出たら冒険者の人達を連れて後を付いてきてほしいと」


「え、そうなのリア?」


リアはツンとすました態度で、

「ええ、そうですわよ?」


「でもどうしてそんなことを?」


「それはもちろん……」

リアが少し微笑むと、


「軍隊が私達を狙ってくるからですわ」



「ええ!?」

リアの言葉に驚く。


「じゃあ、襲ってくるの分かってたの?」


「そうですわ……と言っても全てカンナの指示ですけど」

リアがカンナを見るとカンナは恥ずかしそうにしている。



「でも、どうして……?」


私の問いにカンナが、


「トギスさん達と戦った時、周りに兵士さん達がいたでしょ? 軍事部門の人達じゃなくて普通に兵士さんだったから……多分軍隊さんが絡んでるのかな?って」


カンナがリアを見ると、リアが引き継いで話す。


「そこで私が冒険者ギルドに協力してもらって色々調べてもらいましたの。 そしたらやはり軍隊が絡んでいたのですわ」


「でも、領府長は……」


「フリーな立場の冒険者じゃないと調べられない事もあるのですわよ?」


う、なんか私よりもリアの方がしっかりしてない?


「私達が街を出れば絶対襲ってくると思いましたもの……予想通りでしたわ」


リアが目を向けると、軍隊のボスは目を逸らす。



「これでクーデターに軍も絡んでいることが分かりましたわ」


リアの言葉に、

「うるさい! こうなったら……冒険者ごときが舐めるなよ!」

ボスの指示で兵士が剣を抜く。



リアも冒険者達に声を掛ける。

「お前達、やっちゃっいなさい!」


「はい! リア様!」

冒険者達が一斉に答えて剣を抜く。


っていうか、冒険者達洗脳されてない?

ストケシアみたいにファンクラブでも出来ているのかしら?



実戦の乏しい兵士達と、日頃戦っている冒険者達とでは力の差は歴然だった。

兵士たちは次々無力化されていき……ついにはボス含めて全員が拘束されたのだった。



その間、私の横では何故かダリア達四人組がリアに正座させられていた。


「来るのが遅かったですわね? どこで道草を食っていたのかしら?」


「いえ、道草など……」


「誰が喋って良いといいましたか? この駄犬」


「すみません! ありがとうございます!」


「フン! それで遅れた理由は?」


「あの、途中で馬に乗られるとは思わず……そこで距離が……」


「そこを必死についてくるのが貴方達のあるべき姿ですわよね?」


「はい! おっしゃる通りでございます!」




私はそれを横目で見つつ、

(まぁ、ダリア達も嬉しそうだからいっか)


目線をボスに戻す。



「お前等! 俺を大尉と知っての事か! 放せ! 今すぐ放せ!!」


冒険者達に拘束されて連れていかれる兵士達。

この後領府長に突き出されてそれ相応の処罰が下るだろう。

もちろんクーデターの件も含めて……だ。



「これで片付いたかな?」

私の後ろからマリーが声を掛ける。



「そうだね。 黒幕は軍隊で、カンナを……引いてはストケシアを狙っての騒動と言う事だね」

私も連行される兵士を見ながら呟く。



「……ごめんなさい」

ふと声が聞こえてそちらを見ると、


カンナが俯いて呟いている。

「……ごめんなさい、僕のせいで……」


誰に対しての謝罪か分からないが……私はカンナの手をそっと握る。



ビクッと体を震わせてカンナが顔を上げた……目に涙が浮かんでいる。


「カンナのせいじゃないよ。 大丈夫」

そう言って抱きしめる。


恐らく自分のせいでクーデターが起こったとか、大尉や中尉が捕まったり死んだとか思ったり……もしくは私達に迷惑が掛かった等と、色々思っているに違いない。


(カンナは優しいから……でも)

王になるには優しすぎてもいけないと思う。

でも、カンナにはこのままでいて欲しいとも思う。


(どちらが正しいのかな?)


私はカンナの体温を感じながら、そんなことを考えていた。


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