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第二十八話 蜘蛛型戦


「おりゃぁ!」


私に向かって兵士が剣を振り下ろす!


しかし……、


(うん……この人達弱いわ)


剣の振り下ろしの速度も遅いし、太刀筋も単調且つお手本通り。


私はデュランダルでその剣を跳ね上げ、がら空きの胴に左拳を叩きこんだ!


「ぐぇ!」

兵士が体をくの字に曲げて倒れこむ。



次の兵士も同じような感じだった……恐らくガーディアン等の機械兵が主流な為、人間の兵士は実戦が少ないのかもしれない。

次々襲い掛かって来るが……何故一人ずつ来るのだろう?

おかげで各個撃破出来ていくけど……戦い方も一人ずつ練習していたのだろうか。



その様子を見ていたトギスがイラついた様子で、

「何をしているのです!  腕や足の一本切り落としなさい!」


(鉱山で働かせるんじゃなかったの!? ……あ、でも治癒術時もいるから怪我させても平気なのか)

と、考えつつも兵士を倒していく。


そして私とユリの二人であっさり兵士達全員を昏倒させた。




「そ、そんな! この数の兵士達を……」


「確かに数は多かったけど……」

「弱かったですよ?」



私とユリの言葉にトギスはがっくり項垂れたが……キッと私達を睨みつける様に顔を上げる。


「……良いでしょう。 こうなったら……貴方達全員殺して差し上げます」


そう言うと、壁の丸いボタンを押すと……部屋中央の床に円形上の穴が開いていく……。


私とユリが慌てて飛び退るが……落とし穴ではない様だ。


そして開いた穴の中から……蜘蛛の形をしたガーディアンが現れた!


「フフフ……。 開発中ではあったが丁度いいでしょう。 プロトガーディアン、その実力を貴方達で試してあげましょう」



プロトガーディアンと呼ばれた蜘蛛型ガーディアンは顔の部分にあるレンズを私とユリに向ける。

今までのガーディアンと違い、レンズは小さく複数個集まって出来ている……これではレンズを狙うのは無理そうだ。


と、プロトガーディアンが前足を上げる……そこは鋭いスパイクが付いている!


二本の前足がそれぞれ私とユリに振り下ろされる!!



剣で受け止める!! ……ち、力が強い!


受け止めた状態から剣を傾け受け流し……剣を滑る様にして前足が地面に突き刺さる!



(受け止めるのは無理そうね!)


振り下ろされて地面に突き刺さった前足に、


「華月流 三斬華!」


ギギン!!


(は、弾かれ……)


私が思うより早く、別な足が私に叩きつけられた!!


「きゃあ!」


壁に強く叩きつけられる!!


「かはっ!」


開いた口から血が噴き出した!


(し、閉まった! 肋骨が……肺を……)


呼吸が苦しい! い、息が……。


「『回復ヒール』」

暖かな光が流れ込み呼吸が楽になる。


「はぁ、はぁ、はぁ……」


「仕方ないですわね。 『防御プロテクト』 これで少しはマシになるはずですわ」


「はぁ、ありがと。 は、早く行かないと……」


私の目には一人で奮戦しているユリが映っている。


槍を巧みに捌いて蜘蛛の前足四本を受け流す。



私は立ち上がると駆け寄りつつ、


「神速、華月流 七鎌度ななかまど


蜘蛛の前足四本がユリを狙い……残り四本は体を支えている。

剣を左右に薙いで体を支えている足を打ち払い相手のバランスを崩していく!


強打により後ろ足の二本が払われ、蜘蛛の体が傾く……、


バランスを崩して蜘蛛の前足が大きく狙いを外して床に突き刺さった!



(今だ! 強力な一撃を!)


「華月流 三日月みかづき

剣を大きく1回転させ、遠心力を乗せて蜘蛛の足に叩きつけた!!


ガッ!!


(くっ! それでも断ち切れない!!)


蜘蛛の足半ばまで食い込むも、切断には至らなかった。

しかし明らかにその足の動きは鈍っている。



「叢雨流槍術 時雨しぐれ


ユリの槍が……神速中のライラでもやっと目で追える速度……しかも的確に相手の可動部にある隙間に差し込まれる!


(なんて速さ! 神速中なのに……)


本当の速さはどれだけなのか……蜘蛛の体数か所に槍が差し込まれる!



神速が切れ速度が戻る……しかし神速中かと思えるほど蜘蛛の動きが遅くなっていた。




その時だった!


前方にいるユリに向かって蜘蛛が口の部分から糸を吐き掛ける!


蜘蛛の巣状に吐きだされた糸……ユリは槍でかき回すようにして絡めとろうとして……糸に触れた槍が切断された。


「!?」


慌てて横に躱すも間に合わず、糸によって左腕と左足首が切断された!!

地面にユリの腕と足首が転がり床に血が飛び散る。



「ユリ!!」


叫ぶ私に向かって蜘蛛がお尻の方から糸を飛ばした!!



こちらは一直線状だが……かなり速い!!


神速も切れており、回避が間に合わなった!


鋭い槍の様に右肩を貫かれる!!


「ぐぅぅ!」



私は肩を押さえてしゃがみ込む……右手からデュランダルがずり落ちた。


「しっかりなさい! 『防御プロテクト』が掛かっていたからそこまで酷くありませんわ! 『回復ヒール』」


私に駆け寄ったリアが回復してくれる。


「リア、ユリを……」


「分かっていますわ!」



私は急いで剣を拾うと、倒れこむユリに近付いて行く蜘蛛に走り寄る!!


(気をこっちに向けないと!!)

「華月流 三日月」


走りながら剣を大きくぶん回し、そのまま後ろ足に叩きつけた!!


走った為威力が上がったのか今度は足が切断される!!


足を一本失って蜘蛛が大きくバランスを崩した!!


ユリを狙って振り下ろされた足が金属の床を抉る!



「こっちよ! また足を切断してあげるわ!!」


私の挑発に、蜘蛛はゆっくりとこちらに向き直る。




そうして私に向かって前足を振り下ろした!!


「神速! 華月流 双刃葵」


相手の前足を受け流す……受け流してぶつける箇所が無い。

相手の前足はそのまま床を抉る!!



その時、私の中で閃く!


(……そうか、これで……)

私は横にずれると再度前足に剣を叩きつける!!


もちろんビクともしない……そうして蜘蛛の気を惹いている間にリアがユリを引っ張って行く。

部屋の端の方で回復魔法を掛けるのだろう。

引っ張られる衝撃にユリが顔を歪めている……かなりの激痛が走っているはずだ。


……しかし、


「リア!!!」


部屋の隅にユリを引っ張って行ったリアにトギスが走り寄る!!

その手には剣が握られていた!



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